創作シナリオ・『君がいなくなった後の教室』【２】

◯海望高校・教室（夕）
　　　海望高校の、F組の放課後。公一が、鞄に教科書を詰めながら、光希と夏美の様子を少し気にして見ている。夏美と光希、話しをしている。
夏美「へぇー色々大変だったんだね。でも、わざわざこの学校に入らなくても良いのにね」
光希「（少し笑って）ええ、でも来ちゃったから」
夏美「（聞き返して）えっ？」
　　　公一、夏美と光希の前を通り過ぎる。公一、通りすがりに、光希と目が合う。
光希「（笑って）よろしくね」
公一「……ああ。うん」
　　　公一、教室から出て行く。夏美、振り返って、公一が出て行く様子を見る。
光希「何の声？」
夏美「ボート部、ボート部の声だよ。ウチらの高校、ボート部あるからさ。気が付かなかった？」
光希「へぇ、素敵――でも、あたし全然スポーツ苦手」
夏美「わかるー。そういう感じ！」
光希「そう？」
　　　窓の外から、ボート部のかけ声。夏美が教室を出て行き、光希がその後、教室を続けて出て行く。