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文学の落下点┊ novel

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創作小説
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#自分

透明な魔物

透明な魔物

_____僕は、魔物だ。

「自己への違和感」自分だけには厳しく生きた。傲慢で我儘な人間になるのが怖くて、自分をぼろぼろにしながら耐えた。

繊細に丁寧に優しく脆いなにかにこそ寄り添えるように生きてきた。でも、得をするのも輝くのも幸せそうな人も「貪欲に挑める人」。 誰かに振り回されたり後始末をする大変さにため息をついてきたのに変われだなんて今更だ。自分で作り上げた闇を今更照らせない。「暖炉の家より

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詩┊ 『ざねりの夜』

詩┊ 『ざねりの夜』

わすれたい。わすれさせない。おまえがだ、

もうあたりが藍に染まる

ブラックコーヒーは苦いけど不安と震えを喉の奥に無理やり押し込めるから好きだ
でも乗り遅れた電車が、幕を剥がすように現れた夜が、美しかったから今日はラムネを飲むことにした。瓶は重たくて、でも街灯を食べるように光を孕んでいて綺麗だった

あいつみたいに自分を好きになりたかった
あいつみたいに迷惑なんて構わず先生に言い返して怒られてみ

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