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わたしの本棚

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3度の飯より本を読みたい、本はわたしをどこまでも連れて行ってくれる魔法。わたしの本棚のきろくです
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#エッセイ

わたしはわたしで最高だ

わたしはわたしで最高だ

父が弱々しい姿をしていることをたった一度だけ見たことがある。父の癌の検査結果を聞きに行ったとき。癌だということはもう明らかで、その日は癌の進行具合、つまりステージのレベルが分かる日だった。父と母と弟と4人で聞きに行った。狭い診察室にぎゅうぎゅうで、家族総出で来るなんて、と医師は少し驚いた様子で、でもわたしたちは至って緊張していた。

結果は想像していたよりも軽くて、でもやっぱり良くない結果だった。

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4月の読書 | 風の吹くままに

4月の読書 | 風の吹くままに

今月はたくさん本を読めた。どれも心に響くものばかりで。とくに生きることに関する話が多かった気がする。生きるということ。生きているということ。谷川俊太郎の「春」という詩のなかに、「生きているということ それはミニスカート」という文があって、どういうことなんだろうと思いながら音読をしていた小学生の頃のわたし。大人になってもさっぱりまだ分からないのである。

小さいコトが気になります/益田ミリ

日常の

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3月の読書 | 懐かしさに救われる

3月の読書 | 懐かしさに救われる

3度の飯より、本が好きである。というのは大袈裟だけれど。同じくらい好きである。本を読むことは、わたしにとって心の食事だ。本はいつ何時でもわたしを外の世界へ連れて行ってくれる。それはわたしにとって、ある種の旅である。読書記録はつまり、旅の記録でもあるのだ。

高校3年生のころ、担任の先生が毎月読書記録を共有してくれた。国語の担当の先生で、受験勉強中も、読書は勉強のうちだから、と読書を勧めてくれた。高

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