マガジンのカバー画像

映画レビュー

21
しぬほど映画に自己投影をして、しぬほど自己満足な感想を書きます。★は5.0点満点。年間100本鑑賞が目標。
運営しているクリエイター

#note映画部

レビュー / 映画『静かな雨』自分があると信じたときに、過去はある ★4.0

レビュー / 映画『静かな雨』自分があると信じたときに、過去はある ★4.0

フィルムカメラのような画と空気感、とってもよかった…ユキさんとこよみさんの日常の描写が極上でした、いつまでも見ていられた。『パターソン』のような世界観。ああいう穏やかで平凡な人生が最高なんよ、と気づいているはずなのに、きっと私は実際にそんな日々を送ったら、すぐに新たな刺激がほしくなってしまうんだろう。まだまだ子供ですな。それともこの性とは一生付き合っていくことになるのかな。

▼あらすじ

もっとみる
レビュー / 『あゝ、荒野 後篇』★3.8

レビュー / 『あゝ、荒野 後篇』★3.8

今更ながら、メインキャストの演技力やばすぎんか。菅田将暉はさることながら、この映画で初めて知ったヤン・イクチュンが恐ろしいほどにうまくて、演技とかじゃないレベル。もはや憑依。他の作品での彼もぜひ観てみたい
女の子を追いかけるときに「ちょっごめん…」的なジェスチャーをするバリカンと、海を前にしてかもめみたいな鳴き声を上げるバリカンがツボすぎた。

ラストは全くわけもわからず理由もなく泣きました。『百

もっとみる
レビュー / 映画『あゝ、荒野 前篇』人生という荒野の絶望と、それゆえの希望 ★4.2

レビュー / 映画『あゝ、荒野 前篇』人生という荒野の絶望と、それゆえの希望 ★4.2

生きるってことがあらゆる角度から、それでいてど直球に、はんぱない熱量で描かれていて、重厚感ありすぎな映画だったし、つまり私が大好きなやつだった。

▼あらすじ

友の裏切り、貧困、父からのDV、吃音、周囲からの蔑み、孤独、嫌なことばかりで絶望しちゃうような人生。でもやっぱり、そうしたどん底を見つめて、味わってこそ生きるってことが本当にわかるようになるんだと思う。相反するように見えることは、実は全て

もっとみる
レビュー / 映画『イン・ザ・ハイツ』今ある日常を最高に愛して楽しむ ★4.2

レビュー / 映画『イン・ザ・ハイツ』今ある日常を最高に愛して楽しむ ★4.2

さいっっこうだった…………その陽気さを人生の青写真にしたい作品である
一緒に観ていた友人とエンドロールの音楽でノリながら「こういう人生にしようぜ!」と確かめあったのも含めて最高だったんじゃ〜

▼あらすじ

ずっと思い描いてきた理想の暮らし、それはウスナビにとっては幼少期に離れた故郷ドミニカ。青い海、青い空、年中燦燦と太陽光が降り注ぐ常夏の国。かたや今ウスナビが暮らす場所は、NYの移民街。みんなが

もっとみる
レビュー / 映画『音楽』馬鹿に見られたくないと思ってるほうがよっぽど馬鹿 ★4.0

レビュー / 映画『音楽』馬鹿に見られたくないと思ってるほうがよっぽど馬鹿 ★4.0

頭で考えるんじゃなくて心で感じる映画。いま見るべくして、な作品だった…

なにかをやるのに理由もハウツー本もいらないのですよ。うまい下手なんて自分以外の誰かが勝手に決めることで、自分にはまったく関係のない話。だからいつだって、自分の思うまま、楽しいようにやるのが一番の正解なのだ。

ギターとベースの違いもペグが何かも知らない研二たちの荒削り(すぎる)音楽を、誰も馬鹿にしない、どころか褒め称え、感動

もっとみる
レビュー / 2021年わたし的ベスト映画『偶然と想像』に見た、ゾクゾクするような人間のリアル

レビュー / 2021年わたし的ベスト映画『偶然と想像』に見た、ゾクゾクするような人間のリアル

2021年は映画を100本観ることを目標に掲げていたのだけど、結局68本しか見られなかった。

ちょっとした自己開示をすると、私はストレングスファインダーで資質の最下位に「達成欲」がくる人間である。会社員時代、OKRやらKPIやらの達成には悲しいほど動機づけなかったし、ダイエットは宣言こそすれいつも始まりさえしないし、新年の抱負は年末には立てたことさえ忘れている。そんな私が人生で初めて、達成にコミ

もっとみる