年収は遺伝によって決まるのか？の研究

2020年11月10日 18:54

概要

人の年収は遺伝と関係がある。様々な研究では年収は遺伝の30％～42％で決まるといわれている。逆に言えば、半分以上は学歴や性格、運や努力で変えることができるのだ。

皆さんは、なんのために勉強したり、働いていますか？

ほとんどの人がいい学歴がつく学校に行って、給料の高い就職先に努めるために、勉強や仕事をしていると思います。

まあ、要はお金の稼ぐために、仕事や勉強をしていると思います。

で、ここで本質的な話をすると、皆さんが幸せに人生を謳歌するためのお金、もっと具体的に言うと仕事で稼ぐ年収はどれくらいあればいいと思いますか？

実は科学的に言うと、人間の幸せは、年収は約700万～800万ぐらいでピークといわれています。

これは、有名な心理学者のダニエルカーネマンが導き出したグラフで、2010年にアメリカ人1000人に対して、収入と幸福度を調査した研究で明らかになっています。

そのため、年収1000万を超えるお金持ちになても、お金による幸せは年収700万とそこまで変わらないのです。

そのため、お金だけが人間を満足させてくれるものでは、ないのですが、とはいえ、お金は大切なので、勉強や仕事をするべきです。

しかし、世の中には色々と勉強や仕事ができても、年収が700万にも満たない人は世の中にはいっぱいいます。

じゃあ、いったい何が自分の年収と関係しているのかというと

実は遺伝が関係しているのではないかというのが昔から科学の間でいわれてきました。

今回は年収と遺伝の科学について紹介して行きたいと思います。

実は、遺伝と年収の関係は古くから研究がされており、1998年にアメリカのアリゾナ大学で発表された研究があります。

この研究は28〜35歳の兄弟、姉妹1943人を対象とした研究で、彼らの年収と教育環境、IQを調査して、どれくらい同じ遺伝子を持つ兄弟の年収が近いのかどうかを調べました。

研究の結果、どれくらい年収が遺伝と関わっているのかですが、なんと年収の42％が遺伝、8％が教育環境、50％がIQによるものだということが分かりました。

つまり、遺伝の50％が収入と関係するということが研究で分かったんです。

ちなみに、これはあくまでアメリカで行われた研究なのですが、実は日本でも遺伝と年収について研究がされています。

どんな研究かというと2013年に九州大学と慶應義塾大学で行われた研究で約1000人の双子を対象とした研究になります。

この双子がどんな教育を受けいていて、どれくらいのIQで、どれくらいの年収を持っているのかを20歳から60歳までを調査し、年収と遺伝がどれくらい関係するのかを調べました。

その結果、なんと年齢によって異なり、20歳～30歳までは、家庭の環境によるものが大きく、年収と遺伝との関係は約20％ぐらいしかないのですが、35歳を超えてくると遺伝による関係性が40％と増えていき、45歳ぐらいになると年収の50％以上が遺伝との関係性が見られたのです。

図　日本人の年収と家庭環境、IQがどんな関係があるのかのグラフ

A:家庭環境の影響　C:遺伝による影響  E: IQによる影響

つまり、年齢が増えていくにつれて、年収と遺伝の関係性が濃くなっていき、40歳ぐらいから50％以上が遺伝によるものが大きくなるわけなのです。

まとめですが、私たちの年収の30％～50％はほぼ遺伝によるものだということが科学によって説明できてしまうので、結構ショッキングな事実だと思います。

でも、言い換えれば、残りの50％以上が自分が努力した勉強や自分の身の回りの環境でどうにかなるのです。

なので、皆さんもお金を稼ぎたい場合は、ぜひ勉強してみてください。

以上が、年収は遺伝によって決まるのか？の研究でした。

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