中澤佑二

「中澤佑二はただのボンバーヘッドではない」推薦図書"下手くそ"中澤佑二より

アヴァンテです。

先日、中澤佑二選手が20年に及ぶプロサッカー選手人生に終止符を打ちました。

僕は中澤佑二選手のことについて、マリノスファンの方のように多くのことを知りません。印象に残っているのは、南アフリカW杯での世界を相手に勇敢に戦った姿と、もう1つは年々蓄積されていったサッカーリテラシー力です。

去年の川崎フロンターレ戦。中澤がニヤニヤしながら川崎の攻めたい中央のスペースを潰す姿。「ヘディングだけの選手」そう言われていたのにも関わらず、年を重ねるごとにビルドアップの精度が上がっていく姿。むしろ、代表を引退した後の中澤の方が僕の記憶には鮮明に写っているかもしれません。

そんな中澤選手の頭の中がずっと気になっていましたが、なかなか勉強する機会を作ることが出来ませんでした。

そして、現役引退。

もう中澤選手のプレーを見て勉強することが出来ないと思うと、悲しい気持ちでいっぱいです。しかし、プレーを見ることはなかなか難しい反面、中澤佑二が書いた本を読めば、「何を考えてプロサッカー選手として生きてきたのか」が分かるのではないかと思いました。

そこで、中澤選手が書いた著書「下手くそ」を読んでみました。中澤選手が何を考えてサッカー人生を過ごしていたかどうかを、今回は紐解いていけられればと思います!


◎こっちの芝は青いと相手に思わせろ


この本では、「W杯に出場するプロサッカー選手になる」という目標に対して、中澤選手が「下手くそ」な状態から何を考え、どんな行動をしたのかが、中澤選手の当時の心理状態と合わせて書かれていました。

僕がこの本で1つめに感心した点は、「隣の芝が青いなんて思ってる暇はない。こっちの芝は青いと相手に思わせるために時間を使え。」ということです。

僕も高校までサッカーをしていた人間ですが、足元の技術もなければ身体能力・運動神経といったものは皆無であり、他の選手の良いところを見つけては羨ましいと思い続けていました。

そして、「〇〇みたいになるにはどうしよう。」という思考に陥っていたこともしょっちゅうありました。でも、中澤選手は本でこう言っていました。

・本人が気づいてないだけで、体のどこかに原石が眠っているものだ。最初はごくごく小さかったり、あるいは自分自身では当たり前になりすぎていて、気づきにくいかもしれない。けれども、周りの人に聞いたり、自分と周りとを冷静に比較することで、発見できるはずだ。

目標や夢を達成するためには、まずは他者と自分は違う才能を与えられているということを認識するということが大事であることを僕自身も学ばされましたし、常に自分と向き合ってプレーの改善をしていたからこそ、キャリア晩年でも日々成長していたのではないかと気づかされました。


◎どんな才能よりも尊い、10年継続の力


中澤選手のもう1つの素晴らしい点は、「継続する力」です。
中澤は、大きな区切りとなる目標を達成するためには10年の期間を要する。と言っていました。中澤がサッカー選手になりたいと思ったのは小6(11歳)で、実際にプロになったのは21歳のとき。「W杯でキャプテンとして出る」と思ったのは18歳で、実際にキャプテンマークをつけて出場したのは28歳のときでした。

そんな中澤選手は、「継続する力」について著書で以下のように語っています。

・才能だけではなく、やり続けられるかどうかが最も重要であり、裏を返せばやり続けることが出来さえすれば、何事も成し遂げられるということだ。
・「これなら自分でも続けられそうだ」と思うことを探して、とにかく継続することが大切。「継続力」は平凡を非凡に変えるパワーを秘めている。

中澤選手が見せているプレーの表面的な部分については、裏で10年分の努力があってようやく表に出ていることを痛感しました。僕自身も結果に一喜一憂せずに物事を愚直にやり続けたいと思いましたし、今後サッカーを見て改善点が見えても、「形として見えていないだけで、現在努力をしている最中なのかもしれない」という捉え方が必要なのではないかと思いました。


僕が書いたこと以外にも、胸に突き刺さるような体験・経験・思考が言葉となって連なっている本になっています。中澤佑二選手をもっと知りたい方、または今の自分に満足できていない人や、弱い自分と向き合おうとしている人にぜひ読んでいただきたい本です!


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