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ゆうき
2023年2月5日 12:02
中学一年生の春、毎日見ている黒目川という浅い川の中で「人が死んでいる」という話で持ちきりになった。ちなみに東京のあの目黒川とは別物。黒目川(くろめがわ)である。八人の仲良しグループのなかの誰かが言い出して、わたしたちはその話題の虜となっていた。第一発見者があまりに神妙な顔つきで話すので、そんなわけないと思いながら本当に人が死んでいるのではないかと怖くなり始めていた。怖がるのはダサいと
2022年8月11日 23:40
小学生のころ、芋くさいジャージを“みぞおち”あたりまで上げ、黒い髪をふたつに結って、デカイ黒縁メガネをかけて、毎日片手に太鼓を持ったかなり古風な先生がいた。なんの脈略もなく、小学生くらいの記憶がズンっと現れることがある。しかもわたしは限りなくどうでもいいことを色濃く記憶に残すクセがあるようだ。太鼓先生は担任ではなかったが、合同授業で一度だけ体育の指導を受けたことがあった。当然、終始太鼓を鳴
2021年1月30日 09:12
わたしは1月末で、25年近く住み続けた埼玉県朝霞市(あさかし)という街を出る。生まれも育ちも朝霞市で、今まで通学通勤を機に一人暮らしをする必要もなかった。わたしは多分人よりも地元愛が強く、正直朝霞市を出るのはすごく寂しい。泣朝霞市という街は特に何かがあるわけではない。青春時代の思い出が詰まっているとか、今でも友達が住んでるとか、馴染みの店があるとか、地元を好きな理由なんてほんとそんな