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№436 Think Different

こんにちは。白石です。
今日はマーケティングについて考えたり、学んだりしていると、久しぶりに
「Think Different」に辿り着きました。

1997年のAppleの広告キャンペーンのスローガンです。
この言葉の意味は「発想を変える」、「ものの見方を変える」、「固定概念をなくして新たな発想でコンピュータを使う」ということ。 キャンペーンでは、「世界を変えようとした人たち」としてアインシュタインやピカソ、ガンジーなどを挙げている。

この時の広告CMに、商品の機能性、デザイン性、優位性、価格などは一切用いられていません。

本当に顧客に伝えたいことは何なのか?を考え抜いています。

まーアップルもしくは大企業だからこんな手法がとれる、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが・・・

しかし、今の世の中を見てみると、似たようなモノ・サービスが溢れかえっています。そんな中、自社の商品を手にとってもらうことやサービスを体験してもらうことは、簡単なことではありません。

どこの企業も他社商品よりこんなところがイイ、これだけ安い、今なら○○などということを一生懸命に伝えようとしています。悪いことではありません、必要なことだと思います。しかし、それはどこも一緒です。

だからこそ、私達は顧客に何を知って欲しいのか?本当に明確にする必要があるのです。

それが一生懸命に伝えなければならない、本当の価値なのかもしれません。

これはフィットネス業界に従事する我々も本当に考えなければなりません。

ということで、スティーブ・ジョブズのプレゼン(約7分)の日本語文章とその時のCMを貼っておきます。何か感じてもらえれば幸いです。

私にとってマーケティングはバリューがすべてです。世界はとても複雑で、ノイズの多いところです。人々に私たちのことを覚えてもらうチャンスはそう多くありません。どの会社にとってもそれは同じです。だから、人々が私たちについて知っておいてほしいことを明確にする必要があります。アップルは幸いにも、全世界で6位以内に入る最高峰のブランドです。トップブランドにはナイキ、ディズニー、コカ・コーラ、ソニーなどがあります。アメリカだけでなく、全世界においてトップの中のトップブランドということです。けれど、最高峰のブランドでも人々とのつながりと魅力を維持したいのなら、ブランドに投資し、手をかけなければなりません。アップルのブランドはここ数年の間、ネグレクトに苦しんできたのは明らかです。アップルはブランドを取り戻す必要があります。そのためにすべきことは、処理速度や性能について語ることではありません。ビットやメガヘルツについて語ることではありません。アップルがWindowsより優れている理由を語ることではありません。酪農業界はこの20年間、牛乳は体にいいと人々を説得しようとしました。事実ではないですが、いずれにしろ試しました。売上はどんどん下がっていましたが、「Got milk?(牛乳ある?)」キャンペーンを行なって、売上が改善しています。「Got milk?」はプロダクトの話をしていません。それどころか、牛乳がないことに焦点を当てた内容です。あらゆるマーケティングの事例の中でも傑作であり、世界が目撃した最高のマーケティングはナイキによる広告です。思い出してください、ナイキはコモディティを売る会社です。靴を売っているのですよ。でも、ナイキのことを考えたとき、単に靴会社だけではない感情を覚えるはずです。ナイキは広告で、プロダクトについて一切語りません。エアソールについて語ったり、リーボックのエアソールより優れている理由を語ったりすることはありません。では、ナイキは広告で何をしているのか。彼らは偉大なアスリートを讃え、スポーツの素晴らしさを讃えています。それが彼らであり、彼らが存在する理由なのです。アップルは広告に莫大な金額を費やしてきました。誰も気付いていないでしょう。私はアップルに戻ってきて、既存の広告代理店との契約を打ち切りました。4年前、23の広告代理店を競わせ、1社を選んだのですが、それを全部なしにして、TBWA\CHIAT\DAYを選びました。何年も前に、幸運にも一緒に仕事をした広告代理店で、賞を獲得する広告を制作しました。広告の専門家に、過去最高の広告と評された「1984」を含みます。8週間前から一緒に広告の制作をはじめています。私たちが投げかけた問いはこうです。私たちのカスタマーは、アップルは何者で、私たちが何のために存在しているかを知りたがっています。私たちはこの世界のどこにあてはまるのか。アップルの存在理由は、人々が仕事をこなす箱を作るためではありません。それは私たちの得意なことです。場合によっては、他のどこよりもうまく作れていると言えるでしょう。けれど、アップルの存在理由は、そのためだけではないのです。アップルの中心にあるコアバリューは、「情熱を燃やす人は、世界をより良い方向に導く」ということです。それが私たちの信じていることです。実際に、世界をより良い方向に導いた人と仕事をする機会に恵まれました。あなたのような人やソフトウェア開発者、カスタマーにそういう人がいます。彼らが成し遂げたことは大きいものもあれば、小さいものもあります。私たちは信じています。人々は世界をより良い方向に進ませることができるということを。そして自分が世界を変えられると信じるクレイジーな人が、実際に世界を変える人だということを。数年ぶりに展開するブランドマーケティングキャンペーンで、私たちはこのコアバリューに立ち返ります。様々なことが変わりました。10年前とは市場の様子はまったく変わっています。アップルも以前とは大きく変わりましたし、市場におけるアップルの立ち位置も変わりました。プロダクトもディストリビューション戦略も製造もまったく変わっています。それはわかっています。けれど、信念とコアバリュー、そういったものは変わるべきではありません。アップルが本当に信じている中核となる部分は、アップルが今存在している意味とつながっているのです。私たちはそれを伝えるための方法を探しました。そうして完成したものは、私の心を動かす内容となっています。私たちは世界を変えた人たちを讃えます。存命の方もいれば、そうでない方もいます。ですが、もう亡くなられている方も、今からご覧いただきますが、もし彼らがコンピューターを使うことがあったのなら、彼らはきっとMacを選んでいたでしょう。キャンペーンのテーマは『Think Different』です。違う考えを持ち、世界を前に進ませた人々を讃えます。それが私たちの存在する理由であり、アップルの魂につながっています。では、さっそくご覧いただきましょう。あなたもこれを見て、私と同じような気持ちになるのなら幸いです。


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