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№432 ストーリーとしての競争戦略

こんにちは。白石です。
今日は「ストーリーとしての競争戦略」について少し。著書は楠木健氏です。
簡単に言えば、素晴らしい戦略はストーリーがあるということです。そしてそのストーリーは思わず誰かに話したくなるようなことであれば、なおさら良いです。

思わず誰かに話したくなるストーリーとは、「変」であること、一見して非合理的な部分があると、全体を見た時に「なるほど」となります。
これを「バカな」「なるほど」を組み合わせて、「バカなる」と言います。

ここで簡単な図を付けておきます。

右上の全体から見ても合理的、部分から見ても合理的というのは、誰もが正しいと思える戦略です。ということは、誰もが思いついて行動に移しやすい戦略と言えます。

もしかすると、隣の会議室や近くの同業他社でも似たような戦略が立てられている、もしくは実行されている可能性が高いです。

うまくいく可能性もありますが、競争は激しくなりますし、持続性は不安定になるでしょう。

競争戦略として、部分で見ると一見非合理的に見えるが全体としては合理的な戦略がとれて、それがストーリーになっていれば優位に立てるということです。

例えば、有名な話でいけば「スターバックス」の日本展開です。

現在、日本にスターバックスは約1,700店舗ありますが、その内の一部特殊な契約を除く1,500店舗が直営店舗となっています。

日本展開当初、全店直営店舗展開を掲げると、社内や株主から猛反対にあったそうです。普通に考えればそうですよね。

コンビニや他のライバル店のようにフランチャイズにしてオーナー経営にすれば、進出のコストも押さえられますし、とにかく資金面での効率がいいですのでリスクも最小限に抑えれます。また、株主からすると出店スピードが上がり短期的リターンも大きくなります。

全店直営店戦略というのは、部分的に見ると「超非合理的」な戦略です。

しかし、スターバックスを全体として見た時に、

・スターバックスはコーヒーで稼いでいるわけではない
・スターバックスのビジョンは魅力的なサードプレイスの提供

これに強烈なこだわりがあるのです。

もし、フランチャイズ経営にしたら、フランチャイズオーナーは利益を求めるために、席を店内にぎゅうぎゅうに敷き詰めて客を入れたり、何分以上の滞在はお断りみたいなPOPを掲示したり、効率重視の接客サービスをするかもしれません。確かにその方が短期的に売り上げは上がるかもしれません。

しかし、それでは利用者がゆったりとしたスペースでくつろぐことができる魅力的な空間にはなりません。カップに絵を描く接客も難しいでしょう。

それで、全店直営にして、いすの配置や数にもこだわり、質の高いサービス、魅力的なサードプレイスになるよう徹底したのです。

これこそがまさに、「ストーリーとしての競争戦略」ですよね。

一見して非合理的に見えるが全体としては合理的、そして思わず誰かに話したくなるようなストーリーですよね。

実際に私もこうやって例として書いています。

ストーリーとしての競争戦略、ページ数が多くて気が引けますが、是非とも一読ください。

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