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第二印象

「人は第一印象が重要だ。」
確かにその通りです。

接客業に限らず、あらゆる業種の研修などで、このことは口酸っぱく指導されています。時にはメラビアンの法則などを引用しながら、身だしなみ・表情・言葉遣い・挨拶・態度などの重要性が説かれます。

けれども、本当に人は第一印象以上に大切なことがあります。そのことは、当たり前と思われているからなのか、研修ではあまり語られません。

「第一印象が重要だ」ということばかりが刷り込まれていると、弊害が生じます。皆さんには次のような経験はないでしょうか。

例えば、初めて職場の面接に行くという場面を想像してください。あるいは、マッチングアプリで初対面の人に会うという場面でも構いません。そんな時、あなたは待ち合わせ時間を勘違いして、約束をすっぽかしてしまいました。あなたはどんな気持ちになるでしょうか。多くの方が「うわ、もう終わったわ…」と思うことでしょう。あれだけ第一印象が重要だと言われていたのに、それを台無しにしてしまったからです。

人によっては、もうその企業、あるいはパートナーのことを諦めてしまう者もいるでしょう。どうせもう上手くいかない、嫌われたと思うからです。

人は「自分がどう見られているか」を正しく把握することは困難です。しかし、他者を「自分がどう見ているのか」については、より詳細に知ることが出来ます。では、自分が他者を判断するときに、それほどまでに第一印象を重要視しているのかということについて考えていきます。

自分の体験を辿ると、私は「第一印象」よりも「第二印象」を重要視しているという実感が湧いてきます。つまり、2回目に会ったときに、その人が「良い人」なのか「良くない人なのか」という判断を下しているということです。

というのも、第一印象だけでは情報量が多すぎて、頭のなかで処理しれないという事情があります。

私は数か月前に企業の研修を受けました。専門の資格を持ったインストラクターの先生から5日間にわたって研修を受けました。時間割に応じて、担当のインストラクターは交代していきました。ただ、場合によっては、別の授業を同じ先生が担当するということもありました。研修の初日は、覚えることが山積みで、正直人を覚える余裕などほとんどありませんでした。しかしながら、3日目あたりで、少しづつその環境に慣れていき、インストラクターの先生の顔と名前が一致するようになっていきました。そうなってようやく「そういえばこの人の話し方、すごく分かりやすいな」、「最初は怖い人かと思ったけど、本当は親しみやすい人なんだな」、「厳しい人だけど頼りがいがるな」といった他者への評価が出てきました。第一印象ではなく、「第二印象」でその人へ抱く印象が強く意識されました。

もちろん世の中には、一期一会で、やり直しが効かない人間関係というものもあります。しかしながら、人間関係は中長期的なものがほとんどです。職場、友人、パートナー。いずれも、たった一回だけでなく、数えきれないほどの接点を持つ事が想定される関係性です。

ということは、たとえ第一印象が上手くいかなくとも、挽回のチャンスはいくらでもあるということでもあります。確かに、約束をすっぽかしてしまったら、第一印象は最悪でしょう。けれども、そこで諦めずに誠意をもって謝罪できたらどうでしょうか。もしかしたら、自分の失敗を正直に認めて謝れるという姿勢が、望ましい「第二印象」として映るかもしれません。

どんなに準備を重ねても、失敗はしてしまうもの。本当に大事なのは、失敗してしまった時にどのように振舞えるかということ。第一印象ではなく、第二印象の重要性。私はこのことを大切にしていきたいと思います。

それではまた👋


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