YusukeKanda神田佑亮

気がついたら「モビリティ危機対応専門家」(自称かも,いや,そう認識されてる?) 社会基…

YusukeKanda神田佑亮

気がついたら「モビリティ危機対応専門家」(自称かも,いや,そう認識されてる?) 社会基盤の民間コンサルタントを経て,アカデミックの道に.新世代・半民半学.京都大学→現在呉高専・教授. お頭よりも,動いて,話して難問を解決するのが信条.特技は寝技,苦手なものは保身な人.

最近の記事

【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月15日-神田研究室呉市役所オフィス

7月15日(日)晴れ この日は1日,呉市役所で作業をしていた.朝,市役所に行ったとき,1階のロビーには,多くのボランティアの方が集まっていた. 昨日,災害時BRTの,三連休明けの7月17日からの運行に向けての準備が切られていた.広島と呉との間で幹となる交通が確保される,だけども,まだ一般への公開はできない.いろいろクリアすべき課題は多く,目処が立ったギリギリに公開の予定,であった. この状況で,7月17日に何が起きるであろうか?あるいは,このまま災害時BRTの運行が始ま

    • 【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月14日-提案行脚

      7月14日(土) 晴れ 昨晩遅く(午前2時過ぎ)に帰宅し,ザーッとラフな資料のスケッチを作成した. 朝6時に目覚め,そのスケッチから,提案のための資料を一気に作成した.2時間ぐらいで仕上げた.その資料がこちらである. 2時間でよく仕上げたと思う.これは,民間のコンサルタントでの経験が活きたか. ▼災害時BRTをはじめとした渋滞対策の提案資料 この資料,本当は一緒に議論した呉市の名前も入れたかったのであるが,「夜討ち朝駆け」?を想定していて,了解をとる時間もなかったので,

      • 【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月13日-閃き〜災害時BRT発案〜

        7月13日(金) 発災からちょうど1週間が経過した. この日は午前中は家で仕事をしていた.学生のインターンシップの手続き,その月の月末に迫っていた学会の開催準備などの対応をしていた. また,前日の午後に学校の教務(学生の成績などを扱う)の先生に,インターンシップに行けなくなった学生を,ボランティア活動への参加でインターンシップの単位として認めることができないか相談したところ,可能にするとの回答をいただいた.非常にありがたく,素敵な判断であったと思う.事前の協議で,「単位が必

        • 【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月12日-離れ業

          7月12日(木)晴れ 前日の深夜から,国道31号が通れるようになった.完全回復ではなく,暫定的な開通である. 大きな被害が出ていた,国道31号の水尻地区.山の中腹を通る広島呉道路が崩落し,その裾を走るJR呉線,国道31号を埋め尽くした.3本の動脈が切れていた. この区間,駅の向かいに人工のビーチがあるのが救いだった.国道31号が通行止めになりながらも,地域の住民や自転車・二輪車はなんとか通っていたようであった.後に国土交通省広島国道事務所の関係者の方に聞くと,「人が通ってい

        【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月15日-神田研究室呉市役所オフィス

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月11日-土砂

          7月11日(水) この頃,学科の有志の先生と毎日オンラインでミーティングを行っていたが,徐々に,「復旧」のフェーズに変わりつつある様子が見えてきていた. 一方で,「交通」の専門家として,できることがまだ見当たらない.ここ数日,時間があればGoogle Mapを眺めていた.どこが渋滞してるのか,また,どこが通れるのか,という情報を収集するためであった.Google Mapの精度は極めて高い.よくみていると,どこまでが行けて,どこで崩れて通行止めになっているかも,表示されたデー

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月11日-土砂

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月10日-模索

          7月10日(火)快晴. 昨日,いろいろな行政機関を回ったが,「運輸」寄りの交通の部分では,直近で役立てることを見つけることができなかった.行政機関もこの時点では切迫されたような様子はなかった.交通網が寸断され,大変なことになっていたのは事実である.ただし,被災してまだ間もなく,学校は休校であったところが多く,仕事を再開されていたところも少なかったためであろう. そのまままた行政機関に様子を伺いに行っても良かったが,昨日と比べてあまり様子が変わった様子もないので,この日は少し

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月10日-模索

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月9日-屈辱

          7月9日(月) 発災後,初めての平日である.ニュースでは,まだ人命救助活動のニュースが流れていたタイミングである. この日,朝10時から学科の先生の有志(10名のうち,5名)が集まり,作戦会議を行なった.といっても,前半は,学生のために何ができるか,何をすべきか,ということがメインであった.学校の様子はどうなっているか,学生の様子はどうなっているか.寮にいる学生は大丈夫か,留学生は大丈夫か. そして,ボランティアに行きたいという学生も出てくるので,その対応をどうするか.夏

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月9日-屈辱

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月8日-記録

          7月8日(日) この日は日曜日.大規模な災害が発生した後であるためか,それとも,日曜日であるせいなのか,街は閑散としている. 大規模災害が発生した後は,学術団体としての学会が「災害調査」を行っている.これまでの大きな災害では,調査団が編成され,落ち着いた頃に報告会がなされ,報告書もまとめられる.今回の災害でもおそらく調査団が編成されるであろう.そのために,できるだけ「今の様子」を記録しておこうと思った. 自分自身の専門は,「交通」であり「まち(づくり)」である.まずは広

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月8日-記録

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月7日-状況把握

          7月7日(土) 徹夜の山口・宇部往復から早朝に戻り,眠りについたものの,9時過ぎには目が覚めた.ニュースを見ると,やはりそこそこ被害は大きそうだ.ただし,この時点では被害の全容を把握できているわけではなかった. パソコンを立ち上げ,メールを読もうとしたが,メールサーバーに繋がらない.どうやら,メールサーバーが落ちたのか,停電かが発生したようであった.こういう時に,クラウドのサービスは強い.民間企業にいた時には,BCP(企業の事業継続計画)を意識しており,こういうことが起きな

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月7日-状況把握

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月6日-大雨と発災

          7月6日(金) この日は,出身地でもある広島県庄原市の庄原商工会議所にお招きいただき,人口減少問題をとにかく議論する会議に参加した. 会議は午後から.少し時間があったので,午前中に別のプロジェクトでご一緒している国土交通省中国運輸局へ立ち寄った. 中国運輸局は,非常に「すっからかん」の状態であった.職員の方がほとんど居られない.この日,大雨のため午後からJRやバスなどが計画運休の予定があることを早い段階から公表していたため,多くの方が出勤をされなかったではないだろうか.私の

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月6日-大雨と発災

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月5日-前夜

          7月5日(木) 明日から災害級の雨が来るかもしれないというニュースが多く流れていた. 前の週までアメリカ・マキノー島(五大湖に浮かぶ島)に出張しており,1週間職場を空けた分,とにかく仕事が溜まっていた. そういえば,このアメリカ出張では,乗る予定の飛行機が欠航になるというトラブルに見舞われた.トラバースシティからシカゴまで移動し,その日はシカゴで宿泊する予定であったのが,シカゴ空港周辺が大雨となり,飛行機が飛べなくなってしまった. アメリカでの長距離移動には,飛行機は欠かせ

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月5日-前夜

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:序章

          まもなく西日本豪雨(平成30年7月豪雨)の発災から3周年を迎えます.災害から3年経ったら,「やろう」と思っていたことがありました. それは,当時何をしたのか,可能な限り克明に記録し,そして,社会の邪魔にならない範囲でまとめること. 西日本豪雨で,自宅のある広島と,職場のある呉市を結ぶ道路とJRがぶった斬られました.しかも,ちょっとやそっとじゃなんとかならないくらいに.職場に行けないのです.ということは,市民の方も,移動ができない. これまでの自分の研究者・エンジニアとし

          【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:序章