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【西日本豪雨】交通対応最前線ダイアリー:7月15日-神田研究室呉市役所オフィス

7月15日(日)晴れ

この日は1日,呉市役所で作業をしていた.朝,市役所に行ったとき,1階のロビーには,多くのボランティアの方が集まっていた.

昨日,災害時BRTの,三連休明けの7月17日からの運行に向けての準備が切られていた.広島と呉との間で幹となる交通が確保される,だけども,まだ一般への公開はできない.いろいろクリアすべき課題は多く,目処が立ったギリギリに公開の予定,であった.

この状況で,7月17日に何が起きるであろうか?あるいは,このまま災害時BRTの運行が始まったときに,なにが起こるであろうか?
いろいろシミュレートしたところ,以下のようなことが起きるであろうと推測した.

1)一体,これがどういう交通手段なのかがわかりにくい.
2)呉まで着いたものの,その先の乗り継ぎに困る.
3)災害時BRTを含めた,交通の全体像が見えにくい(船など)
4)災害時BRTが使える乗り物かどうかが,一般には判断がつかない.
5)一体,どのくらいの人が使うの?
6)必ず,当日メディアの取材があるはず.

できることは何だろうか?ぱっと思いついた.
ただ,情報が錯綜しているようでもあり,刻々と動く情報を,的確にキャッチしつつ,これらの作業に対応する必要があった.

15日,16日,この準備に徹することを決意した.そして,呉市役所の会議室を,「サテライト研究室」として用意してもらった.研究室からパソコン,プロジェクタ,その他事務機器(と,お菓子,お茶)を持ち込んだ.

▼呉市役所内に用意してもらったサテライト研究室

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効果はてきめんだった.どのバス路線がもどって,また,災害時BRTの準備進捗状況が比較的レスポンスよく入ってきた.また,呉市からも相談を受けたり,広島県から呉市に向けた相談のサポートを行なったりした.

この「サテライトオフィス」には,学生に声をかけた.特に,当時2年生であった学生にも声をかけた.この学生,卒業後(まだ数年先)の進路について,「呉市役所に入りたい」という意思を持ち,よく自分に話してくれていた.2年生なので,律儀に制服で来てくれた.「専門を活かした,こういうボランティアもあるけど来るか?」と話し,そして.「重要な市役所の仕事の1つを見ることができるよ」と誘ったら,来た.朝9時30分には市役所入りし,夜まで手を動かしていたがクタクタになっていた様子であった(当たり前といえば当たり前か).自分のほうは,アドレナリンがガンガンにでており,しかも,この先何が起こりうるのかある程度シミュレートできていたので,この日はそうしんどいとは思わなかったが,まだアルバイトもやったことがないぐらいの学生,そりゃ,相当疲れたであろう.疲れ具合を見て,「翌日の16日は「休んでいていいよ」」と伝え,家まで送り届けた.

3年後,この学生は自分のゼミに配属された.そして,COVID-19によるまちや交通への影響を分析する研究をテーマとして研究し,現在は専攻科に見学し,研究をさらに深めている.ぱっと研究の議論ができ,さらに,手を動かすのも早い.理解も早い.非常時モードでも的確に動くことのできる,大変頼れる,優秀な学生である.3年前の経験が効いているのかな,と,思う.



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