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日々の出来事

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2022年3月の記事一覧

安孫子信先生の法政大学からの定年退職に際して思い出すいくつかのこと

来る3月31日(木)、法政大学文学部哲学科教授の安孫子信先生が定年退職されます。

すでに最終講義は3月5日(土)に「ベルクソンをめぐって」と題して行われていました[1]。

そこで、今回は安孫子先生にまつわるいくつかの出来事を振り返ります。

私が安孫子先生に初めて接したのは、大学1年生の際に1年次の必修科目である「基礎文献ゼミ」を受講したときでした。

白井健三郎の翻訳によるアランの『幸福論』

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NHK交響楽団の「2022-23シーズン定期公演の詳細発表」に際して思ったいくつかのこと

去る3月25日(金)、NHK交響楽団が2022/2023楽季の定期公演の詳細を公表しました[1]。

今季から首席指揮者にファビオ・ルイージ、名誉指揮者にパーヴォ・ヤルヴィが就任する新体制とA・CプログラムがNHKに戻り、各公演の特徴をより明確にするなど、意欲的な内容となっています。

特に注目すべきは2022年11月11日(土)、12日(日)に開催される第1968回定期公演に登場する予定の井上道

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「2022年のプロ野球の開幕」に寄せて

本日、日本のプロ野球の2022年の公式戦が始まります。

今季は、開幕戦の時点で各球場での入場制限などが行われず、2019年以来3年ぶりに通常の形式で試合が開催されることになります。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、2020年の無観客、2021年の入場者数の制限を経て、入場制限が撤廃されたのは、これまで球場における集団感染を発生させず、段階的に規制の緩和を目指してきた球界関係者の努力の

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地下鉄サリン事件の発生から27年目に思ったいくつかのこと

本日、1995年3月20日(月)にいわゆる地下鉄サリン事件が起きてから27年目を迎えました。

事件が発生した直後の私自身の印象や日本の鉄道史と犯罪史における地下鉄サリン事件の意味については、本欄でご紹介した通りです[1]-[3]。

ところで、事件の発生後、「テロ対策」の一環として、営団地下鉄と後継である東京地下鉄の構内からごみ箱が撤去されたのは広く知られるところです。

その後、2005年から

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東京都立青山高等学校第74回卒業証書授与式

本日、東京都立青山高等学校体育館において、第74回卒業証書授与式が挙行されました。

今回は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い東京都がまん延防止等重点措置の対象となっていることから、参列可能な保護者は卒業生1名につき2名までと制限されたものの、281名の卒業生の皆さんが所定の課程を修了し、無事に卒業されました。

次なる進路へと新たな道を力強く踏み出す皆さん、青山高校での成果を活かしつつ、

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【開催報告】一般財団法人外苑会第17回研究・交流会

昨日、14時から15時50分まで、東京都立青山高等学校の同窓会である一般財団法人外苑会の第17回研究・交流会が開催されました。

今回は齊藤英治さん(1990年卒業、東京大学)をお招きし、「量子とAIの時代がやってくる」と題してお話を伺いました。なお、今回は東京都立青山高等学校5階ホールでの講演について、会場での聴講とオンライン配信とを併用する形で行いました。

講演では、最初に青山高校在学中の思

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「東日本大震災の発生から11年」に思ういくつかのこと

本日、2011年3月11日14時46分に東日本大震災が発生してから11年が経ちました。

犠牲者の皆さんへの哀悼の意を表するとともに、今なお避難生活を余儀なくされる3万8139人の方々に思いを致し、改めて防災・減災への心構えを新たにするところです。

それとともに、東日本大震災の発生から11年を経ることで、多くの人にとって一連の出来事は過去の話となっているかもしれませんし、震災そのものを体験しない

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「不確実な先行き」を見通すために求められるのは何か

すでに起きた出来事としての歴史を学び、あるいは講じると、しばしば目にするのが「間もなく事態が解決するのに、その直前に多大な犠牲を伴う出来事が起きる」という事例です。

事柄の結果を知っている者からすれば、そうした出来事は多くの場合大勢に影響を与えず、むしろ無用な事態であるかのようです。

一方で、当の事柄に関わる人々は、今、まさに自分の目の前で繰り広げられる出来事がいかなる展開を見せるかについて、

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