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日々の出来事

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2020年12月の記事一覧

2020年の回顧と2021年の展望

今日で2020年も終わり、明日から2021年が始まります。

この1年間を振り返ると、私にとってひときわ印象深い1年となりました。

何より、今年1月からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大はわれわれ一人ひとりの生活のあり方に根本的な変化をもたらしました。

私も教育と研究において、遠隔授業の実施や国内外の学会の研究大会の中止や延期、さらには遠隔会議方式での実施など、従来の取り組みからの転換を経験

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第27回全国高等学校選抜オーケストラフェスタについて思ったいくつかのこと

昨日、12月25日(金)に開幕した第27回全国高等学校選抜オーケストラフェスタが4日間の会期を終えました。

今回は新型コロナウイルス感染症の感染拡大という状況を受けて、関東圏の参加校は完全入れ替え制により日本青年館において練習と収録、来場が難しい学校は各地で収録を行い、2021年1月に参加校に限定して映像を配信するという新しい方式が採用されました。

職業楽団だけでなく各種の愛好家団体も演奏会を

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「サンタクロース像の変遷」の物語

今日はクリスマス・イヴです。

本欄では、これまでイエス・キリストの誕生を祝うキリスト教の祭儀としてのクリスマスの成立の経緯やクリスマス・ツリーの持つ意味、"Xmas"という表記の由来、サンタクロース像の形成の過程などの概略を紹介してきました[1]-[5]。

これまで、本欄ではサンタクロース像の変容の概要を検討します。

サンタクロースといえば、トナカイの曳く橇に乗り、空を飛んで各家を訪れると考

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別冊『アステイオン』「それぞれの山崎正和」の刊行に寄せて

このたび、公益財団法人サントリー文化財団の総合雑誌『アステイオン』の別冊「それぞれの山崎正和」がCCCメディアハウスから刊行されました。

本誌は、サントリー文化財団の特別顧問で劇作家・評論家の山崎正和先生が今年8月19日に逝去したことを受け、関係者59名による追悼文、『アステイオン』の既刊などから採録された論考や対談など9編、今年8月28日放送の「国際政治チャンネル」の鼎談「次世代から見た山崎正

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第42回サントリー学芸賞授賞式を視聴しての雑感

本日、16時から16時55分まで公益財団法人サントリー文化財団による第42回サントリー学芸賞の授賞式が行われ、オンライン形式による実況中継を視聴しました。

今回は4部門でそれぞれ2名ずつが受賞しました。受賞された8名の方と受賞作は以下の通りです(以下、敬称略)。

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[政治・経済部門]
酒井正(法政大学)/『日本のセーフティーネット格差――労働市場の変容と社会保

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『ららら♪クラシック』の特集「発表!あなたが選ぶベートーベン ベスト10」について思ったいくつかのこと

12月11日(金)にNHK教育テレビで訪ソされた『ららら♪クラシック』の特集「発表!あなたが選ぶベートーベン ベスト10」の役割については、昨日の本欄で取り上げました[1]。

そこで、今回はこの特集を巡る雑感をご紹介します。

2012年4月から始まった『ららら♪クラシック』は、当初の放送時間は1時間であったものの2013年度から30分の番組となり、今日に至っています。また、放送日も日曜日から土

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『クラシック音楽館』の3回の特集「ベートーヴェン特集」について思ったいくつかのこと

12月6日(日)、NHK教育テレビの『クラシック音楽館』の特別企画「ベートーベン特集」が3回の放送を終えました。

各回の内容を振り返ると、「ベートーベン特集」が司会の稲垣吾郎さんあっての企画であったことが分かります[1]。

例えば、第1回目の放送で解説役として登場したのは、指揮者の広上淳一さんでした。

広上さんは豊かな個性を持つ方だけにどのようなやり取りが行われるか注目していたところ、交響曲

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NHK交響楽団NHKホール12月公演にまつわる雑感

昨日と本日の2日間にわたり、NHK交響楽団はNHKホール12月公演を開催しました。

この公演については、NHK FMの実況中継を聴取した結果に基づく寸評を昨日の本欄で取り上げています[1]。

そこで、本日は今回の公演にまつわる雑感をご紹介します。

まず、この日の公演で最も注目されたのは、NHK交響楽団が伊福部昭の作品を取り上げたという点です。

定期公演においては1982年3月の第865回が

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【旧稿再掲】『鬼滅の刃』の連載終了に際して思ったいくつかのこと

本日、吾峠呼世晴さんの漫画『鬼滅の刃』の単行本の最終巻である第23巻が発売されました。

単行本化に際しては、『週刊少年ジャンプ』の連載最終話の内容に続けて、新たな場面が追加されたほか、昨日の全国紙各紙の夕刊及び今日の朝刊に単行本の発売を案内する広告が掲載されるなど、経済効果が2000億円を超える[1]とされる作品の人気の高さが窺われます。

ところで、漫画『鬼滅の刃』に関する私の所感は、今年5月

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