別冊『アステイオン』「それぞれの山崎正和」の刊行に寄せて

このたび、公益財団法人サントリー文化財団の総合雑誌『アステイオン』の別冊「それぞれの山崎正和」がCCCメディアハウスから刊行されました。

本誌は、サントリー文化財団の特別顧問で劇作家・評論家の山崎正和先生が今年8月19日に逝去したことを受け、関係者59名による追悼文、『アステイオン』の既刊などから採録された論考や対談など9編、今年8月28日放送の「国際政治チャンネル」の鼎談「次世代から見た山崎正和とその時代」、そして山崎先生の年譜と写真からなる付録によって構成されています。

生前、劇作家、評論家としてだけでなく研究者、教育者、さらに政治や行政への助言者としても活躍された山崎先生の取り組みの幅広さを反映し、追悼文を寄稿された方々の顔触れは、研究者や文化人に止まらず、音楽家、俳優や、あるいは政治家、官僚など多彩です。

私もサントリー文化財団鳥井フェロー、そして「山崎塾」の通称で親しまれた「知の試み」研究会の塾生として、山崎先生の謦咳に接することが出来ました。

全編を読むと、山崎先生からの教えがありありと蘇り、また山崎先生の新しい側面に気付かされます。

「それぞれの山崎正和」は、山崎正和先生の遺徳を偲ぶための重要であるばかりでなく、山崎先生を通した、日本の文化史、精神史のひとつのあり方を知るためにも意義深い一冊と言えるでしょう。

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions of the Special Issue of Asteion in Memory of Professor Dr. Masakazu Yamazaki (Yusuke Suzumura)

The Suntory Foundation published the Special Issue of Asteion in Memory of Professor Dr. Masakazu Yamazaki who had passed away on 19th August 2020.

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