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気ままな鑑賞エクササイズ#15 ジョット「オンニサンティの聖母」

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール2.0>
・以下の作品をまず3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
・その後15〜20分、書籍やネットで作家・作品について調べます。
・さらに5分鑑賞をして、再発見したことを書き出します。
・25〜30分を目標に記事を編集します。
・気ままに不定期で続けます。(2021.8.31改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

またジョットさんの作品ですね。ちょっと画面がお家型になってるような絵なので、多分建築物とかに合わせて作られたものなんでしょうね。教会とかに飾られていたのかな?

で、真ん中に大きく描いてあるのが多分マリア様とキリストなんでしょうけど、この人たちを覆っている庵みたいな・・教会なのかな?この建物も画面と同じような形をしていて、ちょっと入れ子になってるのが可愛い感じがします。

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金箔なのか、金の塗料なのかで、背景が描かれていて、後ろに何かねこれはまた金箔の貼りあとなのか、筆の跡なのかが残ってるなってのが、昨日尾形光琳の燕子花図を見たので、あれもこんなテクスチャーだったなってそれを思い出します。

あと、描かれている人の光輪が・・あ、尾形光琳とかぶっちゃいますけども・・みんな聖人たちなのかな?この天使とか。みんなこの金の円が頭についてますけど、この切り取り型がすごいかっこいいですね。

光のイメージがあるんですが、透過とかしないんですね、この光輪は・・奥の人と被ると切り取られちゃうんですね。この切り取られたのがすごい印象的かなーっていう風に思います。

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天使の羽のグラデーションがすごく綺麗だなぁとか、この祭壇ですかね、マリア様達が座っている祭壇のこの細い文様とかもすごく綺麗だし・・後はそうですね、なんかこの赤ちゃん・・イエス様なのかな?何か手に持っていたりとか、右手のなんか形とかもすごくこう意味深と言うか、なんかメッセージがねあるんでしょうね。

そのイエス様の右側に柱に挟まれた空間にいる男の人の顔が・・すごい怖いですけどね。めっちゃなんか間から睨んでますけど・・これ大丈夫かな、ちゃんと尊敬してるかなこの人・・

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で、お母さんはもう優しそうな顔だけど、ちょっと面長っていうか、こうおでこが狭いというか、頭がちょっと狭い印象がありますね。

で、確かマリア様って青い衣装を身につけてるってのがあると思うんで・・これ僕の今見てる Google ARTS & culture の画像は服の色が結構黒いですけど、これがもっと本当は多分青いんじゃないかな〜と思いました。

あと、このマリア様の白い服の下の体の膨らみとかね、こういうのがなんかすごいなんだろう意識して描いてあるんじゃないかなっていう風に思いました。

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・作品・作家について

ジョット・ディ・ボンドーネ
「オンニサンティの聖母」約1310年

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・調べたこと

『オンニサンティの聖母』(オンニサンティのせいぼ、伊: Madonna Ognissanti)は、イタリアの中世後期の画家であるジョット・ディ・ボンドーネの絵画である。フィレンツェのウフィツィ美術館に所蔵されている。

この絵画は伝統的なキリスト教の主題を持っている。聖母マリアと聖母の膝の上に座っている幼子キリストがおり、聖人と天使が周りを囲んでいる。聖母のこの特定の表現は当時人気のあるものであり、「マエスタ (荘厳の聖母)」と呼ばれている。絵画は、その新しく発見された自然主義とゴシック芸術の制約からの離脱によって、ルネサンスの最初の作品としてしばしば称賛されている。

さらに、様式面で『オンニサンティの聖母』に大きな影響を与えた特定の芸術家が多数存在した。ジョットの師として伝統的に認識されているチマブーエの影響は、作品の非常に対称的な構図において第一に示されている[3]。歴史家は、チマブーエが若いジョットに教えたことが本当かどうか確証を持っているわけではない。しかし、最初の美術史家として認められているジョルジョ・ヴァザーリは、チマブーエをジョットの師匠と呼んだ[4]。

ジョットは、絵画を二次元(平面)的にするビザンチン美術の多くの側面を破棄した。 『オンニサンティの聖母』には、聖母子と諸聖人の周囲の空間が三次元的なものとして表現されている。

ジョットはまた、西ヨーロッパの芸術で三次元的な人物像を描いた最初の芸術家である。同時代の芸術家よりもはるかに小さな空間を使用し、作品における立体的身体の重要性を一層強調した。チマブーエの『荘厳の聖母』では衣服の襞を描くために金の線描が用いられているが、これとは対照的にジョットの衣服の襞はよりリアルで、線の代わりに光、影、色を使用して衣服の外観を作り上げている。衣服の下の身体の輪郭も、特に聖母の膝と胸の周りに認められる。

さらに、ジョットは、人物にボリューム感を与えるために明暗の明確な色調のグラデーション使用した。そして、レオナルド・ダ・ヴィンチとその後のルネサンスの芸術家に特徴的な、微妙なスフマート(ぼかし)を人物像に与えている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%81%AE%E8%81%96%E6%AF%8D
彼はのちのルネサンスに必要な三つの要素「人体把握・空間性・感情表現」を確立した。
ジョットの師か先輩格と思われるチマブーエシの聖母子像と比較してもそれは明らかである。チマブーエは聖母マリアのドレスの襞を装飾的な文様のように描いているのに対し、ジョットはマリアの膝の部分において光の反射と影によって、幅の中の人体を感じさせるように表現している。また空間性においては、正確な遠近法にはまだ遠いが、ジョットのマリアが座っているものが椅子であると認識させるには充分である。
「一番親切な西洋美術史」

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・さらに5分の鑑賞で考えたこと

このエクササイズの一番最初が、ジョットの「東方三博士の礼拝」だったんですけど、それのことを思い出すと共通点がいっぱいありましたね。解説を読んで今思い出しました。

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この空間性とか、マリアとキリストがいる庵?建物?のところとかは、確かに「三博士」でも構造物、小屋みたいなのが同じように奥行きがちゃんと描かれていたなぁとか、この布の感じ、布の下に人体がちゃんとあって、シワもちゃんと描かれている感じとかも、確かに「三博士」でも凄い意識して描かれていたなとか・・

師匠じゃないかって言われているチマブーエさんのあのほぼ同じ構図の絵があるんですけど、やっぱりそれに比べるとジョットの方が表情が人間ぽいなーっていうものがあったりとか、

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すごくはっきりとではないんですけど、ジョットの方が個性と言うか、描かれてるそれぞれの人間性がより分かりやすくなってるんだなっていう風に思いました。

チマブーエさんの絵は、真下にいる権力者みたいな人たちは、割とキャラクターが描き分けられているんですけど、マリアとキリストの周りにいる聖人たち?天使たち?は顔が一緒であまり違いがないなーっていう感じですよね。

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ジョットのは、跪いてる天使なんかも、まぁパッと見にはそっくりな双子みたいな感じなんですけど、よく見ると微妙にこう感じが違って、なんかこの人たち、この天使たちは別人と言うか、別の人格を持ってそうだなって思うぐらいの、結構似てるんだけども、そういうなんか細い描き分けがあるんだなぁと思いました。

あと、この後にダヴィンチがスフマートとを意識したっていうこの影、薄いぼんやりした影とかも、確かによく見ると若干わざとらしいとこもあったりするんですけど、割と自然に影をつけていて、こういうのはこのジョットさんの特徴なんだなーっていう風に思いました。

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で、僕はこのマリア様の胸のところが、一番こうなんか身体の形が透けてる所で気になりましたけども、よく見ると膝とか、また周りにいる人たちの服の中に人体がある感じっていうのは、やっぱ力を入れて描いてたんだなっていうのが、解説を見て改めてすごく思ったところです。

あとはそうですねなんだろうなあ・・あ、あとそうだ。すごい真ん中の人が大きく描かれてたんですよね。この絵はね。「東方三博士」の絵は割と描かれている人のみんなが同じ大きさで、何か物語の一場面っていう感じだったけれども、この絵はもっとこうなんかやっぱ真ん中にいるこの二人が象徴的で、明らかに大きく描かれているなーっていう・・

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なんかねさっきの最初の3分の鑑賞の時、あんまり気づかなかったですね。その時は自然に見えたから、人物の印象と大きさが合ってるのかなーっていう感じなのかな・・

やっぱり一番に中心の2人が目に入ってきて、次に周りの人に目が行くから、明らかにその大きさは違うんだけど・・今冷静に客観的に見るとそうなんだけれど・・なんかこの絵にパッと出会った時の印象としては、なんかそういう・・描かれた大きさがそのまま印象になって自然に入ってくるのかなっていう風にを改めて見て思いました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!



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