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気ままな鑑賞エクササイズ#9  ゴッホ「アルルの女」

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール>
・以下の作品をまず3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
・その後25分、書籍やネットで作家・作品について調べます。
・さらに3分鑑賞をして、再発見したことを書き出します。
・25分を目標に記事を編集します。
・気ままに不定期で続けます。では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。


今回の作品はこちら
画像リンク

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・3分の鑑賞で気づいたこと

女性が頬杖をついて椅子に座っていて、テーブルの上には書籍がいくつか置いてありますね。でも、本当に本を読む手を止めて考え事をしてるって言うよりは、もしかしたらアトリビュートじゃないけども、何かこう・・この本は演出のためにだけ置いてあるような気もちょっとしますね。こんな風に本を置くのはちょっと不自然な気もします。

女性のこのなんか・・なんですかねちょっと所々トゲトゲしてるような、生クリームの角が立ってるような、そういう・・左肘のところとかなんかツンツンしてるところが、特徴的かなって思ったりとか、

あとはなんだろ結構大きく背景が一色で塗られているような感じがして・・でもよく拡大してみると、わりと縦横無尽って言うか、筆が十字に入っていて、、なんかこのテクスチャーが実際見るともっと・・ただのぺったんこの平面じゃなくて、割と豊かな・・一見、一色に見えるけれども、結構複雑な表面になっているのかなっていう感じがします。

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後は服装がちょっとなんか独特な感じですかね。なんか最近ゴーギャンの絵(「説教の後の幻影」)を鑑賞したんですが、その中にフランスの民族衣装みたいなのが出てきて、あれはブルターニュ地方だったかな。ちょっとそういうのにも似たを前掛けとか、なんかこう宗教的な意味合いがあったりするのかなっていう風に思ってしまいます。

全体的にこうゴテゴテした厚塗りみたいなところが、特にこの今日見てる画像では非常によくわかるような気がしますね。

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女性の顔色があんまり良くないですね。なんかむしろ後ろの背景の、この黄色を際立たせるために、このテーブルとか椅子とか本とか人間の色があるような気がして・・・まあ、でも引き立たせるって事でもないか、両方いいバランスなのかな・・とにかくすごく綺麗ですねそのコントラストは。

本が結構折り目とかがついて・・なんだろう読みふるされてるような・・何度も読まれたような、そんな跡がありますね 。

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・作品・作家について
フィンセント・ファン・ゴッホ
「アルルの女」1888

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・30分調べたこと

ゴッホについて

オランダのポスト印象派の画家。

主要作品の多くは1886年以降のフランス居住時代、特にアルル時代(1888年 - 1889年5月)とサン=レミでの療養時代(1889年5月 - 1890年5月)に制作された。感情の率直な表現、大胆な色使いで知られ、ポスト印象派を代表する画家である。フォーヴィスムやドイツ表現主義など、20世紀の美術にも大きな影響を及ぼした。
ウィキペディア「フィンセント・ファン・ゴッホ」より
ゴッホは印象派と日本美術から強い影響を受け、色彩を用いて個人の感情を描く試みを追求した。うねりが残る強い筆致と、混色をほとんど行わない非常に明るい画面による独特の世界観を作り上げた。
精神病に苦しめられ、わずか37歳で自殺を図ったことから不安定な感情に任せて筆を走らせたと誤解されがちだが、表現方法は非常に理論的である。特に遠近法を破棄し色の配置のみで遠近感を出す試みは、現代絵画の基本となり、今の画家たちがそこから抜け出すのに苦労するほどだ。
池上英洋「いちばん親切な西洋美術史」参照

・アルルの女について

アルルの女(ジヌー夫人)とは、1888年から1890年にかけてフィンセント・ファン・ゴッホによって描かれた一連の絵画。油彩。単に「アルルの女」とのタイトルが付されていることがある。

モデルは、ゴッホが出入りしたフランス・アルルのカフェの経営者であったとされる。

1888年から制作されたバージョンは2枚が知られており、それぞれオルセー美術館とメトロポリタン美術館に収蔵されている。

1890年以降の別バージョンの構図はポール・ゴーギャンが1888年に描いた素描が基とされ、ゴッホの筆による同様の構図の絵が複数(4点とされる)ある。そのうちで特に傑作とされるものが、衣服がピンク色の1点である(他の3点は衣服が黒い暗色である)。

衣服がピンク色の作品は個人蔵であったが、2006年5月にニューヨークのクリスティーズでの競売で、4033万6000ドルの高額で落札された。落札者は明らかにされていないため、再び個人蔵となったものと思われる。
ウィキペディア「アルルの女(ジヌー夫人)」より

他の「アルルの女」

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↑オルセー美術館の「アルルの女」1888
テーブルに置いてあるのは傘

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↑ローマ、ナショナル・ギャラリー・オブ・モダン・アート
「アルルの女」1900

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↑サンパウロ美術館
「アルルの女」1900 傑作とされる

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クレラーミュラー美術館
「アルルの女」1900

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プライベートコレクション
「アルルの女」1900


ゴーギャンの「アルルの女」 1888
この木炭ドローイングが、ゴッホの絵の元になったと言われている。

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 ↓ゴーギャン「夜のカフェ」1888

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・さらに3分の鑑賞で考えたこと

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たくさんこの「アルルの女」っていうのは描かれたモチーフなんですね。今日見たのがどうもその第一作目みたいですね。後半と言うか、この作品の2年後に描かれたシリーズでは全然描き方が違くて、そっちのはゴーギャンが描いた木炭ドローイングが元になっているそうなんですが、そっちと全然描き方も、最初の方の2枚・・オルセー美術館とメトロポリタンの方は全然違うって感じなんですけど・・

なんか後半のね、そのゴーギャンのを元にした絵の方が・・なんかこのジーヌ夫人って言う「アルルの女」の人間味って言うか、この人のことを描きたかった、この人がどんな人なのかってのを描きたかったのかなっていう、そんなふうに感じるんですけど・・

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今回見たこの最初の方の「アルルの女」・・オルセーの方もそうですけど、それはなんかあんまりこの女性の人がどんな人かっていうよりは、なんか絵としてキマってる感じのものが描きたいみたいな・・そんな風にちょっと思いますね。

あと、オルセーの「アルルの女」はテーブルに傘が置いてあるそうなんですけど、今日見たメトロポリタン美術館の「アルルの女」は本が置いてあって、で後半の描き方の違う「アルルの女」は全部本なんですね置いてあるものが。で、なんかやっぱり演出で置いてあるのかなっていう風に思いました。

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で、ちょっと傘も試したけれども、やっぱ本だったのかなとか、あの調べるとちょっと目に入ったんですけども、ゴッホは本だけを描いた絵とかも結構あって・・

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「フランスの小説の山」 1887

彼に裕福じゃないイメージがあるので、なんかさっき気になった本の折り目っていうのは、もしかしたらこの演出用の小物をめちゃくちゃ使い回してて、それでついた折り目なのかなとか、もしくはすごくこうゴッホが読書家で、大事にいっぱい読んだ本を取っておいてこうなったのかなみたいな事も少し考えたりもしました。

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絵の元になったゴーギャンの「アルルの女」と、それを元にした「夜のカフェ」っていう絵も見たんですけど、やっぱこれはなんかすごくまとまっていて、なんかこういうのにゴッホは惹かれて「いいな〜」っていう風に思ったんですかね。

自分も一回同じモチーフで描いたけど、なんかゴーギャンの描き方がすごくいいなって思って、やっぱり自分もそうやって何枚も・・4回ぐらい描いてますもんね、とりあえず残ってるんだけでも・・でも、その4枚はなんか全員なんか全然別の人と言うか、あの性格とかも違いそうな4枚になったなっていう感じが僕はしました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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