ノープラン、ノールック、ノーチェック
カメラって本当に、面白い玩具だと思う。
使い方次第で、色んな遊び方が出来るところが好きだ。この春は、タイトルにつけた「ノープラン、ノールック、ノーチェック」という遊び方をしていた。
まずはノープラン。
「これを撮る」と決めて、どこかに行ったりはしない。仕事先から家に帰るまでの地元の道程を、観光客になった気分でぷらぷらしながら気ままにシャッターを切る。とっても気軽だ。
それから、ノールック。
これは言葉通り、ファインダーを覗かない。もちろんライブビュー画面にもしない。ただ風景だけを見つめながら、見当を付けてピントを合わせてシャッターを切る。
最後のノーチェックは。
ファインダーも覗かずに切ったシャッターの結果がどうなったか、確認しない。家に帰ってからのお楽しみ、気になりつつも覗きは御法度だ。
こんなことをして何が楽しいのか、というと。
まずデジタルなのに、フィルムで撮っていた頃の気持ちを思い出せた。どんな写真が撮れているんだろう…と、帰ってカメラをチェックするまでのそわそわとワクワク。これは、良いものだ。
あとはガチャ要素的な部分。
ノーファインダーでも、自分が目で見た時の感覚そのままにバシッとハマっているものもあれば。うーん、狙いとはちょっと違ったな…と言うものもあって。当たりとハズレの玉石混合っぷりが楽しいし、それがまたフィルムでプリントが上がってきた時の感覚を思い起こさせる。
あとは犬が来て、旅行に出づらくなったので。めちゃくちゃ地元だし普通に仕事帰りなんだけど、気分だけでも旅人になって…という部分が楽しかったというのもある。
見慣れたいつもの風景も、旅気分というスパイスがあれば違って見えるものなのだ。
また、全く頭を使わないところも良かった。
仕事で撮る時はロケハンをしながら、提案するいくつもの構図を頭に浮かべて。環境に合わせてイメージに合わせて、目まぐるしく設定を変えていくのでけっこう頭を使う。
でもこれは、完全に感覚任せで。ん、と気になる景色を見つけては適当にシャッターを切るだけ。気楽なもので、頭の中は空っぽだ。
なのに、どういう訳か…意外と自分好みの写真が撮れているという不思議。
この下の写真とか、一般的な"良い写真"にはきっとカテゴライズはされないだろうけども。めちゃくちゃ自分のどストライク、何回見ても良い写真だなぁと自画自賛したくなる好きっぷり。
写真とは、自分の意図を反映させるもの…という意識が強かったけれど。
ガチガチの設定なんて無くても、作り込んだりしなくても、何か強い想いを込めたりしなくても。こんな風に楽しく撮れて、それでいて好きがMAXに詰まったものに出会えるんだなぁ。
まるでふとした瞬間に、恋人の持つ別の一面を見せてもらったようで。
妙にわくわくして、ときめいて。
なんだか惚れ直した。
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広島で、大人から子供まで人物の出張撮影をしています。自然な情景を、その時間を…切り取って残したスナップ写真は、お客様だけでなく自分にとっても宝物。何かありましたら、ぜひどうぞ!
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