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ぽっちゃりではなく、でぶ

自らの名誉のために断っておくけれど、人間の話ではない。
うちの愛らしい犬が、先日動物病院で言われた言葉だ。

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昨年夏に体調不良と手術で2ヶ月近くも食欲不振が続き、すっかり心配した飼い主が。少しずつ食べ物を口にするようになった回復期に、喜びのあまりあれこれ食べさせ過ぎたのがいけなかったらしい…。

元気になってからは、ちゃんと食事量を調整していたのだけれど…既に時遅し、だったようだ。こんなものかな、と考えていた体重はどうやら随分と高値安定だったらしく。犬の腰回りに触れた医師は「ぽっちゃりではなく、でぶですね」と確信を込めた口調で宣言し、「もうね、運動で、という段階ではないんで。食事量を調節してください。野菜ダイエットがいいんじゃないですかね」と呆然とする人間に、現実というものを突きつけたのだった。

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医師の話では、食事の前に握りこぶし大程の野菜を与えておき。20〜30分してから食事をやると、食事量を減らしても満腹になるそうだ。その提言をもとに、さっそく犬の野菜生活を始めてみる。しかし生野菜はあまり好きではない犬、数回続くと食べなくなってしまったので火を通してからやることにした。

すると、やけに食いつきが良い。

刻んだ白菜と人参と大根を、鶏むねミンチで出汁をとって煮込んだだけのものなのだけれど…そんなに美味しいのだろうか?

その謎は、その日のうちに解けた。肉があるとダイエットにならないので多すぎる汁と共に取り除き、少々塩を振って人間用のスープにしてみたのだが…野菜と肉から旨味が出ており、塩以外の調味料は使っていないのに大変に味わい深い。端的に言うと、とても美味しい。

それは犬の食いつきも良くなるはずだ。


だが「もっと食べたい!お代わりが欲しい!」とばかりに、お椀を舐めたり顔や前足を突っ込んだり、果ては目の前にお椀をくわえて運んできて。期待を込めた目で見つめてくる犬を見ていると、(ダイエット後に普通のフードだけに戻して満足してもらえるのだろうか…)という若干の不安も湧いてくる。

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それに「もう終わり、ないないよ」と断ると、「そんな筈はありません…」と哀れげに見つめ続けるか。こちらの顔に犬チュー連打して、「ほら、これでくれるでしょ?」とドヤ顔をしてくるのにも困っている。愛犬のそんな姿は、大変にかわいらしいものなのだけれど。それでも、とダイエットのために心を鬼にして断り続ける気苦労も計り知れない…。

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このダイエット、もしかしたら犬よりも。人間にとっても辛いものになるかもしれない…という予感が3日目にしてヒシヒシとしている。

犬がかわいくて、つらい。




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ユルリラム
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