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来てみんさい、広島へ 7 〜宮島の世界遺産、弥山 前編〜

「ふらりと宮島へ行って、登山してきた」、なんてと言うと。
「えっ世界遺産の観光地、宮島で登山…?」と、県外の人は思ったりするんだろうか。

国内から海外まで多くの人間が訪れる観光地の目玉・厳島神社は、目の前を海、背後を山という立地に建てられている。

背後に佇む山は弥山と呼ばれ、平安時代に空海が開山し修験道場となったとの逸話もある霊山だ。そして厳島神社だけでなく、この弥山原始林も世界文化遺産区域だったりする。


この地をたびたび訪れた初代内閣総理大臣の伊藤博文は「日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり」という言葉を残したそうだが。さもありなん、と天気の良い日に頂上まで足を運んだ人間なら思うだろう。山の天辺から眺める海と空の風景は、瀬戸内の美しさというものを教えてくれる。

iPhoneから撮影した無補正写真で、これだ。

1959年にロープウェーが設立されたおかげで、今では駅から30分弱も歩けば誰でも気軽に頂上を訪れることが出来るので。もし宮島に来ることがあれば、ぜひ足を運んで欲しい。


しかし時間と体力があるのならば、ここはぜひ自分の足で登ってみることをお勧めする。

535mという標高のあまり高くない山であること、登山道が整備されていることから。おひとりさまから子連れ、年配のご夫婦に外国人観光客までわりと気軽に登っている。外国からの方々はノースリーブにビーチサンダルなんて格好で、普通にひょいひょい進んでいくし。体力の無さには自信がある自分でさえ、たっぷり休憩を入れても2時間あれば頂上に着く。

だから…どうせロープウェーからも歩かなければならないことを考えれば、ちょっとした修行気分で歩いてみるのも悪くない選択だと思うのだ。

世界遺産に認定される豊かな自然に囲まれ、人混みを離れて歩くというのは存外に気持ちの良いものだし…山歩きというのは意外と心が温まる、というのもある。

登山においては「山道で行きあったら、挨拶をする」という暗黙のマナーがあり、行き会う相手から「こんにちは」と声をかけられることがわりと普通だ。そのように、行きに何度も声をかけられるからか。外国人の方でも、下山して来られる時はあちらから先に挨拶があったりもする。

さらに相手や場所によっては、挨拶だけではなく様々な声かけも貰えたりするのだ。

自分の場合は体力の無さから、かなり序盤からゼェゼェハァハァと息も絶え絶えになっていたりするせいか。日本人・外国人問わず「がんばって!」と挨拶ついでに一声もらうことはよくある。

その他にも…控えめそうな男性がヨレヨレの姿を見て、挨拶の後で聞こえるか聞こえないかの声でポソッと「お疲れ様です…」と付け加えてくれたり。元気いっぱいの外国人マダムが汗をふく姿を見て、「ウォーター!ウォーター!」と話しかけ、「アップアップアップ!ソービューティフル!」と上を指さして教えてくれたり。おじいちゃん達が「よく登ってきた大したもんだ」と誉めてくれたり。

こういったちょっとした交流には「よし、頑張って登ろう…」という元気を貰えるし。程良く1人で、程良く言葉を交わしての…この弥山を歩いて登る時間がとても心地良いのだ。


…と、ついうっかり長くなってしまったので続きは後編でどうぞ!


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