疑似宇宙の思い出
今回の写真展は「持って帰れる写真展」ということで、「どれを持って帰ろうか?」と真剣に写真を眺めて下さる方々が沢山いらっしゃった。その中である方に選んでいただいた1枚が、これだ。
写真を選んでいる最中に「これは何を撮ったものなんですか?」と尋ねられた。パッと見では判断しづらい写真に意識して仕上げているものなので、その疑問が嬉しかった。
イメージとしては"宇宙"、地表に開いた穴の向こうに宇宙が見える…そんな想像をしながら撮影したものだ。
実際は雨上がりの水たまりに映っている、イルミネーションなのだけれど…アンダーめに撮影してかつWBを青みに振ることで、どこか非現実的な空気を醸し出している。
これらはかなり昔、10年近く前に撮影したものだ。
月2で顔を出していた写真教室の先生が「他のカメラマンから『どうやって撮ったんだ』と言われるような写真をいつか撮ってみたい」と話していたことが、撮影に至ったきっかけだったように思う。
自分の考える「良い写真」の定義には存在しない思考だったので、そういう考え方もあるのか…と意外性を持ってその言葉を受け止めた。技術にこだわるプロカメラマンだからこその発想だったのだろうか。男性的な感覚からの意見だったのだろうか。
真相はさておき。新しい視点を得たとなれば、さっそく実地で試してみたいと思うのが人情である。というわけで、自分なりにチャレンジしてみたのがこの疑似宇宙写真というわけだ。
この頃は上記のような意識があったせいか、多重露光による作品もいくつか撮った。
作り込んだ、とまでは言えないけれど…パッと見て普通じゃないなと思われるような写真を撮らなければ、と考えていたのかもしれない。
元々の作風ではない為、教室を離れてからはそういった写真を撮ることはなくなってしまったけれど…今の自分ではもう撮れない写真だと思うと懐かしい。
人に歴史あり、写真に歴史あり…である。
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