衝撃!日本はツギハギだらけの弱いヤツ 【災害から身を守る vol.2】 日本の”災害大国”の真実とは? part4
日本は災害大国。プレートのせいで地震は多いし火山も多い。そりゃ災害大国と言われますよね。
ただですね、残念ながら災害大国の理由はまだまだあるんです。
梅雨時期だったり台風が来たりすると土砂災害が起こりますよね。
大規模な土砂災害による被害は、日本のどこかで毎年必ず起こっていると言っても過言ではないくらい、しょっちゅうニュースがあります。
これ、日本列島がツギハギだらけの弱いヤツだからなんです・・。
※熊本県を中心とする記録的な豪雨により多くの方々が被災してしまっています。心より御冥福をお祈りします。
何がツギハギなの??
いったいぜんたい、何がツギハギなのか?
これはイギリスと日本の地質図です。
これ、パッと見で分かりますよね。確かに日本はツギハギっぽい。
イギリスの場合は北西にピンク(深成岩)や紫(変成岩)がある。そして緑色の堆積岩は薄くなるほど時代が新しく、綺麗に北西から南東に向かって新しくなっていますよね。
つまり時代が進むごとに規則正しく大地がつくられてきたと言えます。
一方、日本の場合は濃い緑色の古い地質があちこちににあり、規則的な雰囲気は四国から九州の一部くらいでしょう。そしてあちこにに肌色の火山岩(火山)があります。
イギリスと比べると、何やら複雑な歴史を感じますよね。
激動の日本列島形成史
日本列島がどうやってできたのか?については、追々と別記事で紹介していきたいと思います。ここでは超ザックリとお話しします。
日本列島の土台は、もともとはユーラシア大陸の一部だったと言われています。今の北朝鮮北東部からロシアにかけての沿岸部のあたり。
それがある時、大地が引き裂かれて細切れになり、南東の方に移動していきます。
引き裂かれて移動しているので、当然キズ(断層)だらけです。
この日本海観音開きモデルって「は?」って感じしませんか?(笑)
ちょっとマンガみたいというか、いくらなんでも、こんなことあるの?と思う人も多いと思います。
でも地質学者は大まじめに「おそらくこうだろう」と考えています。
というのもハッキリした証拠があるからなんですね。
どんな証拠かと言いますと、ズバリ古地磁気なんですね。
※古地磁気の詳細についてはコチラとコチラ
東北や西日本の1500万年前より古い岩石の古地磁気を調べてみると、南北の方向が全く違うという事が分かりました。
大陸の岩石のデータなどとも比較すると「日本海観音開きモデル」を考えると辻褄が合うんです。これについては別記事で詳しく紹介します。
(※とある専門家から聞いたところ、東日本についてはデータが不十分で、見直す必要があり、少しずつ研究が進んでいるそうです)
ちなみに図では回転前の地形が今と同じですが、分かりやすくするために便宜上、こう描いてるだけで、当時の日本列島のカタチは少し違います。
海底火山の活発化
日本が大陸から引き裂かれて回転している時期、さらなる悲劇が起こります。それは海底火山活動の活発化です。
私のトップ画像は実は同じ時期に噴火した海底火山の地層です。
ちなみに火山と言えば温泉はつきものですよね。そして温泉の成分を見たことがある人は多いと思いますが、酸性とかアルカリ性とかですよね。
つまり化学反応を起こしやすい。
この時期は大陸から分離した島々の周辺に砂や泥などの堆積物が溜まったり、海底火山が活発化して陸地が増えていきました。
それと同時に繰り返し繰り返し火山が噴火する場所では、温泉の作用で岩石が化学反応を起こし、脆くなっていきます。
そして回転が終わったあとは海洋プレートからギュウギュウに押され、地層が変形したり破断して断層ができ、各地で地震が起きてさらに岩石がボロボロになっていきます。
そして今も・・
日本列島がだいたい今のカタチになってからも火山活動は活発になり、これが今の活火山です。やはり温泉作用で周囲の岩石をボロボロにしています。
温泉地に行くと白っぽい泥みたいなものを見かけたりしませんか?
あれこそ温泉にボロボロにされた岩石の末路なんです。
このように、日本は大陸から引き裂かれて回転移動した島々の周辺に泥や砂がたまったり海底火山が噴火したり、激動の時期を経験しながら陸地が大きくなりました。こうしてツギハギの陸地になります。
ツギハギな上に激動で岩石は弱く脆くなり、そしてその後も地震や火山活動を繰り返し、さらに岩石が脆くなってしまっています。
そのため、大雨のたびに必ずと言っていいほど、どこかの山が崩れてしまうんですね。
いかがでしたか?
日本列島の激動の歴史が、ツギハギで弱く脆い地質を作ってしまいました。これこそが日本に土砂災害が多い原因の1つです。
part5に続きます。
お読みいただき、ありがとうございました。
引用文献
高橋雅紀(2006)日本海拡大時の東北日本弧と西南日本弧の境界.地質学雑誌、第112巻 第1号、14-32.
乙藤 洋一郎(2017)古地磁気が語る日本列島・日本海の形成.地質技術、第7号、17-25 .
星 博幸(2018)中新世における西南日本の時計回り回転.地質学雑誌、第124巻、第9号、675–691.
細井 淳・橋本 純・天野一男(2017)棚倉断層沿いの中新世アイスランダイト質デイサイト海底火山の復元.地質学雑誌、第123巻、第8号、613–626.
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