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古地磁気とは、なんぞや?①【地質のきほん:その3】

※トップ画像は宇宙科学研究所ホームページより引用。

以前、地磁気についてお話ししました。

とてもカッコいい名前。しかも生命を守ってくれているバンアレン帯
でも地磁気は現在のみならず、過去の地磁気すなわち古地磁気としても地質の研究に役立っています。
今回は古地磁気について、なるべく分かりやすくお伝えしたいと思います!

古地磁気って何なのよ??

冒頭で言いましたが、過去の地磁気を「古地磁気」と言っています。
え?でも過去ってどのくらいの過去??

そもそも地磁気って目に見えないのだから、科学技術が発展して地磁気を観測できるようになった頃のこと?だったらそんなに昔じゃないよね??

それとも中国で羅針盤(らしんばん:方位磁針=コンパス)が発明されて以後の人々が記録したデータ?でもそれでも、ウン千年前とかだよね???

など思う人もいるかも知れません。
いや実は、恐竜が生きていた時代まで遡れるほど、昔の地磁気まで分かってしまうんです!
勘の良い人なら「もしかして?」と思い始めたでしょうか?

そう!岩石に残されている磁気を分析することで、古地磁気を知ることができるんです!

なぜ岩石に昔の地磁気の情報が残ってるの??

地球が巨大な電磁石なので、地磁気がある。
その地磁気に反応して、磁石がくるくる回る。
私自身、学校で教わった順番が「磁石」→「電磁石」と考えると、電磁石は人工的なものという先入観があって、なんだかシックリこなかった印象があります。
まず磁石があって、人工的に磁石を再現しているのが電磁石
少なくとも若い頃の私にはそういう先入観があったような気がします。

でもこれ、ちょっと違うんですよね。少なくとも地球上では。
そもそも人類は、まず初めに磁石の存在を発見したのですが、でもなぜそうなのか全く分かりませんでした。
ファラデーやらマクスウェルやらの偉大な物理学者が「磁力と電気力って関係あるよね?」と、その法則を突き止めてくれたおかげで、電磁石の意味が分かったんですね。
なぜそうなるのか?は分からずとも、電気がこう流れれば、こういう磁場ができるという関係が分かりました。
逆もアリです。こういう磁場ができれば、電気はこう流れる

そして地球は巨大な電磁石
地球上のどこにいても、方位磁針を使えば北と南が分かります。つまり地磁気は地球上のあらゆる磁石に影響を及ぼしています。
小学校で初めに教わる磁石は永久磁石と呼ばれ人工的につくられたものですが、それができる前は磁鉄鉱と言われる磁性鉱物が磁石として使われていました。

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文部科学省ホームページ科学技術週間 一家に一枚ポスターより

研究が進むにつれ、どうも磁性鉱物は地球磁場の影響を受けているということが分かってきたのです。

さあ、磁性鉱物って何なのでしょう?
そしてどのようにして地球磁場の影響を受けるのか?

次回に続きます。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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