わたしとKEKKON
2020年のことを今でも思い出す。
世界中が目に見えないウイルスに侵されてヒステリックになっていた6月、何も知らずにわたしは最近増えた外泊のこととか、朝になっても帰って来ない元夫に疑いも持たないくらい、もしかしたらもう醒めていたのかもしれなかった。
その日も仕事が遅くなり帰宅したらすでに眠っている元夫のデバイスを悪いな、と思いつつ観察をした。悪い癖で、たまのチェックが辞められないのだった。何故か?
どこかで確信めいた、「この男はわたしを裏切るだろう」という予感があったのかも