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カテゴライズを笑え-大人になった美少女戦士-

2022年9月18日
恵比寿リキッドルームの最前ドセンで超歌手大森靖子さんの生誕ライブを浴びてきた。

1987年生まれの靖子ちゃんはわたしと同じ学年で、ひと月先に35歳になった靖子ちゃんは「アラフォーになった。先に心構えしておくと楽」とあっけらかんと笑った。

わたしが初めて靖子ちゃんと接触イベントをしたのが靖子ちゃんが30歳になりたてのMUTEKIのレコ発渋谷の写メ会でその時も靖子ちゃんは同い年ですと伝えたわたしに軽快に言った。
「30になったー?」
「これからです」
「すぐだねー」

35と言うと大台に乗った感もあるし、わたしのような小心者はアラフォーと呼ばれるにはまだ抵抗があるけど四捨五入したら正しくアラフォーだし、四捨五入とかそんな簡単に二分するの?という繊細さのかけらもなく分断する世間には覚えがあって、25になった途端にアラサーと呼ばれた記憶や、30になった時の何かを執拗に求められているようなそわそわする記憶がある。
女、年齢、エイジズムは簡単に個を踏み躙り暴力的なカテゴライズに押し込めていく。

でも靖子ちゃんはサッパリ笑うのだ。
なんなら、世間が呼ぶより先に自認する。
わたしたちは超美しいアラフォーだ!
先陣を切る靖子ちゃんがいる、これほど心強いことはない。

少しのことじゃ動じない精神も、目尻の細かい笑い皺も、日々降り積る業や、責任、重力なんかと睨めっこしながら可愛いを実践する毎日は、わたしだけじゃない。

生誕祭は同じ時代を生きて、生き抜いて、そんな一年間の答え合わせのようなイベントだと思う。

わたしは生き抜いたけど、あなたはどう?
強い瞳に射抜かれながら背筋が伸びる思いがした。

一生少女と掲げる矜恃も覚悟もわたしにはまだ足りないけど、そこで戦う大好きな人がいるから明日も戦える。

真っ白なドレスを翻して歌う靖子ちゃんと結婚するよりKEKKONをした。
生きて、生きて、生き抜くから、また来年も必ずここで会おう。

いつだって靖子ちゃんは勇気をくれる。
美少女戦士は伊達じゃないのよ、なんて思いながら帰路に着く。