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イギリスは2度目のロックダウン前夜?🤨最長6か月の新たな措置を導入へ【全文無料】

昨日・今日(2020年9月21日と22日)と、イギリスの新型コロナウイルス対策についてばたばたと発表やルールの変更がありましたので、さっくりまとめておきます。

昨日、イギリス政府の感染症に関する顧問2人が「国内の感染者が急増しており(9月20日には3,899人の新規感染を確認、18人が死亡)、パンデミックの重要な局面に直面していること」「このままのペースで感染拡大が進めば10月の半ばには1日5万人の感染者が出る可能性があること」を発表。政府が2週間のミニロックダウンを検討中という報道も流れました。

イギリス国内に住んでいる人たちは「いよいよ来たか~」という感じでわりと平静に受け止めていると思います。日頃のニュースや隣国のフランスやスペインでもこの数週間で感染が再爆発していることから、まあ、十分に予想できる展開だったので。

関心が集まったのはむしろ「どういう制限措置が導入されるか」という点でした。今年3月から始まったような自由な外出を制限するロックダウンが再度導入されるのか、他の方法でロックダウンを避けるのか?🤔

これを考えるにあたって無視できないのがお金の問題です。イギリスでは3月にロックダウンが始まってから、コロナウイルスの影響で自宅待機になった会社員や収入の減った自営業者には80~70%の収入が補償されてきました。しかし、自営業者への補償は8月末で終了。会社員への補償は10月末までで終了予定です。

ロックダウンを再度実施するとなると、この補償プログラムを延長するのか、それとも他の方法で企業や労働者をサポートするのかという点が切実な問題として浮上してきます。失業率は今のところ低いレベルを保っているイギリスですが、もしもこういった補償を中止するとその数字は跳ね上がるものと思われます。

そして一夜明けた今日、イギリス政府による正式なルール変更の発表が予定されていました。友人たちのSNSを見ていると、2度目のロックダウンを予想してスーパーの一部ではまたパスタやトイレットペーパーの買い占めが始まっているようです(笑)。

そんな風にそれなりに緊張感のただよう中での発表でしたが、蓋を開けてみると、意外なことに今回の変更はかなり穏やかなものでした。イングランドでの主な変更点を以下に列挙します。なお、これらのルールは最大6か月適用されるとのこと。

・可能な場合は自宅勤務に戻る
・マスクを着用しない場合または7人以上で集まる場合の罰金を、初回200ポンド(約27,000円)に増額
・9月24日より、パブやバー、レストランは22時に閉店。また、テーブルサービスのみ(立ち飲みはNG)。テイクアウトは続行可
・9月23日より、タクシー運転手および利用者はマスク着用が必須
・9月24日より、屋内の小売店のスタッフと顧客はマスク着用が必須
・9月28日より、結婚式への出席者は最大15人。お葬式は30人まで可
・9月28日より、屋内スポーツは7人以上で行ってはならない
・スポーツ観戦は10月1日より再開予定

しかし、上記の制限で感染者が劇的に減るところって正直想像できませんよね😅ですから、効果がなければより厳しい措置が導入される可能性があります。というか、おそらくそうなるだろうというのが大方の予測です。最初に書いたような収入補償の問題があるので、政府もそう容易にロックダウンを再実施することはできませんが、当然検討はしているでしょう。

1度のロックダウンでは済まず、繰り返す必要があるというのは春ごろから予想されていたシナリオなので、うーん、まあ仕方ないな~という感じですが、こんなサイクルは早く止まってほしいのは当然のこと。ロックダウンは解決法ではなく、あくまでソリューションを見つけるまでの時間稼ぎのはずです。

そして、そのサイクルを止める可能性が高いのはやはりワクチンと薬でしょう。上記のニュースの通り、9月12日にはアストラゼネカとオックスフォード大学のワクチン共同開発が再開。1日も早く市場に出回ってほしいですね✨

今年7月には、イングランドのバイオテクノロジー企業シネアジェンが開発している治療法で、症状の深刻化が8割減少したというニュースも。インターフェロンベータというタンパク質を吸入器で肺の中に直接送り込むことで、免疫反応を刺激する仕組みだそう。これもまだ臨床試験の段階なのですが、期待が集まっています。

ところで、感染症はどんな僻地へも到達すると言われているものの、少なくともまだコロナウイルスに脅かされていない島がイギリスにありました!それは北アイルランドのラスリン島。バードウォッチングの名所です。住民はわずか150名ほどで、この写真の女性は島内唯一のパブで働いているそう。

3月のロックダウンの際、イギリス本土へのフェリーを減便。その後に完全に停止しました。病院がなくナースが1人住むだけのこの島では大きな決断。7月には本土から観光客の受け入れを再開したものの、訪れる人は少ないそうです。

イギリスでは「若いころは都会で働き、40~50代までに十分な財産を築いて早期リタイア。後は郊外や地方でゆったり暮らす」というのがひとつの理想的な生き方とされています。パンデミックが始まってから、ロンドンに住む友人たちは若くても「郊外に家を買おうかなぁ…」とつぶやく人が増えました。その時々の状況で「こういうライフスタイルが理想!」ってきっと変わってくるのでしょうね😊

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