博士への期待
ゆーです。
今日は、ボクの考える「博士号を持つ人に期待されるもの」を書いてみます。
企業の方が期待するもの、ですね。
特に研究能力の部分について。
当然、研究能力は常に問われるかと思います。
研究能力と合わせて、専門性は一緒に意識されることが多いです。
でも、専門性を絶対に求められているかと言われると、そんなことはないと思います(これは修士卒の方も同じじゃないでしょうか?)。
ただですね、これは決して「専門性がいらない」ということではありません。
そもそも専門性ってなんでしょう?
人によって、その認識も尺度も違います。
何かしらの研究をしている人のことを専門家というケースもあります。
その対象は多岐にわたっていてもよく、“医学”という比較的大きな“くくり”になることも。
一方で、ある特定の分野だけを指して、専門ということもある。
このように、専門の大きさに対する解釈は人それぞれ。
企業に就職した後、「専門性と異なるところに配属された!こんなはずじゃなかった!」なんて声をよく耳にします。
が、おそらく企業側からすると、「同じ研究者だよね?他の領域でもまた専門性を身につけられるよね?研究能力は高いだろうから期待してるよ?」てことだと思います。
特定の分野にこだわるとなると、それは研究者ではなく技術者に近い存在になることもあります。
つまりですね、特定の作業に特化し、調査可能な分野も決まっていて、他の領域はわからないので触れない。
そのかわり、任せられた作業だけは、確実にこなす。
もっと言えば、再現性・再生産性を求められ、その中で徐々に品質を向上させていくイメージです。
”匠のような存在”です。
そうなれば、そういう所で働くのが向いているという判断になりそうですね。
でもですね、これは研究者という枠ではないかもしれません。
そして、ここに博士号をとった人材を置きたいかと言われるとNoな気がします。
“研究のプロ”として認識されていると思うので。
そうなると、これまでずっと研究してきた領域から離れるなんてことは、往々にしてあります。
ちなみに修士卒の方も、このあたりのアピールの仕方によって、配属は変わってくるのかなと。
「研究できます!」と言ってみても、それが「新しい視点での品質改善の能力に優れていそう!」という風に感じ取られた場合には、少し思っていたのと違うところで働く可能性もあります。
(納得感は別として、一応、会社の利益に繋がりそうな配置にはしてるはずですからね。その人に向いているところに当てはめているはず?)
博士卒に話を戻します。
博士号を取得した後は、レベルを問わず“研究者の卵”ではなく“プロの研究者”として見られます。
ひと昔前までならどの企業も、上で書いたような「いかに再生産性を上げていくか?その中で品質を上げていくか?」を求めていました。
博士卒であっても、いかに画期的な方法で品質を向上させられるかを求められていたはずです。
一方でモノに溢れた現代では、新しいモノを生み出す力が求められるケースも増えてきています。
それは形のあるものでない可能性すらあります。
どんなものかは誰も想像できない。
複数の専門的な異分野の融合が必要なケースもあります。
なので、これまで培ってきた特定の領域の知識・技術以外であったとしても、同様に習得することができ、昇華させていくことができるか。
こういったところが、研究能力として求められるのではないのかなと、個人的には感じています。
もう少し言い換えると、問題や課題を自分で適切に設定できて、それを解決するためなら方法は問わず、全力を注ぐことができる能力を必要とされる気がします。
この、“適切に設定”というのが難しいんですけどね…。
課題を設定する上で、アイデアの出し方と言いますか、こういうところは人それぞれプロセスも異なると思いますし、ボクの方法論もいつかオープンにできれば!
まだ的確に言語化できないので、今回は一旦持ち帰ります。苦笑
色々書きましたが、ボクは「専門性は間違いなく必要、そして拡張することも必要」と考えています。
専門性の大きさが重要で、真に必要な専門性は、医学・理学・工学・薬学ぐらいの広いモノとボクは思っています。
時と場合によっては、この垣根すら越えていく必要もあるはず。
これを可能にするために最初の頃は、ある特定の領域の研究に注力することで、領域を拡大するための軸・土台を作る。
そして、その過程で「別の領域でも通用するやり方を独自に築き上げていく」ということをやっておくべきなのかなと。
これがボクの考える「博士が持つべき研究能力」です!
あとですね、博士卒には研究能力以外にも求められることが。
博士だからといって、研究能力だけを求められるなんてことはない気がしています。
ただ、これに関しても書いてしまうと、文章量が2倍以上に膨れ上がりそうなので…。
別の機会に書きます!
いやぁ、自分で書いたことではあるけど難しいなー。笑
ちなみにボクは今、学生時代に鍛えた専門から離れて、とある2つの分野を学んでいます。
今までにない新しいもの、絶対作るぞ!!
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