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足、のこと。

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わたしと右足の1年間。
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記事一覧

足、のこと。13

【追記・ボルト抜去】

2016年の年末に、術後ずっと入っていたボルトを抜去する手術を受けました。27日入院、28日手術、30日退院。手術の次の次の日には家に帰ってきたことになります。簡単に言えば、「そんなもん」ですむ手術なんです。

手術時間はトータルでも1時間なかったと思います。この時間のほとんどは下半身麻酔が効くまでの時間と、あとは術前のいろいろな準備、そして術後に病室に戻るための準備、本当

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足、のこと。1

【はじめに】

2015年7月22日に、変形性股関節症のため右股関節の手術をし、60日間入院した。

1年がたち、ようやく杖を使わずに外出できるまでになった。

股関節が悪くて手術を、と言うといろんな人から「うちの母親も〜」とか、「親戚のおばちゃんが〜」とか言われたけど実際そのほとんどはおそらく人工関節手術だったんだと思う。わたしは『RAO』と呼ばれる、簡単に言うとのこぎりみたいなのでガリガリ骨を

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足、のこと。2

【痛みのはじまり】

あれ?と思ったのは2014年の夏頃からだったと思う。最初は右足のすねが少し歩いただけで痛むようになった。10分も歩くと痛い。気づけば自宅から駅までの道がしんどくなっていた。何度も立ち止まり、さする。自転車をこぐのはまったく問題なかったので、どこに行くにも「歩かない」ことを第一に考え、移動は基本自転車か原付、ウインドウショッピングはあきらめた。芝居の稽古中も痛かった。立ち芝居が

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足、のこと。3

【勉強をする】

不安は知識と経験でだいぶ解消される。わたしは「変形性股関節症」の知識をありったけ詰め込むことにした。当時は毎日「変形性股関節症 痛み」「変形性股関節症 症状」「変形性股関節症 人工関節」「変形性股関節症 名医」など、ヒマさえあればググっていた。そうやって調べていくうちに、2つの考えについてようやく理解ができてきた。

【人工関節手術派の考え】

50代以上の変形性股関節症の患者は

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足、のこと。4

【その他の治療法】

整体、運動療法、温熱療法、などなど。考え方としては自骨を保存、温存しつつ、歩行姿勢を矯正したり患部をあっためたり簡単な体操をしたりして痛みを和らげましょう、変形性股関節症の進行を止めましょう、みたいなことなんだと思う。これはかなりざっくりした書き方だし、どれもちゃんと続けたわけじゃないからハッキリとしたことはよくわからない。ただ一つ思うのは、保険診療じゃない治療法って、どんだ

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足、のこと。5

【喧嘩をした】

単なるわたしの八つ当たりでしかないのだけど、手術を決めてから旦那さんにイライラすることが多かった。友達に言われても「しょうがないか」で済むことが夫だと許せないのはなぜか。わたしはとにかく一緒に戦ってほしかった。わたしからの聞きかじりだけで納得してる、なんの知識も持たない能天気な発言は、家族としては許せなかったのだ。ある日それは爆発した。ささいなきっかけだったんだろうと思う、わたし

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足、のこと。6

【術前検査、貯血、手術説明】

全身麻酔の大きな手術を受ける場合、手術の前に色々な検査を受け、さらに手術中の出血に備えて自分の血を貯める「貯血」というものを行う。検査は肺機能を調べたり、詳細なレントゲンやCT、麻酔科との面談、などなど。貯血は3週間にわたって、週に1度400ccずつ貯めに通う。鉄剤も出された。どうも飲むと胃が気持ち悪くて、ほとんど飲まなかった。その分食べた。合間に検査をしたり、それ

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足、のこと。7

【ついに入院】

2015年7月21日、入院初日。担当ナース、若い。元気。なんていうか、整形病棟のナースはみな若く、ゆるふわ女子って感じの人が多い印象の中で彼女は、ソフトボール(またはバレーボール)やってました!という雰囲気がよかった。Aさん。次の日にはもう手術なので、入れ替わり立ち替わり説明があって、その間に買い物に出かけたり病棟内をうろうろしたり、あっという間の1日。大部屋で、想像通りおばあさ

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足、のこと。8

【手術】

朝9:00前に手術室に呼ばれ、病室に戻って来たのが午後3:00前くらいだったはず。手術中のことは、当たり前だけどほとんど覚えていない。手術室、ていうより手術コーポ?マンション?そのくらい部屋がいっぱいあって、わたしは一番奥の部屋(不動産屋的に言うと角部屋)だったので、歩きながら他の部屋を覗いたりしてた。手術前には5回以上自分の名前とどこの手術をするかを言わされる。情報共有しとけや、と思

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足、のこと。9

【術後〜松葉杖リハ開始】

辛抱の3週間、を超えるとようやく本格的なリハビリが開始する。車椅子生活からの、松葉杖生活。両手がふさがってしまうので、荷物がいっさい持てない。ポシェットが大活躍。荷物の多いシャワーの時間とか病院内のコンビニでの買い物は車いす、他は松葉杖でウロウロと。術足への荷重は、体重の1/3→1/2→2/3、みたいな感じで少しずつ慣れさせていく。その方法がめちゃくちゃアナログで、体重

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足、のこと。10

【ついに退院】

足の痛みは少しずつよくなっていたが、相変わらず両松葉杖のままだった。ロフストにならないと退院できない、と最初の説明で言われていたので、しばらく帰れないのか...なんてかなり落ち込んでいたのだけど、シルバーウイークを目前に「このままここにいてもすることないし、退院する?」との言葉。リハビリもお休みになっちゃうし、骨のくっつくのを待ってたらあと何週間かかかるから、おとなしくしてるなら

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足、のこと。11

【術後半年〜1年】

H整形外科に通うようになったのは2016年1月から。術後約半年がたっていた。片足立ちはまだ難しく、杖なしだと上半身のゆれが大きすぎてまともに歩けるとは言えない状態だった。原因は下半身の筋力がまだ全然うまく使えていないこと。しかしロフストではまったく問題なく歩行ができていたし痛みもまったくなかったので、筋力アップのためにもT字杖に変更を勧められる。さっそくamazonで購入。相

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足、のこと。12

【終わりに】

リハビリはダイエットに似ている。何度もそう思った。体重が少し落ちてその後停滞する時期があるように、リハビリも少しよくなったかな、と思うとその後しばらく変化が生まれない時期がある。ただ、努力すれば結果に現れるところもまた似ていると思う。毎日歯をくいしばるほど辛い筋トレをしていたわけではないし、「リハビリ大変だよね、がんばってね」と人に言われるときもしかしたらそれはとんでもない筋トレを

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