足、のこと。3

【勉強をする】

不安は知識と経験でだいぶ解消される。わたしは「変形性股関節症」の知識をありったけ詰め込むことにした。当時は毎日「変形性股関節症 痛み」「変形性股関節症 症状」「変形性股関節症 人工関節」「変形性股関節症 名医」など、ヒマさえあればググっていた。そうやって調べていくうちに、2つの考えについてようやく理解ができてきた。

【人工関節手術派の考え】

50代以上の変形性股関節症の患者はまず間違いなくこの術式になる。というのも、人工関節の場合手術時間も短く、術後の回復も早いので(約2週間くらいで退院できる)、身体にかかる負担が圧倒的に少ないということと、人工関節の耐久年数は15〜20年と言われているのだけど(現在のもので)、おそらく一生をそれでもたせることができるだろう、と考えられているから。正座をしてはいけない、とか脱臼しやすいので気をつける、など日常の動きにいくつか制限はでる。人工関節がすり減ってしまうと、再置換手術と呼ばれる人工関節をもう一度入れ直す手術をしなくてはいけない。

【自骨手術派の考え】

若年で、かつ進行があまりすすんでいない変形性股関節症の場合、自分の骨を使って股関節の臼蓋を形成することができるので、人工関節の再置換手術はあまりにリスクが大きくオススメできない、もちろん自骨手術で形成した股関節も耐久年数は20年程度と一般的には考えられているので、自骨でとりあえず1回やって、もたなくなったら人工入れればいいじゃん、という意見。手術によりうまく形成されれば、特に動きの制限はない。再置換手術がうまくいかない可能性やリスクを回避するための術式と言える。

【病院決定】

わたしの年齢から言って、どう考えても人工関節にした場合の再置換手術を避けられるとは思えない。20年もったところで55歳、そこから痛みに耐えて生きるなんて絶対いやだ。わたしの夢、というか目標は長生きすることだってのに。どうあがいても一生に2回手術をしなくちゃいけないなら、どっちも成功させたい。人工関節手術の再置換については、「予後があまりよくない」という意見こそあれ、全然問題ないっす、という意見はあまり見られなかったこと、そして自分の骨が自骨手術対応するくらいにはまだまだ比較的軟骨部分が残っていたこと(近所の医者いわく、だけど)も後押しして、最終的には慈恵医大第三病院への紹介をお願いした。人工関節の玉川病院はやめた。今思えば、一応話しくらい聞きにいってもよかったんじゃないか?とは思うけど、あの頃はそう思わなかったんだろうな。なんでだろう。忘れた。やるとしたら自骨手術だな、と思って近くでRAOをやってくれる先生を探したら、結果、わたしが紹介されようとしている慈恵医大第三病院の大谷ドクターがめちゃくちゃ有名だと知る。たった3駅先に彼の元へ全国から手術を頼みにくるような名医がいたなんて。少しラッキーな気がしたから、というのが理由のひとつかも知れない。忘れたけど。

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