足、のこと。9

【術後〜松葉杖リハ開始】

辛抱の3週間、を超えるとようやく本格的なリハビリが開始する。車椅子生活からの、松葉杖生活。両手がふさがってしまうので、荷物がいっさい持てない。ポシェットが大活躍。荷物の多いシャワーの時間とか病院内のコンビニでの買い物は車いす、他は松葉杖でウロウロと。術足への荷重は、体重の1/3→1/2→2/3、みたいな感じで少しずつ慣れさせていく。その方法がめちゃくちゃアナログで、体重計2つに片足ずつのせて、右足のほうを指示された数字になるまで重さをかける、というもの。身体が感覚的にその荷重を覚えるように何度もそれを繰り返すんだけど、うーーーん.....。もっといい方法はあるんじゃないだろうか、というのが正直な感想。ないからそうしてるのかもしれないけど、だったら医学の進歩ってなに!?リハビリ込みでもっと進歩してくれることを期待する。患者としては、一歩一歩に自信持ちたいのに体重計の上じゃないと不安というのはちょっとどうかと。荷重を増やすタイミングは1週間が一応の目安で、レントゲンで骨癒合の状態を見て、というのとあとは患者が痛くないです〜問題ないです〜と言えば、という感じだったと思う。歩く、と言えるような状態ではないけど、地に足をつけたときの地球に降り立った感はすごかった。術後1ヶ月、両松葉杖。神経なくなったんじゃないの、と思うくらい何一つ動かなかった右足も、毎日のリハビリ(そして自主トレ)のおかげで、「指1本分あがるようになり、5センチあがるようになり、あげた足を5秒保てる」ようになっていた。痛みもなく、順調なリハビリ生活。

【術後〜片松葉〜ロフスト、そしてまた両松葉杖に】

アナログなリハビリが続く中、順調に荷重をかけることに成功、術後6週間でついに松葉杖1本になる。全8週間の入院スケジュールなので、かなり順調に進んでいると言えた。気づけば病棟一の古株、食事は1ヶ月サイクルでほとんど同じメニューなんだ、と気づいた時の衝撃。早く帰らないと、と心から思う。ついに退院の話がちらほらと出てくる。それに向けての一時外出を決める。松葉杖1本、は荷重だけの面で言えばロフスト杖とさほど変わらないので何日か片松葉で過ごしたのち、退院以降の生活のためにロフストでのリハビリがはじまった。階段昇降もロフスト1本、かなり荷重がかかっているな、と思った。一時外出して自宅に戻った次の日、ついに恐れていた足の痛みが出てしまった。帰りたい一心でリハビリを頑張りすぎたんだろう、と今になってみればわかる。頑張ればその分筋肉がついて早く歩けるようになる、なんていうのはまだ幻想で、むしろ骨の癒合のことを考えたら足なんて動かさない方がよいのだ。でも、そんなこと言ってたら筋肉は落ちるばかりだし、その後の回復に時間がかかってしまう。だから、レントゲンを見て、骨に負担がかからないギリギリのラインでリハビリをする。これがRAOの本当の難しさじゃないかな、と思う。骨を切ってくっつけてリハビリすればおしまいです、じゃなくて、リハビリの難しさがRAOを語るにあたってもっと焦点になってもいいんじゃないか、と。わたしはまた両松葉杖に逆戻り、レントゲンの結果で骨折はしていないことがわかって多少ホッとはしたけど、ここまで積み重ねてきたものが...というのと、何より、すぐ近くまできていたはずの「退院」に逃げられてしまったこと、追いかけるための足が使い物にならないことが悲しかった。

【超音波治療器セーフス】

大谷ドクターから「セーフスをやりませんか?」とすすめられる。骨の再生を促進する超音波を出す機械、らしい。「ゴジラ松井も指を骨折したときにやったんだよ」と、だからなんなの、な情報を挟みつつ。もちろんやった。費用は3万円ちょっとで、1年レンタル可能。1日20分×2ヶ所を患部にあてるだけ。40分じっとしていなくちゃいけないのは面倒だったけど、セーフスのおかげでその後の骨癒合は少し早まった、みたい。やってる間の痛みとか違和感はまったくない。痛みがないからこそ、効果もわかりずらいんだろうな。あと超音波ってなんなの、ていう。名前が強そう。超音波治療器セーフス!!ちなみにこれは、セーフスのメーカーから直接レンタルなので、返却時はフリーダイヤルで連絡したら、こちらの都合のよい時間に引き取りにきてくれる(ちなみに23区内なら細かい時間の指定が可能、引っ越したので神奈川県なんですと言ったら午後のどこかで、というざっくり時間指定になってしまった)。わたしは使わなくなったので、返却し忘れても困るし1年たつ前に返した。退院してから、40分何もしないでいるのってけっこう苦痛で、実際ちゃんと使ったのって3ヶ月くらいかなー。ゴジラ松井も毎日ちゃんとやってたのかなあ。

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