久々の日本で、どうしようもなく食べたくなる料理Best5_パリ節約自炊生活番外編

パリ節約自炊生活から10ヶ月ぶりに日本に帰国しました。これまで何度も本noteで、この食材が恋しい、この料理が食べたい、と怨念の様に書いてきましたが、今回一時帰国の7日間でどうしようもなく食べたくなったもの、食べたものをご紹介します。
つまりこれは、欧州に駐在している親族や友人がどうしようもなく恋い焦がれている日本料理であり、救援物資として持参すると喜ばれる、または日本に帰国した際に連れて行くと喜ばれるモノとして、ご参照いただけますと幸いです。

第5位：牛丼屋さんの定食

侮るなかれ牛丼屋さん。生玉子、納豆、明太子、味噌汁、そしてプライスレスな炊き立ての白いご飯・・・そう、牛丼屋さんの定食は、外国に居住する日本人が普段欠乏し、恋い焦がれる食材が盛りだくさんなのです。しかも驚きの低価格。フランスで牛皿定食生玉子納豆付きを頼んだら、きっと16€（約2000円）はするでしょう。こんなにお得に、日本らしい定食がいただける牛丼屋さんは正座して食したいほど貴重な存在です。

第4位：普通の中華料理店

当然、中華料理は世界中どこでも味わう事ができますが、実は少しずつその地に合わせて調整されています。フランスでも中華料理店はたくさんありますが、フランス人向けに緩和・調整されているお店か、在仏中国人向けにガチの中華料理店か、そのいずれかしかありません。日本にいると気づかないかもしれませんが、日本の中華料理店は日本人の口に合うように緩和・調整されていて、日本人が食べたい中華は、意外と外国では出会えなかったりします。つまり何が言いたいかというと、日高屋とか王将は外国では出会えない貴重な存在なのです。
今回一時帰国の際にどうしても行きたくて来店したのは早稲田大学近くの佳里福（ジャリフ）という中華料理店。本格的な四川料理ながら、実家に帰ってきたかのようなほっとする味でもあり、日本の中華料理店は考え抜かれた味付けをしてくれているのだと改めて実感します。

第3位：普通の和風居酒屋

日本ではフレンチ居酒屋やスペインバルやイタリアン酒場がもっぱら幅をきかせている事は重々承知していますし、私が日本に住んでいた時はそういうお店を選んでいました。しかし、久々の日本で真っ先に行きたいのは、断然普通の和風居酒屋です。普通の刺身盛り合わせ、普通の出汁巻き玉子、普通のさつま揚げ、普通のモツ煮、普通の唐揚げ…そんな、あまりにも普通な家庭料理が、海外生活では得難いお料理だったりします。そんな得難いお料理が、とても格安でいただける日本の居酒屋は、神のような存在です。

第2位：普通のラーメン

日本のラーメン、それは世界に誇る日本料理だと思います。日本に住んでいた頃はラーメンを食べたいとは思いませんでした。しかし渡仏して1ヶ月も経つと、無性にラーメンが食べたい、ラーメンが恋しい…身体を持て余すほど、ラーメンに恋い焦がれている自分に気づきました。そうまさに禁断症状。とはいえ、フランスではトッピング無しの一番シンプルなラーメンが14€（1750円）、味玉をつけることはおろか、ラーメン屋さんに行くことすら憚られる状況の中で、ラーメンへの想いは募っていくのです。

ということで帰国時にいただいたラーメンがこちら。国立はムタヒロの濃厚煮干しラーメンです。フォンドボーのごとく時間をかけて煮出した煮干しスープは、濃厚なのにあっさりとした魚の旨味が感じられ、モチモチとした太麺に良く合い大変美味しく頂きました。

第1位：回転寿司

以前パリの回転寿司をご紹介しました。もちろんそれなりに美味しい。しかし、日本の回転寿しは圧倒的に「安くて美味しい」のです。この安くて美味しいという価値は、世界的にも群を抜いていると思います。そしてその価値を体現しているのが回転寿司。こんなに豪華な生魚が0.8€（1€）で食べられるなんて、奇跡としか言いようがないです。海岸沿いの都市以外、欧州では魚が日本に比較して高いので、なかなかお腹いっぱい魚をいただく機会がありません。日本の回転寿司は、高品質な魚をお腹いっぱいいただける、世界的に見ても稀有なレストランであると言えます。

ここまで読んでいただいてお気づきだと思いますが、日本の飲食はとにかく「安くて美味しい」の一言に尽きます。消費者としては喜ばしい一方、日本経済を考えるとこんなに高品質で高いサービスの料理がこんなに低価格で大丈夫なの？と感じてしまいます。
アジア諸国に旅行した事がある方はお分りいただけると思いますが、屋台やナイトマーケットに行くと「こんなに安くてこんなにたくさん食べられて、嬉しいけど大丈夫？」と感じた事があると思います。フランスをはじめとした欧州の観光客も、きっと日本で同じ事を感じていると思います。その位、日本の料理やサービスの品質は高く、価格は安いです。
消費者としてはもちろん日本の安い・早い・旨いは有難い反面、この価値に見合う価格を創っていかないと、日本全体の成長は見込めないなと感じる一時帰国でした。