冬野ゆな@web作家

いろいろと書いてる人です。 ▼ お仕事依頼はこちら ⇒ yuna.huyuno@gm…

冬野ゆな@web作家

いろいろと書いてる人です。 ▼ お仕事依頼はこちら ⇒ yuna.huyuno@gmail.com ▼ 冬の魔術師 ⇒ https://note.com/wizard_winter/

マガジン

  • 雑記

    わりとどうでもいい話をつらつらと書いておいてます。日記兼雑記兼なにか。

  • 企画用短編置き場

    主にノベプラやカクヨムなど、小説投稿サイトの企画などで書いた短編をまとめて置いておく場所です。

  • エーゼルランド島の怪物【怪物ホラー短編集】

    海外ホラー風短編集。怪物ホラーや怪奇幻想文学を目指したホラー作品集です。 収録作:「エーゼルランド島の怪物」「フラッフィー」「緑の沼」「死体処理」「ある幻覚剤について」「ウォーターベイビー」「マッドサイエンティスト」

  • 【短編集】夏のまぼろし

    平成最後の夏に捧げた、ちょっと不思議な夏の思い出話。 蒸し暑い日に蜃気楼の中に入り込んでしまう「蜃気楼の夏」、二百年ぶりに日本で羽化する巨大な蝉の羽化を見に行こうとする「宇宙蝉」など、「私」にとっては特に不思議でもなんでもない夏の幻想譚。 100字未満のものから3000字程度のものまでサクッと読める短編集。 カクヨム掲載版よりちょっと変わっています。

最近の記事

【雑記】視力が回復していた話

 普段は眼鏡とコンタクトを併用しているので、外ではコンタクト、家にいる時は眼鏡という風にしている。家にいる時に近所のコンビニくらいだったら眼鏡で行くかな、というくらい。  それで何年か前に、当時使っていた眼鏡がだいぶボロボロになったので買い換えた。  コンタクトで通っている眼科で半年に一回くらいは簡単な視力検査はしていたのだけれど、眼鏡を作るので久々にしっかりと検査してもらった。  特に見え方も変わっていなかった気がするし、まあでも知らないところで悪くなってるとちょっとなあ

    • 【雑記】メールアカウントの話

       ウィルの創作アカウントを少しずつ改装しているのを機に、こっちのアカウントも手を加えている。この雑記を書くのもそうだし、たまたまこっちのアカウントにしている時に覗いたnoteにスキをつけるのもそう。  まあ少しずつちまちまとやっているけれども、うまくいかないこともある。  たとえば、この間などはたまたまほとんど使っていないメールアカウントを覗いたら大変なことになっていた。ほとんど使っていないので、それはもう何年かぶんのメールが届いて、その数は2000件を超えていた。  広告

      • 【雑記】フリー素材的都市伝説について

         そのうちnoteにも転載しようと思っているんですが、現在カクヨムに載せている都市伝説蒐集録をフリー素材にしてみました。  いったいなぜそんなことを……と思うかもしれませんが、小説といっても必要最低限しか情報が無いものなので、いっそフリー素材にしたら需要あるかなあというのは少し前から思っていた所存です。  著作権は放棄してないですが、創作用のネタとしてお使いください。  ただ実験的なものですし、需要が無ければ普通に取り下げようかなーくらいの軽い気持ちです。  それじゃあ今

        • 【雑記】幽霊は殴れるか否か

           ホラーにおいて、幽霊が襲ってくる場面がある。  たとえば主人公が呪われた家に入ることになってしまい、おっかなびっくり先へ進んでいく。ほんのわずかな物音や気配がする気がして、恐る恐る先へ向かっていく。なんだか自分以外にもうひとり居る気がする……。背中を流れ落ちる汗すらも冷たく、まるで指先でなぞられているような気になる。  そうして封印された部屋にたどり着いてしまうと、もう戻ることはできない。  聞こえるはずの無い、床を這いずるような音が聞こえ、気味の悪い息づかいが聞こえた時に

        【雑記】視力が回復していた話

        マガジン

        • 雑記
          7本
        • 企画用短編置き場
          10本
        • エーゼルランド島の怪物【怪物ホラー短編集】
          16本
        • 【短編集】夏のまぼろし
          7本

        記事

          【雑記】マガジンの表紙を作った話

           創作アカウントのほうのマガジンに表紙をつけてみました。  けっこう長いこと面倒がって後回しにしていたんですが、そういうことってありますよね。  なんでかわからないけれど、突如として事態が進むみたいな。  ありませんかね。  面倒だったのは理由があって、表紙のコンセプトを決めるのをすっかり失念していたのと、表紙を決めるのに時間が掛かったのと、そもそも素材が集まったとしてもどうやって作ろうかな……というのがありました。  いろんな素材サイトを見たり、写真にしようとかイラストに

          【雑記】マガジンの表紙を作った話

          【雑記】イースをやりたい(どれから?)という話

          「これ日記ってより雑記じゃない?」と思ったので雑記にしました。  ところで私は別のnoteアカウントも持っており、そっちのほうでは創作キャラでゲームのプレイ日記を書く、みたいなこともやってます。  それで以前、イース8のプレイ日記を出しました。  コレ↓  途中で使っていたUSBが壊れて画像が吹っ飛んだため、画像が無くなったりしたんですが……。  イースシリーズをプレイするのはこれがはじめてで、アクションRPGとしては凄くやりやすくて、多少ハード面の問題はあったもののかな

          【雑記】イースをやりたい(どれから?)という話

          【短編】最後の日

           その日、地球にいるすべての人々の頭の中に声が聞こえた。 「え? なんですって?」  そしてだれもが聞き返した。 「もういちど繰り返します。この世界をお作りになられた神が、近年の認知症の悪化により管理が難しい状況になりました。神はご自分の星に執着されておるため、危険な状態にあります。そのため、すべての生命の保護という観点から、半年後、皆様を一時的に仮の星へと移動させることが決定されました。よろしくお願い致します」  こうして地球最後の日はあっけなく告げられたのである。  私

          【短編】最後の日

          【日記】人の作品の根底にあるやつ

           なんとなく小説以外で指を動かしたくなったので書きます。  人が書いているものには根っこがある。  特にいくつも作品を書かれているとそのなかに共通したものが見えてくることがある。  それは例えばファンタジーばかり書いているとか、ミステリーばかり書いているとかそういうのではなくて、もっと根本的なところに存在する。  たとえばぜんぜん雰囲気の違う作品を書かれていても、いくつも読んでいるとその根底には「理不尽への怒り」があったりとか、「アウトサイダー達への深い愛情」があったりす

          【日記】人の作品の根底にあるやつ

          マッドサイエンティスト【怪物ホラー短編】

          「フレデリックさん、あなたのその個性は素晴らしいものですわ」 「ありがとう。誇らしいですよ」  満足げな表情で握手を求めた女に、フレデリック・コーウェンは車椅子に座ったままにこやかに応じた。  だが女が立ち去ってしまうと、彼は忌々しげな表情でこう呟いた。 「くそくらえだ」  そうして肘掛けでバランスをとりながら、膝から上まで無い両足を座り直す。  こんなことがあった後は、彼はいつも私に愚痴を言うのが恒例だった。 「何を勘違いしているのか知らないがね。奴等はいつも、ただ自分の足

          マッドサイエンティスト【怪物ホラー短編】

          ウォーターベイビー【怪物ホラー短編】

           素晴らしい家だった。湖畔にほど近い家は二階建てで、白い壁紙は染みひとつ無い。前の住人の家に対する心配りを考えると幸運なほどだ。妻のジェシーを伴ってここにやってきたとき、本当に来て良かったと思った。ジェシーは普段より少しだけ大人しかったが、それで充分だ。彼女には気分転換と療養が必要だと僕は確信していた。  時が哀しみを癒してくれるなどという言葉は、戯言にすぎないのだ。  最近のジェシーを見ていると殊更にそう思う。僕だってこの哀しみをどう癒せばいいのか、そもそも癒えるものではな

          ウォーターベイビー【怪物ホラー短編】

          ベレ族のハーブ【怪物ホラー短編】

           祖父が残したインディアンの羽冠を店に飾ると、客には好評だった。  かつてこの国の先住民族であるインディアンたちが住んでいた平原近くの小さな町で、わたしは酒場を営んでいる。この町はアメリカ開拓時代の雰囲気をまだ残していて、レンガ造りの建物も多い。わたしが営む酒場も開拓時代を思わせるサルーンのような店構えにしてある。内部も当然、当時の面影をできるだけ再現したものになっていた。これらの工夫は、訪れた人々の心のなかにあるフロンティア精神を大きく刺激するものになった。この町は以前起き

          ベレ族のハーブ【怪物ホラー短編】

          悪魔の召喚【怪物ホラー短編】

           いくらオカルト好きっていったって限度がある。  特にソフィア・カニングムには毎回辟易させられた。  彼女は友達ではあるけど、変なところで「本格的」なことに拘りすぎるきらいがあったの。  そもそもの話をするとね。私がオカルト好きっていうのは、ネットに転がってる都市伝説やそれこそネットロアを読んだり、クリーピーパスタの怪物やSCPの絵を見たり、最近のUFO動画がどうやって作られているのかを見て時代の変遷を感じたりするのが好きなわけ。もちろん、昔ながらの魔術やハロウィンの時期が

          悪魔の召喚【怪物ホラー短編】

          死体処理【ホラー短編】

           それは知事選の始まる少し前のことだった。  あんな事さえなければと何度も思った。  いままでの人生で一度きりとて、サンライズ・ストリートになんか来たいとも思わなかった。いまだってそうだ。ここは良い噂などひとつとして聞かない、社会の底辺だ。この国の掃きだめだ。そう思っていた自分がここに来る羽目になるなんて。  国家に仕える公務員として順調にキャリアを積んでいたはずの私は、仕事で大きなミスをし、ほぼ左遷同然で異動を命じられた。住んでいた寮も追い出され、ほとんど一文無しでだ。私は

          死体処理【ホラー短編】

          緑の沼④【ホラー短編・全4話】

           それからブランドンは、仕事に取りかかる前に苔掃除をすることにした。だがそれは一筋縄ではいかなかった。なにしろ苔はあれから毎日のように、ウッドデッキを占領してしまったからだ。ここに来た時はそんなことはなかった。隅の方で申し訳なさそうに住処を作っていただけの苔が、いまや自分達の領域になったと言わんばかりにウッドデッキそのものを喰い尽くしている。一度侵入を許してしまったせいなのか。そんなことがあるのかと首を捻る。そういう種類の苔なのだろう。  新種かもしれないと検索をかけたことも

          緑の沼④【ホラー短編・全4話】

          緑の沼③【ホラー短編・全4話】

           パラパラとページをめくり、軽く読めそうな部分に目を通す。いくらかそんなことを繰り返すと、この事故死した人物の――おそらく男の――ことがなんとなく察せられた。男は精神を病み、療養のためにここへ越してきたのだ。文字は角張ったような神経質そうな字で、これを書いた人間の精神性がそのまま投影されたかのようだ。年齢はブランドンより年上と見え、だいたい中年くらいを想像してしまった。うだつの上がらない、陰鬱な表情をした神経質そうな男。骨張った手がこの本に角張って妙に堅い文字を書き込んでいく

          緑の沼③【ホラー短編・全4話】

          緑の沼②【ホラー短編・全4話】

           翌朝、カーテンの向こうから差し込む光で目が醒めた。時計を見ると、もう十時近くなっていた。専業になってからずっと遅い起床が続いていたが、何も考えなくていい起床とはやはり違う。いい加減起きるべきかとあくびをかみ殺し、下に降りることにした。  軽く朝食をとってから、昨日と同じく物置の扉を開けた。デッキブラシとバケツを手に、ウッドデッキに出る。こんなことは久しぶりだ。ちらりと見ると、緑色の苔が床の隅にもついているのがみえた。昨日は気がつかなかったのだろう。滑らなくて良かった。苔をそ

          緑の沼②【ホラー短編・全4話】