水上 優/Yu Mizukami

合同会社メッシュワーク/共同創業者、株式会社ビービット/ フェロー アカデミック世界と…

水上 優/Yu Mizukami

合同会社メッシュワーク/共同創業者、株式会社ビービット/ フェロー アカデミック世界とビジネス世界の辺境から思ったことを書いています。メモノートですのでご容赦ください。

マガジン

  • 人類学の視点

    人類学者の記事や、人類学的な視点から書かれたものから世界をなまざすマガジンです。

最近の記事

口がスオミ

朝だ。夢の中でInstagramを見ていて「なんで夢の中までもSNSを見なくてはいけないんだ」と憤る。でもなんだか今朝はふわふわとした感じがある。ここ一ヶ月ほど、目覚めが悪い日々が続いていたが、今朝はなんだか違う。 それは他人の家で目覚めたからかもしれないし、寝る前にビールを飲んだからかもしれない。 他人の家のカーテンを開けると、まぶしく暖かい陽の光が差し込んでくる。早稲田の光だ。夏目漱石もこの朝日を感じていたのだろうか。 家主も起き出してきた。 私が「朝は何を飲むの?

    • あたまをぶつける

      私は子供の頃からよく頭をぶつけている。 母から「頭悪くなるから、注意しなさい!」と良く言われたことを思い出す。多分悪くなったので、もう仕方ない。 大きくなってからも、ちょくちょく頭をぶつけている。さすがに、たんこぶは作らないが、年に数回ぶつけていると思う。 痛い。 最近2度続けて頭をぶつけてしまったので、ここに書いておこうと思う。 1度目は入道崎の祠でぶつけてしまった。 入道崎は男鹿半島の突端にある岬で、その突端に海上安全を祈願した地蔵を祀ったコンクリート製の祠があっ

      • 言語と身体に関するメモ(随時更新)

        自分が言語優位でそちらの方がセンシティブに受け取るからこそ、身体に興味があるのかもしれない。でもセンサーは言語のほうが強いから、結局言語優位に解釈してしまう。 言語による安心が欲しいし、言語による秩序に安心する。 考えていることは身体、態度、行動に立ち現れるが、それを的確に捉え解釈するためには身体のセンサーとボキャブラリー(身体のことを言いたいのに言語的になってしまう)が必要。 もしくは、何かの違和感、不自然、自然、心地よさを感じたとしても、それを言語的にもしくは身体的

        • 人類学の会社を設立しました

          皆さんこんにちは。 新年度の最初の月がもう終わろうとしています。びっくりですね。 4月1日に合同会社メッシュワークという会社を設立しました。 人類学者・比嘉夏子さんと、槌屋 詩野さんの3人で共同で創業しました。 設立に関して詳しくは下記の連名記事をお読みいただけると幸いです。 ここでは、個人的な話を少し書いておきます。 私は大学院を卒業する時に、進学して博士課程後期に進むのか、就職してアカデミアの外に出るのかをギリギリまで迷い、考えるのを後回しにした経験があります。結

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        • 人類学の視点
          水上 優/Yu Mizukami

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          UX企画の立て方 ~ユーザ理解からユーザ体験理解へ~

          こんにちは!水上優です。修士課程まで文化人類学を勉強したあと、色々あって、今は株式会社ビービットにてフェロー兼UXコンサルタントとして活動しています。 今回は、ビービットの「UX企画の立案』に関する手法を学び、「あーそういうことか!」とガッテンしたことを皆さんに紹介できればと思い記事を執筆しました~ 本記事は2021年のUX Research Advent Calendar 12月22日分です UX企画ってなに ここにたどり着いた皆さんならご存知かもしれないですが、U

          UX企画の立て方 ~ユーザ理解からユーザ体験理解へ~

          「リメンバー・ユー」イマーシブシアターを見て

          ego:pressionの主催する「リメンバー・ユー」というイマーシブシアターを観てきた。https://www.egopression.com/latestinformation ので、そこで思ったことを徒然なるままに、備忘録的に書いておこうと思う。徒然すぎてわかりにくいところあったら是非コメントください。 観劇中の感想「え、なに。じゃまにならないように。おっと!ここまで踊るのね!ローカルなおじいちゃんぽい人が観客にいるのいいな。孫連れてる感じとか。私はいま『家政婦は見

          「リメンバー・ユー」イマーシブシアターを見て

          これから人類学にふれる人へのおすすめ本(ここ最近でた本編)

          職場の人から「人類学にふれる際のおすすめ本ありますか?」と問われた。けっこうむずかしいリクエストだ。人類学ってノウハウみたいなものを嫌う性質もあるので、「10秒で解る!人類学」みたいな本は無いし(むしろあったら眉唾ものか、すごい皮肉)どうしても事例ベースになってしまう。 ここ最近刊行されている本で(古典とか教科書的なのは別の機会にご紹介したい)、気になる本をピックアップしてまとめておきます。 松村圭一郎さんの名物ポッドキャストが書籍化しました。さまざまなトピックについて人

          これから人類学にふれる人へのおすすめ本(ここ最近でた本編)

          中学生の頃、私は踊っていた

          やっぱり体系的な自己紹介を書く気が起きないので、時系列で今の自分と関係ありそうなトピックを拾いながら、エピソードを書いてみる。前回「フィールドワーク人生の原点」は小学校時代のことを書いたので、中学生時代について書いてみる。 死と踊りの中学校時代中学生の頃、私は踊っていた。 らしい。 確か、図書館にあったミュージカル映画の本(DVD付き)にハマっており、『雨に唄えば』のマネをして、祖母に頼み込んで買ってもらった、ちょっと高級な大きな傘を振り回しながら、徒歩で15分ほどの中

          中学生の頃、私は踊っていた

          フィールドワーク人生の原点

          自己紹介と、これからしようとしていることをまとめたnoteを書こうと思ったが、なかなか筆が進まないので、昔のブログ記事を再録・リマスタリングすることにする。私が人類学を学ぶに至った原初的な体験の一端である。 歴史クラブ小学校の歴史クラブメンバーだった頃。小学校高学年のとき、土曜日だったかな?月2回だけ行うクラブ活動の時間というものがあった。バレー等、スポーツ各種、茶道や生花など習い事っぽいことなど、いろいろあった。 どれも学校の先生ではない地域の人々を講師に招き、実施して

          フィールドワーク人生の原点

          人類学的向き合うって、どういうこと??「人類学的リサーチ事始め ~人類学者の情報収集と「問い」の見つけ方~」イベントレポート

          大学院の先輩であり、企業とも様々な共同研究を行っている比嘉夏子さんと共同で人類学的リサーチの方法に関するセミナーを2021年6月25日に開催しました。 普段、私も比嘉さんも人類学に関する素朴な質問をよく受けるので、そのことにまとめて答えるセミナーをやってみようか?と軽い気持ちで企画したところ、あっという間にZoomの定員である100名に達してしまい、当日キャンセル待ちが出るほどになりました。 この記事は、イベントレポートです。どんなことが行われていたのか、概要を掴みたい方

          人類学的向き合うって、どういうこと??「人類学的リサーチ事始め ~人類学者の情報収集と「問い」の見つけ方~」イベントレポート

          「あの八百屋、株で儲けたから閉めたんやと」

          小さい頃、お使いにいった八百屋のお兄さんが株で儲けた話は知っているのに、東京で住むアパートの隣の住人の仕事内容すら知らない、今日このごろ皆さんいかがお過ごしですか。 よくある話ではあるんですが、都市に住まう(マンションポエムみたい笑)とはとても不思議なことですよね。と田舎出身の私は思います。 田舎では誰がどこで働き、どのくらいの金を稼いでおり、どこに親戚がいるのかなどは皆が知っていることですし、知っていることに特段不思議さがあるわけではありません。 タイトルのエピソード

          「あの八百屋、株で儲けたから閉めたんやと」

          裁判の傍聴に初めて行ってみた

          みなさんこんにちは! 架空の大衆へ呼びかけてしまうのは、古のネットユーザー故でしょうか。 そんなことはさておき、東京地方裁判所の裁判を傍聴した経験について書いてみます。 普通の裁判は整理券なしでも傍聴することができます。(混雑が予想される有名な裁判は整理券が配られたりするらしい) 私が傍聴したのは、ちょっとタイムリーな「出入国管理及び難民認定法」に関する裁判で、オーバーステイに関わるものでした。 法律の専門家ではないので内容については書きませんが、裁判というシステムに関

          裁判の傍聴に初めて行ってみた

          もしあなたが、ぶりを一本もらったら

          「鰤(ぶり)の半身返し」という言葉を聞いたことがありますか? 私は石川県加賀市の出身ですが、最近初めて聞きました。先日鰤の刺身を食べていた時、同郷の友人が 「鰤といえば、叔母さんが嫁いだ時に、鰤を一本贈ったのか、貰ったのかそんなことがあったな…」 と言っており、「突然、家に鰤が一本贈られてくることがあるのか!」と思ったのでした。 その後、石川県能美市出身で加賀市在住の祖母に聞いてみると下記のような話をしてくれました。 以下、インタビュー内容(南加賀の言葉遣いそのままで

          もしあなたが、ぶりを一本もらったら