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日記

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日記をまとめていきます。これはとてもプライベートな経験の記録です。
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手元に舞い込んできた物語

手元に舞い込んできた物語

税金の書類を出す必要があって、オフィスに寄ってみるとマルシェが開催されていた。

マルシェの中にブックスワップと言う企画をやっている人がいて、今日は交換しなくても本を1冊くれると言う。

そういえば、最近『西の魔女が死んだ』と言う小説を拾った話をどこかで読んだ気がして、この本をいただくことにした。

以前、読んだような記憶があったが、読み始めてみると、おそらく読んでいないことに気がついた。

この

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解釈によって与えられる救い

解釈によって与えられる救い

同じものを見ていても、人は異なる解釈を行なっている。それは当たり前のことだが、すぐ忘れてしまう。

忘れてしまうから、自分の解釈に囚われてしまう。

赤い洋服を見てすぐに「これは女性用だ」と思ってしまう自分がいることに、普段は気が付かない。

では、どんな時に気がつくか?
他者の解釈に触れた時である。

今日、デザイナーの方と無印良品に行く機会があった。その方は無印良品のファンとして、定期的に無印

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風が強い日に桜を見た

風が強い日に桜を見た

風が強かった。ベンチに座っていたら、思わず目をつぶってしまうほどの突風が何度も吹いた。細かくなった枯れ葉が舞っており、風の形が見えるようだった。

右から風が吹き、くるくると渦を巻く。

左から風が吹き、髪の間に落ち葉が挟まる。

下から風が吹き、ノートを押さえた指の腹に枯れ葉が挟まる。

しかし、太陽の光は暖かく、立春を越え着実に春に向かっていることを知る。

季節が変わっている。

風も、波も

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あたたかさは目に見えるのか

あたたかさは目に見えるのか

薪は太いものだけでも、細いものだけでも、うまく火がつかない。

初めに引火する細い木がなければ種火もすぐに消えてしまう。

細い木だけだと一度に火柱が高く上がるが長く保つ火にはならない。

木が初めから多く入っていると空気が通らず火がつかないし、隙間が空きすぎると今度はうまく燃え移らない。

適切な時に適切な薪を適切な量焚べることで焚火は燃え続けることができる。

火が燃え上がりすぎている時は暑す

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概念が苦手

概念が苦手

どんどん手に触れることができない言葉のことを考えることが苦手になっている気がする。仮定の話、仮説、もし〇〇だったら、子供の時は(今自分が子供でないと認識しているのに)などなど。

昔はもう少し気軽に想像したり、妄想したりしていたような気もするが、人間のわからなさや、行為の暴力性に触れるうちに仮定の話が不得意になってきた。

それは過去形にしたところであまり変わらない。私が子供だった時、私が妖精だっ

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今日出会った生身の人間は保険屋さんの人だけだ。

今日出会った生身の人間は保険屋さんの人だけだ。

最近少し時間が空くと、昔のアニメシリーズを観ている。学園もの?なのだが、象徴が多く、夢診断的な楽しさがある。でも早くこの世界から抜け出したい気がしている。そろそろオープニングの曲がカラオケで歌えるはずだ。

今日はずっとzoomミーティングを行い、画面と会話し続けた1日だった。いや、画面の向こう側の同僚やお客さんと話しているはずなのだが、どうも画面と話しているような気分になる。我ながら不思議な仕事

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「東京はとても明るいから、道で本が読めるんだよ」とか言ってる場合ではない

「東京はとても明るいから、道で本が読めるんだよ」とか言ってる場合ではない

街灯、コンビニ、道路工事、ロイヤルホスト、防犯のために入口だけ電気がついたままの家具屋、マンションのエントランス、大きくあかるい看板、自動車のライト

東京はとても明るいから、道で本が読めるんだよ。

と、詩的なことを書こうと思ったのに、家まであと3分を切ったところで、お腹に違和感を感じ始めた。

え、まさか、いや、この距離なら間に合うはず。

あの角を曲がりさえすれば。でもあの角から家まではまだ

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旅っぽいことを考えたりしてみる

旅っぽいことを考えたりしてみる

はりいしゃという名前の家を出て、「蒲生」というバス停に来た。5分ほど前にバス停に来たはずだが、定刻になってもバスが来ない。時刻表を確認してみるが、間違っていないはずだ。まあ、そのうち来るかなと思って待ってみる。水の音が道路の側溝から聞こえる。山からの水が常に流れているのだろうか。水の音はいい。いつ聞いても水がそこにあることを伝えてくれる。

バス停の標識は手書きである。3本の水仙の花と、夕日のよう

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レシートへの祈り

レシートへの祈り

クリーニング屋のレシートが落ちていた。

そういえば、数日前にレシートを集めた人の話を聞いたのだった。私も拾ってみようと思い、少しレシートを開いてみた。

レシートは車に一度踏まれたようで、ピッタリと折られ、アスファルトの形がレシートにうつっている。半分開いたところで、なんだか覗き見をしているような気分になり、閉じた。

「入会金200円」と書かれていたので、初めて訪問するクリーニング屋だったのだ

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「バス来たね」「はい!」

「バス来たね」「はい!」

朝?4時に起きてしまう。ここは秋田駅前のホテルだ。昨夜の酒が悪さをしている。もう最近たくさんは飲めなくなった。コーヒーも1日2杯、酒も2杯が限界だ。最後の居酒屋で自分の皿に乗せた料理を食べられなかったことを今でも後悔している。美味しかったのに。ここまでは手書きで書いたが、鬱陶しくなってしまってタイピングに切り替えた。ああ、PCに最適化された身体。なんということだ。

朝早く起きると、どうしても暗い

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口がスオミ

朝だ。夢の中でInstagramを見ていて「なんで夢の中までもSNSを見なくてはいけないんだ」と憤る。でもなんだか今朝はふわふわとした感じがある。ここ一ヶ月ほど、目覚めが悪い日々が続いていたが、今朝はなんだか違う。

それは他人の家で目覚めたからかもしれないし、寝る前にビールを飲んだからかもしれない。

他人の家のカーテンを開けると、まぶしく暖かい陽の光が差し込んでくる。早稲田の光だ。夏目漱石もこ

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