見出し画像

大学院一年目の読書録 その6「リスクマネジメント基礎講座」

リスクマネジメント学ぶ人、必見。
SNSの炎上リスクなど、自分の業務と近しいところはもちろん経験もあり知識としても持っていますが、正直、こんな広範囲にリスクマネジメントについて体系立てて学んだことのなかった。一番馴染みのなかった領域。勉強になりました。
基本的な内容が網羅されていますので、最初の一冊にかなりおすすめ。傍らに置いておくバイブルのような基本書です。これで練習問題がもっと充実していたら、リスク検定受けてみようか、とまで思えたんだけどな。
(ということは、今は受けようとまでは至っていないのですが。もしかしたら。いずれ。時間ができたら。考えるかも。。。)

以下、自分が振り返るときに便利なように、目次は全部引用しておきたいと思います。

一般社団法人リスクマネジメント協会『リスクマネジメント 基礎講座』

目次
第1章 リスクマネジメントの必要性
愛2章 リスクマネジメントの基本
第3章 組織内部のリスク
第4章 組織外部のリスク
第5章 法規制のリスク
第6章 組織・経営視点のリスク

そもそも、「リスクマネジメント」の定義は?
経済産業省発行「事業リスクマネジメント」より
 http://risk-soken.com/wp-content/uploads/2017/06/19254be51c5641f7c67f34a01a67bb9c.pdf

「リスク」とは
組織の収益や損失に影響を与える不確実性
「リスクマネジメント」とは
収益の源泉としてリスクを捉え、リスクのマイナスの影響を抑えつつ、リターンの最大化を追求する活動

だそうです。ここで紹介した上記経済産業省のPDF資料も、リスクマネジメントを学ぶテキストとしておすすめ。このnoteを書きながら知ったのですが、こちらも勉強になりました。興味がある方、ぜひ覗いてみてください。

余談ですが、院で「リスクマネジメント」講義も受講しています。これが想定以上に面白い。もちろん先生の博識なところも興味深いのですが、何しろ取り上げられる事案が「リスク」。事件事故不祥事ですからね。まるで新聞の三面記事を読むような、週刊誌を読むような興味で事例研究できるところが面白く感じるのだと思います。私を含めて、人間ってやっぱり俗物。こういう話題は大好物です。


第1章 リスクマネジメントの必要性

章の中で、少し覚書として残しておきたいことを箇条書きで

ヒヤリ・ハットの法則:米国の学者 ハーバード・ウィリアム・ハインリッヒが「大事故が発生する場合、その大事故の前に関連する29の軽症事故が発生しており、300のヒヤリ・ハット事象(事故にはならなかったが、自己へと発展する、または大きなエラーとなる可能性があった事象)が発生している」と発表したもの。有名な大事故発生の1対29対300の法則です。

これは、私のような小売業だと、事故というより、お客さまの苦情・クレームでも同じことが言えますね。忘れないように記載しておきたいと思います。

第2章 リスクマネジメントの基本

リスク=事故・事件その他事象により損失を及ぼす可能性、または状態

リスクの定義は、ふむふむその通り。ですが、リスクマネジメントをはじめて体系的に取り入れようとした時に、経営者や幹部に認識させなきゃね、と自分が重要視しているのは、以下の5点。

1.リスクは必ず顕在化する(IFではなくWHENである)
2.リスクは100%管理(防止)できない(100%管理することを目的としない)
3.認識したリスクを全て管理することではない(全て管理することが目的ではない)

リスクマネジメントに熱心な企業ほど、上記の2と3を頭に入れておかないと、ドツボに陥りがち。全部備えようと思ったら、どこまで費用をかけても人時をかけてもキリがない。個人の保険と同じですね。
経営とのバランスと、その想定される影響度の大きいものを評価し、優先的に取り組むことが重要ということ。発生頻度や顕在化した時の影響度などをもとに、リスクをマップやマトリックスで整理する方法が整理されています。

4.リスクの認識

リスクマネジメントの実践で一番重要な工程。まずはリスクの洗い出しをしてリスクを見える化、リストアップし、「認識」することが最も重要。

5.リスクマネジメントはシステムで管理する

組織としてリスク管理ができるかどうかは、諸問題が発生しないように、また発生してもすぐに発見できるように、そして発見できたらすぐに対応できるように。体制整備やマニュアル設置、内部監査など仕組みがどう作れるか、ということです。

第3章

第3章以下は、それぞれ「リスク」と言われているものを体系的に整理。

・最近注目?のセクハラやパワハラ、クレーマーなどの顧客軸など、組織内部のリスク。
・風評リスクや新型コロナウイルスのような感染症、自然災害など組織外部のリスク。
・業務上自分にも大変身近な景品表示法や個人情報保護法など法規制のリスク。
・組織の体制や社内コミュニケーションなど、組織・経営視点のリスク。

以上、読めば読むほど、あああ、リスクって本当にさまざま、そしてこんなにあらゆるところにリスクって潜んでいるとドキドキします。
企業や組織でリスクマネジメントに取り組む際、忘れてはならない事項が漏れがないよう、網羅的に整理、紹介されていて、とても実践的な本。リスクマネジメントを進める上で、基本に戻ろうと思ったときに、立ち戻る先として、常に手元に置いておきたいと思います。

参考:第三者委員会ドットコム

第三者委員会は、会計不祥事や法務・労務問題等の発生により、企業が自主的に設置するもの。先生に教えていただいたのですが、上場企業の第三者委員会がまとめられているとても便利なサイトです。

リスクマネジメントに失敗すると、こういうことが起こるのね、ということを身にしみて勉強できる貴重なサイト。これを読むと、より一層、リスクマネジメントの重要性がわかると思うので、一度眼を通すと良いと思います。

後記:公開後に、Canvaで作ったタイトル画像に誤植を見つけ、修正するつもりが、思わず✖️マークをぽちっ。。。


あああ、画像が・・・

ということで、タイトル画像を新たに入れ直して再出発です!(そんな大袈裟なものじゃないけど)



















この記事が参加している募集

読書感想文

自らの第二の人生のために、そしてそれを広く恩返しできるよう、生涯学び続けたいと思っています。よろしければサポートお願いします。