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フリーダ・カーロの日記から

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フリーダ・カーロの日記ー新たなまなざし

フリーダ・カーロの日記ー新たなまなざし

メキシコを代表する画家フリーダ・カーロが、自ら描き綴った絵日記。待望の日本語版(カラー)刊行です。解説は堀尾眞紀子先生。

度重なる手術、流産、離婚、復縁…精神を保つために絵を描き、ディエゴを愛し傷つき、間違いを繰り返し、それでもディエゴでないとダメだと気づく。彼との関係性を探り、母となり、同志、分身となりながら模索する軌跡。

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絵画作品の下絵、フリーダのスローガン、二人のフリーダの由来(フリーダ・カーロの日記#19)

絵画作品の下絵、フリーダのスローガン、二人のフリーダの由来(フリーダ・カーロの日記#19)

1949年の絵画 『宇宙、大地(メキシコ)、ディエゴ、私、セニョール・ショロトルの愛の抱擁』 を制作する前の1947年、フリーダは下絵として日記に大まかな構図を描いています。太陽と月(アステカ神話の陰と陽)に二元化された宇宙神が大地(メキシコ)の女神を抱擁し、大地の女神はフリーダを、フリーダはディエゴを抱擁するという構図はほぼ同じですが、絵画に見られる詳細に描きこまれた木や根、ディエゴの額の第三の

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右足の痛み、インクの染みから(フリーダ・カーロの日記#17)

右足の痛み、インクの染みから(フリーダ・カーロの日記#17)

右足の痛み
1940 年後半から 1950 年の始まりにかけて、フリーダは右足の血行不良による痛みに悩まされ、1953 年にはとうとう壊疽で右足を切断するに至りました。日記の後半には足と翼をモチーフにした絵が多くなっていきます。

107ページの走る動物たちのインクの染みは、次のページで、北極のペンギンと足跡に変わっています。ペンギンと一緒に描かれた裸足は、氷による凍てつくような痛みを表現している

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フリーダのペンネーム、そして隠語(フリーダ・カーロの日記#16)

フリーダのペンネーム、そして隠語(フリーダ・カーロの日記#16)

フリーダのペンネーム
フリーダの日記には、署名や隠語など謎めいた言葉や数字が使われています。たとえばサダハ(Sadja)。フリーダが手紙や絵画によく使用した署名ですが、これはロシア語で「ヤマウズラ」、「親愛」を意味するのだそうです。ヤマウズラは、フリーダが親しんでいたイソップ物語の中で常に他の動物に追われる狩りの対象で、孤独で理解されない可哀想な動物のシンボルでした。そこに自身を投影したのでしょう

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「三文オペラ」の劇中歌の一節(フリーダ・カーロの日記#7)

「三文オペラ」の劇中歌の一節(フリーダ・カーロの日記#7)

Stamp from the former East Germany depicting Brecht
and a scene from his Life of Galileo

フリーダ・カーロは、日記の中で、ドイツ人劇作家ベルトルト・ブレヒトの戯曲『三文オペラ』にある劇中歌「マック・ザ・ナイフ」の歌詞の一部を、ドイツ語で書き写しています。

『三文オペラ(原題:Die Dreigrosche

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