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吃音と少しだけお付き合いをしていた頃。

言語聴覚士への学習を進める上で必ず学ぶ、吃音。

知識としてなるほどな〜と思うとともに、
以前、適応障害と診断される少し前から、自身にも少しだけ吃音が出ていた経験を思い出しました。

吃音には2種類

吃音には、
発達性吃音獲得性吃音の2種類があります。

発達性吃音は幼児期に明確な原因が特定されずに発症するものだそうで、吃音のうち約9割を閉めるのがこちらの発達性吃音。
「吃音」といえば大抵こちらのことを指すそうです。

獲得性吃音はさらに神経原性吃音、心因性吃音に分かれ、
脳の疾病や精神的、心理的な問題により発症するそうです。

診断がついた訳では無いので正直はっきりとは言い難いのですが、自身の自覚があったものは後者のうち、獲得性心因吃音。
要するに、ストレスが原因のものです。

当時の心境

その当時、「吃音」がどういうものかは何となくしか分かっておらず、自分の話し方に物凄く違和感があるという認識でした。

あれ、なんだかリズムが違うぞ?みたいな。

そのため、精神科の先生に症状をお伝えする際にも特にこれについて話すということもなく、従って診断もついていません。恐らく後述する話し方へのマインドも影響していたと思います。

出ていた症状は?

吃音の中核症状には、3種類あります。
連発伸発難発です。

連発は語音の繰り返し ex.「わ、わ、わたしは」
伸発は語音の引き伸ばし ex.「わーーーたし」
難発は語音の詰まり ex.「……わたし」

このうち、私は連発が特によく出ていました。
職場で上司や同期たちと話をしたいのに、

「あ、あ、あ、あの件ですが……」

のように話し出すタイミングがうまく合わないのです。
話し出したらスルスルと話せていた気がするのですが、とにかく話し始めやちょっと間を空けてまた話し出すとどうしても上手くいかなくて。

それまでは変わらず話せていた反動かわかりませんが凄くすごく恥ずかしくなったのを覚えています。
こう話したいのに話せない、というもどかしさも感じていました。

出始めとかはまったく気づいてなかったんですけど、自覚しだしてからは急速に自分の話し方が気になりだしたりして。

話してる時も頭の中で
「いやいや、ちがうんです今のは!!!」
って言いたくなるんですよね笑
話し終わってからも上手く話せない事実にさらに落ち込むという……

自分の中で考えが変わってきた

正直、話したくなくなる1歩手前くらいまで行きましたが、上司や同期たちも普通に話をしてくれていたおかげで、

「 なんでもないような顔をしていれば、もしかして別に気にならないのでは?内容はおかしくないから普通に接してくれているのだろうし」

と思えて、吃音が出ても

「あーいまちょっと不思議になっちゃったな」

くらいで捉えられるようになり、しだいに吃音の頻度も低くなっていきました。
なんというか、少し自信を持って話せるようになりました。


しかし、実はちょうどこの辺り……
精神的には結構落ち込んでいた時期でして、
なんとか周囲にバレないよう自分を保っていようと、密かに足掻いていた時期でもありました。

私の場合適応障害の時って客観視(離人感というのでしょうか)がとにかく凄くて、
端的に言うと、
「病んでいく人間の実況中継」
をしているみたいな感覚で笑
加えて眠れない起きられないのも酷くて、毎日へろへろでした。

そのため気分の浮き沈みも激しく、今思い返してもあの時期は頑張ってたなあとしみじみ。笑
やるじゃん。

考えていたこと

さてさて。
吃音が出ていると言っても、話すのが上手くいかなくなるだけで、
考えてること、話してる内容は普段と変わらないんですよ。

何も頭の中で、
『そうだ!「あ、あ、あ」って最初に付けてみよ!飾り付け的な!』
とかは1ミリも思ってないんです笑 ましてや日常生活上で。

だから、話し方とかを指摘されちゃうと、
というか自分で意識している時点ですでに、

「言わないようにしないと!」とか
「変なとこないかな、また急にそういうの言っちゃってからかわれないかな」とか
「ふざけて真似されたら本気で凹むぞこれ……(”まだ”されてないけど)」とか
“内容以外”に想像がいってしまって、

「話さなくてもいいかな……いやまあよくよく考えると内容も対したことないしな……ウン……(卑屈)」
みたいになっちゃうんです。

だからこそ、周囲の環境って大事だなと。
上司や同期たちも、私の話し方に普段との違和感を感じていたのかもしれませんが、
そうしたことを口には出さず、しっかりと内容を聴いてくれていました。

「ちゃんと受け止めてくれる」という経験は、
とってもとっても、心強いものです。

そういう接し方をしてくれたからこそ、
「自分はこれでもいいんだ」と自身を肯定できるように、話せるようになれた気がします。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

自分が臨床に出たならば……

重症度的にも期間的にも今現在深く悩んでおられる方には及びもしませんが(悩みの深さや色合いが人それぞれなのは前提として)、
それでもこうした経験があるからこそ、

「まずはその方自身を、話を受け止める」

ということを念頭に置いて、ひたむきに接していこうと思います。
とまあ、こうして書いてみるとなんつー当たり前のことを…と思わなくもないのですが、加えて、リハの時間を最大限使ってその方の人となりを知りつつ、笑顔で楽しくコミュニケーション(願わくばその方なりの理想の話し方で)を楽しめたら素敵だなあという期待をしてみたり。

もっと人とのコミュニケーションを心置きなく楽しめるような、
自由に想いを伝えられるようになるお手伝いを僅かでもさせていただけたらなと。

そのためにも、勉強しっかり頑張ります!!💪🔥

以上、臨床に出た際の心構えとして、備忘録として、書き残しておきます。

存外長いお話になってしまいましたが、
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
今日も素敵な一日になりますように☆。.:*・゜


吃音について参考になるなあと思う本も以下に載せておきますね!
このシリーズまじで分かりやすいです!!

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