シェア
OTA YUKI
2020年11月15日 20:21
その日、外出先から戻って郵便受けを開けると、珍しく、1枚の不在票が入っていた。役所から送られてきていた書留郵便。紙には、私の名とそれを届けようとした日時、トラッキングナンバーと送り主しか書かれていない。早速、インターネットであたってみる。これが出来るようになっただけ、随分マシになったイタリアである。イタリアの郵便事情は、本当に悪い。調べてみると、2回までお届けのチャンスがあり、その後、郵
2020年11月1日 01:10
「チッ」信号のある交差点で、「赤」なのに渡り始める私に、イタリア人のおばあちゃんが、舌打ちをした。「えへ」と、はにかみながら、おばあちゃんを見る。どんな風に自分の事を棚に上げたとしても、法的にいうと、おばあちゃんは、100%、正しい。イタリアに来たばかりの頃、信号無視して渡るイタリア人に、「ちょっと…」と、私も思ってた。信号が「普通」に機能しているのは、日本では当たり前の事だし、
2020年10月20日 01:08
2年前の今頃、ピティリアーノという町を訪れた。トスカーナ州の南の、凝灰岩の上にそびえたつ、小さな町だ。オリーブオイルの試飲会がある…という事で、フィレンツェから、わざわざ、車を走らせてやってきたのだった。会場に着いたものの、お昼時という事もあってか、殆どが、席を空けていた。お客さんが来るとか関係なく平気で居なくなるところ、なんとも田舎らしい感じがする。人の居ないブースには、試食用のパンにオ
2020年10月14日 19:12
「こんにちは。YUKIです。」初めての人と会う時、大概、こんな感じで挨拶をする。分かりやすい名前だからか、「あなた、ニホンジン?」と聞かれる事もあるし、「どちらのご出身?」なんて聞かれる事もある。私が日本人であることが分かると、急に笑顔になるのだけれど、その変わりように、なんだか嬉しいような、くすぐったいような、こそばゆい気持ちになったりする。それだけ、イタリア人にとっては、「日本人」に