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2児のママ、ガンと告知され「終り」と向き合う~人生100年時代に日々を輝かせるには ♯122

3週間前、ガンの可能性ありと言われ、数日前に告知を受けた。
この間、人生100年時代=私も100歳まで生きられる
というような認識は幻想だったことに気づく。

数年前、会社員時代にお世話になった先輩4人が、立て続けに40代の若さで亡くなるということがあった。
なんで、こんな若さで・・・
と茫然としたが、当時の私は「自分は健康に生き続けられるものだ」と信じ込んでおり、自分の死は遠いところに感じていた。というか、ガンだと言われるまではそうだった。

20代の頃、鉄道事故で突然愛するご家族を亡くされたご遺族の方たちのお話を直接聞かせていただく機会があった。多くの手記も拝読した。また30代の頃は、内戦、戦争が続く国々から避難してきた友人と仲良くなった。
その都度、「死は隣合わせなんだ」と感じていた。
しかし、単に、今まで、病気にならず、事故、事件に巻き込まれることなく、そして住んでいる国が戦争に突き進むがなかったことが幸運なだけだったのに、それが「あたりまえ」だと思って、「死」を自分事として向き合ってこなかった。

そもそも
「死ぬ」なんて、縁起の悪いこと口にするんじゃない
「死」を考えるなんて病んでいる人
と見なされることも多いからだろうか。
医療が発達した今、日常のなかで「死」はずいぶん遠いものののように感じる。

現在、ガン告知を受けたが、意外と精神は安定している。
ただ、転移、再発のリスクを踏まえ、今後もこの病気と付き合っていかなければならないなかで、最近、毎晩のように、死や病気に苦しむ夢を見る。夜中に目が覚める。起きているうちは、平常心を保っていても、潜在的には、恐れているのだろう。
それは、自分の人生が終わることに、向き合い切れていないからなのかもしれない。

今、コテンラジオの「老いと死の歴史」をもう一度聴きなおしている。
「死」とは誰しもが経験したことがないからこそ、死に対する認知は様々なのだとわかる。

今の自分は「死」=「恐怖」といったインストールであるが、「死」に対する恐怖心を拭い取ろうとすると、どう変わるのか。

命は有限である。
例えば、大学時代の4年間、そしてイギリス駐在帯同中の2年間、事あるごとに「終わり」を意識し、日々の有難さを噛みしめながら過ごしていた。
大学の卒業式、友達と切磋琢磨しながら自分の可能性を広げてきたこと、友達とぶつかって、絆を深めて過ごした、愛おしい日々への感謝で涙が止まらなかった。
イギリスでも、同じく、毎日、人と関わる中で、他の国、地域の文化に触れる経験がたまらなく楽しかった。また家族にとってかけがえのない思い出をつくれたことが嬉しくまた涙がとまらなかった。
こんなに楽しく、終わってほしくなかった大学時代、イギリス時代だったが、留年した先輩曰く「皆が卒業してしまうと、つまらない」と口にし、駐在が長い友人も「もう帰りたい」と口にしていた。確かに、私も会社員時代、仕事が辛かった時期、この先3、40年も、この環境に居続けるのか・・・と考えると、気持ちが暗くなったことも正直ある。

終わりを意識するからこそ、日々を輝かせることができる。
と思うと、40歳、自らの「死」と向き合う機会を持ったことは、悪いことばかりではない。

ただし、「死」は自分ひとりの問題ではない。
幸い、大好きだった祖父母が亡くなった際、どちらも「余命わずか」と言われてから、自分の覚悟が決まるまで、十分な月日を与えてもらった。毎日お見舞いに行き、「ありがとう」を伝え、最期を迎えられた。
万一、万が一、私が死ぬことになったら、残された子供達(小3、年中)はそれを受け入れられるのだろうか。私だって、まだまだ親に甘えたい子供たちの基地になっていたいし、自立に向けて少しずつ自分の人生を主体的に考え出した息子を見ていると、子どもたちが独り立ちするまで、まだまだ子供たちの傍にいて、話を聴いて、応援したいと思う。
親も、高齢だが幸い存命。特に父親は私がガンと知って、気が休まらないらしい。母も昔「親より先に亡くなったらあかん」と言っていた。

だからこそ、せめてあと10年、15年は生きさせてほしい。
周りの覚悟がままならないまま、急死することは避けたい。
ただ、多くの場合、「死」は自分のコントロールできる範囲外にあるからこそ、いつ自分の生涯を終えてもいいように、日々を送るのだ。
大学時代もイギリス時代も、終わりを意識していたからこそ、毎日が濃密だった。その時にしかできないことを選び、実行し、そこにエネルギーを注いでいた。だから最後の日は、涙が溢れたけど、確固たる充実感が胸にあった。

手術も治療も怖い。でも、生きるために頑張ろう。
そしていつ生涯を終えてもいいように、1日1日を大切に過ごそう。

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これから、がんばります。


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