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ロジカルアートフットボール

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フットボールをロジカルに、かつアート的な視点で考えるマガジン。
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記事一覧

状況と目的によって、「方法」が規定される

状況と目的によって、「方法」が規定される

方法は状況と目的によって変化させられることが大切で、逆説的にいえばその状況と目的に応じて変化させられるだけの「方法の数」をもっていることが必要になります。

そして、方法=手段に置き換えられるので、ここから先は「手段」という言葉を用いて話をしていきたいと思います。

この原理をサッカーというフィールドで起きている場面に置き換えて考えていくにあたって、まずはサッカーのボールを持っている時の基本スキル

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未来の社会とサッカーに不可欠な「暗黙知と愛」

未来の社会とサッカーに不可欠な「暗黙知と愛」

(2018年3月8日)

暗黙知という言葉があります。

経験や勘に基づく知識のことで、「これを個人は言葉にできない状態で持っている」と一般的には定義されている。個人の技術やノウハウ、ものの見方や洞察がこれに当てはまります。

この概念は、もともとハンガリーの科学哲学者であるマイケル・ポラニーが提唱しました。彼によれば、人は常に言葉にできることよりも多くを知ることができ、言葉で表現できる部分と、言

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型とルール(規律)と自由

型とルール(規律)と自由

自分の中でいくつかのルールを作り、それを反復する。

ルールを作って反復して、身体に叩き込む(無意識にできるまで続ける)。

なぜこれをするかというと、ルールを決めと「型」ができて、一連の動作を自動化できるからです。

この型という「思考停止状態」で、いかにバランスを取るか。

思考という意識的なアプローチではなく、無思考という無意識的なアプローチで、あえて”そうなっている状態”を作

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サッカーボールは通信手段

サッカーボールは通信手段

人間の身体=物質

時間と空間が存在する世界では、物質を作るのは思想・言語です。ボール=物質=素粒子と例えることができます。

なので、サッカーはボールという物質を介して通信をするスポーツと言えると思います。


一つのパス、その他動作にはその人のその時の意識(思考)が込められている

ボールを出す側もそうですが、ボールを受け取る側の受信力・感度・無意識のレベルによって、その動作に込められた思考

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意識頻度理論を利用した、変化の作り方

意識頻度理論を利用した、変化の作り方

昨年10月末にシーズンが終わってから3ヶ月半が経過し、3月上旬のプレシーズンスタートまで残り1ヶ月となりました。

今回で2回目となる4ヶ月のオフシーズン。昨年のこの時期はオーストラリアリーグへ3ヶ月間ローン移籍をしていたのでサッカーでフル稼働でしたが、今年はちょっと疲れてしまったので(笑)、いくつかあったオーストラリアリーグからのオファーを断って、フリーで過ごすことにしました。

というのも、い

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「自由」の意味を理解すれば、サッカーに戦術は不必要になる

「自由」の意味を理解すれば、サッカーに戦術は不必要になる

前回の記事 で「認知力と処理能力」について執筆させていただきましたが、今回もそれにつながる内容で、「自由」をテーマに掘り下げてみたいと思います。

個人のパターンが構築される過程には、「個人」という枠の中に「規律」と「制限」が存在します。この規律と制限を設定することで、ある一定の「基準」が明確になり、この基準値を満たしたスキル習得がパターン構築の基盤となります。

その「枠」がポジションごとに設定

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世界レベルのサッカーに必要な「認知力と処理能力」

世界レベルのサッカーに必要な「認知力と処理能力」

(2018/5/8)

前回の記事 で「オフ・ザ・ボール」の動きにおける認知・情報処理をテーマに書かせていただきました。今回も引き続きこれに関するテーマで書きたいと思います。

その理由は、「オフ・ザ・ボール」について考察し、その重要性や価値に気付いて評価できる指導者や、(認知・情報処理の)質の高い「オフ・ザ・ボール」の動きをできる選手が、世界的にみても女子サッカー界にはあまり多くないと感じるから

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異能でない人にとっては 「アベレージの高い普通」力が成功の鍵

異能でない人にとっては 「アベレージの高い普通」力が成功の鍵

(2018年4月3日)

味方のファーストタッチの位置を見て、その選手のスキルを考慮しながらどんなセカンドタッチのオプションがあるかを想定して、自分のアクションを決めるーーー

さらにそこに敵の力量も含めて考慮し、その瞬間に何が自分のチームにとって最適な選択なのかを導き出す。自分がその選手からボールを受けるのか、あるいは他の選手に出させて次のプレーでボールを受けるのか、それともーーー。

フィール

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