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【理念で売るコーヒー #6】 #600円の覚悟。一杯に込められた10の物語。 〜デジタル起点のD2Cが実店舗を持つ意味〜

2021年10月10日。秋晴れの心地よい日にBIKAS COFFEEの実店舗がオープンいたしました。

実店舗を持つことは想像も想定もしていなかった2年前。オープンしてこれだけの人がお祝いに駆けつけてくれたこと。地元の方の暖かい応援に支えられて日々営業できていること。今までやってきたことは間違ってなかったんだなーと改めてみなさまから幸せと活力をもらえる日々です。いつも応援ありがとうございます。

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秋も深まりあっという間に、実店舗を構えてから1ヶ月が経ちました。

店頭で取り扱う商品は「BIKAS COFFEE」1点のみ。
一杯600円という価格で僕らはBIKAS COFFEEを提供しています。

その真意と僕らが届けたい価値はなんなのか。
実店舗が持つ意味はなんなのか。

今日はこの問いに答えるべく、気づいたことを記していきます。
BIKAS COFFEE片手に是非読んでみてください!

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届けたいのはコーヒーではなく『BIKAS COFFEE』。味や香りではなく、届ける意味で選んでもらう。

実店舗を構えてから様々な人にBIKAS COFFEEを説明する機会をいただきました。通りすがりのお客さんから近くに住む方、近くでお仕事をされている方まで。ある意味以前まではSNSで繋がってある程度興味関心が近い人とのコミュニケーションが多かったのですが、見ず知らずの人に説明する際に気をつけていることは【味を気に入ってもらうのではなく、届ける理由や世界観を好きになってもらう】ことです。

もうBIKAS COFFEEが好きな人にとっては、この考え方は基本中の基本ですが、そうは言ってもはじめましての人にこの価値観を気に入ってもらうことはたやすくありません。

BIKAS COFFEEをハンドドリップで淹れる時間はせいぜい3~5分。その中で何を伝えてどう好きになってもらう(支持を得る)のか。そこに意識を向けています。

もちろん、味や香りはコーヒーにとっては第一印象です。とっかかりとしては話しやすく、目に見えて評価されやすいトピックでしょう。

ですが味を好きになった人は、味が変われば離れます。

味や香りは変数が多いのです。豆が新しくなれば、焙煎が変われば、レシピが変われば、バリスタが変われば、その日の天気やその人の心模様によって感じ取り方は様々。

ですが、届ける理由は不変です。変わりやすい味を気に入ってもらうより、届ける理由やストーリーを気に入ってもらうことこそ、変わらず選ばれる理由になり、他より100円高くても何度も選ぶという購入態度になります。それを応援購入と言います。

しかしBIKAS COFFEEを飲むことは支持を表明するものだけではなく、応援する・される(消費する・される)という利害関係を越えて、その一杯に【飲む人自身の物語】も含まれているということです。

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カフェでもなく、コーヒースタンドでもない。「WHY」の中に価値を見出す。一杯に込められた10の物語を体感できるコンセプトショップ。

Story of BIKAS COFFEE
一杯に込められた10の物語

これは実店舗のコンセプトです。

1|コーヒーのコト
2|ネパールのコト
3|アグロフォレストリーのコト
4|植樹のコト
5|一杯の演出のコト
6|実店舗のコト
7|GLOBALACTIONのコト
8|コミュニティのコト
9|メンバーシップのコト
10|理念で売るコーヒーのコト

この10の物語がそろってはじめて『BIKAS COFFEE』になります。

ネパールのコーヒー、浅煎りのコーヒー、環境に良いコーヒー。
これらはあくまでも一要素。
価値ではなく、ただの機能です。

なぜネパールのコーヒーなのか?
なぜ浅煎りで届けているのか?
なぜ植樹をするのか?

僕たちはその「WHY」の中に価値を見出しています。

この10の物語にはBIKAS COFFEEのナゼナニが存分に詰まっています。10の物語と一緒に飲むBIKAS COFFEEはきっと様々な味わいに気づかせてくれると思います。

まさに僕らの実店舗はBIKAS COFFEEのストーリー(価値観・世界観)を理解しながら、コーヒーを飲む瞬間をつくるため、一杯の演出をつくりつなげてゆく場所です。

実店舗にきた際は、壁にかけられた写真と物語を読みながら是非BIKAS COFFEEを味わってみてください!

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デジタル起点の発想。実店舗は「リアルツール」。ECの販促を目的とした広告宣伝の場所。

デジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されている中で、Eコーマスの市場が伸び、今や誰でも簡単に「お店」を構えることができる世の中になりました。

そんな中で、ECからリアル店舗を構えてうまくリアルとデジタルを併用しているD2Cブランドも少なくありません。僕たちもようやくそのスタートラインに立てました。

ですが、元々国内で店舗を構える予定はなかった僕たち。たまたま今回の事業パートナーでもあるNo.10のお声がけもあり、予期せず実店舗を構える運びとなりました。本当にご縁ってすごいですよね。新卒時代のクライアントが今はパートナーとしてタッグを組むなんて誰が予想できたのか。ふと我に帰ると、今でも不思議な気持ちです。と同時に発展途上もまだまだなチームを信頼して対等に迎え入れてくれたことへの感謝の気持ちでいっぱいです。

契約を交わしたのが確かゴールデンウィーク直前だったかと思います。二つ返事でタッグを組むことが決まってからその歩みはとても早く、実感を持てないままあれよあれよとオープンを迎えることになりました。

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当時、店舗を構えるにあたってDREAM-Hackの組織内でも賛否ありました。

「店舗運営は頭打ちがあるから厳しい」
「初期費用もそうだが、ランニングコストも高い」
「拘束される時間が増えることでリソースの確保が難航する」

など理由は様々、うちの副代表とかなり揉めたことを今でも覚えています。

当時はリスクも最小限で始められることから、楽観的なロジックと考えでいた自分が甘かったことを最近は痛感することもあります。確かに「店舗運営」ってそこまで甘くないなと。

しかし準備段階からここまで、何度も言い聞かせてきたのは実店舗は「店舗運営」として考えるのではなく「広告宣伝」として考えようと。

あくまでも僕たちはデジタル起点です。デジタルで売れないからリアルに販路を広げたわけではなく、デジタルで売るためにリアルツールを通してファンを拡大させていこうという考え方ですね。

再三お伝えしているように、僕たちの実店舗はBIKAS COFFEEのストーリー(価値観・世界観)を理解しながら、コーヒーを飲む瞬間をつくるため、一杯の演出をつくりつなげてゆく場所です。ある種「工場見学」のような感じといえば伝わりやすいでしょうか?

デジタルと違ってリアルは密にコミュニケーションの取れる貴重な接点なので、より高い体験価値や感情価値を求められます。実店舗ではBIKAS COFFEEの経済社会と世界観にファンをオンボードさせる場所として、ヒトとヒトの関わりをつくる場所として考えています。

それでは広告宣伝と考えたときに、店舗にかかるコストをデジタル広告など他に回した方が効率的なのでは?という声も上がってきそうですが、ここで改めて僕たちのバリューチェーンを公開いたします。

バリューチェーン

僕たちはビジョンを実現するために、事業活動におけるすべての活動を「価値の連鎖」として捉える「バリューチェーン」を導入しています。これによって僕たちがどこで付加価値を生み出しているのか、対内的・対外的にも見える化させることでビジョンの実現・価値の浸透を図ろうという考え方です。

まさにこれと照らし合わせたときに、僕たちの実店舗がどうゆう役割を果たしているのか明白になってきます。

そして店舗を構えても大切にしたいのは近隣住民ではなく、理念に共感し足を運んでくれるファンであるということはやっぱり変わりません。何よりもその施策は自分たちのありたい姿が反映されたものか、ファンが喜ぶものであるかを1番大事にしていきたいなとこの記事を書きながら改めて決意を固めるのでした。

ドリンクチケットは経済社会の象徴。コーヒーが通貨になるまで。

最後に実店舗限定で採用しているドリンクチケット制度についてです。

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オンラインストアのみでお買い求めいただけるドリンクチケット。
1枚買うと500円。
5枚買うと1杯あたり450円。
10枚買うと1杯あたり400円。
と買えば買うほどお得なチケットなのですが、さらにメンバーシップ制度を駆使してクーポンを利用するとゴールド会員は360円/杯で飲むことができ、いよいよその辺のカフェで出しているコーヒーと変わらない価格になっていきます。

賢い選択ができる人は早くもこのドリンクチケットを駆使して、実店舗でBIKAS COFFEEを楽しんでいただいているのですが、使い方は様々。

職場で配る人
友達に奢る人
近くに住む親戚にプレゼントする人
500円相当の返金に活用する人

早くもドリンクチケットが世の中に出回り、交換が起きているのです。この交換は僕たちのミッションでもある、「GLOBALACTIONの関係人口を増やす」ことにも直結しています。そして、まさにこれは「信用」の交換であり、BIKAS COFFEEが通貨として交換される日もそう遠くはないと確信しています。そうなった時、僕らのビジョンである「すべてのヒトが社会に貢献できる経済社会」をつくる上でこのコーヒーが重要な役割を果たしてくれると考えています。

この辺りの構想はもう少ししてから話すとして。。。

10月だけの結果をお話しすると、、
279枚のドリンクチケットが発行されました。

この価値を理解し、ドリンクチケットを持って「BIKAS COFFEEください!!!」と店舗へ足を運ぶことがスタンダードになるミライを想像しながら日々奮闘していきます。

まだ店舗へ足を運んだことがない人も
いつも店舗へ足を運んでいただける人も
僕たちは今日も江戸川橋で皆さまのご来店をお待ちしております。
ここでしか味わえないBIKAS COFFEEをお届けすることを約束いたします。

2021.11.7
BIKAS COFFEE
ブランドマネージャー
菅勇輝

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まもなくブランドローンチから2年。まだBIKAS COFFEEの冒険は始まったばかりです。理念に向かって突き進んできた僕らだからこそ紡げる物語がここにはあります。これからも理念に共感する仲間を増やし、関わるヒトを幸せにできる息の長いブランドを目指していきます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。




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