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瀉血。血を抜く作業。男性ホルモン投与の副作用を教えます。

今日は、2ヶ月に一度の血液内科受診日。

今回は、血液検査の結果が悪く瀉血になった。

瀉血とは、血を抜くこと。

一回で400ml を抜く。

多血症といって、男性ホルモン投与によっての副作用で血が濃くなる。血液ドロドロといったらわかりやすいだろうか?

ほかっておくと、脳梗塞などのリスクがあるということで、できる処置として血を抜くことになる。

瀉血は、
普通の注射より、針が太い。
先生の処置なので、待ち時間が長い。
瀉血となると、プラス1時間はかかる。
瀉血の後は、運動が出来ないなどの制限があるので後の予定が入れられない。
などのリスクがある。

ホルモン治療で実際に起きたリスク

これが僕の男性ホルモンの投与による副作用の中の1番やっかいなものである。

これによって、男性ホルモンも必要最低限しか投与出来ない状況が続いている。
僕の場合、特に男性ホルモンによる、男性化を求めているわけではないので、こんな副作用があるのなら、いっそ「男性ホルモン投与をやめる」という選択も考えたが、子宮、卵巣を摘出している為、最低限はホルモン治療をしないといけないとのことだった。

ホルモンという形のないものに、これだけ苦しめられるとは、思ってもみなかった。

もちろん個人差があり、同じ状況のFT Mの子でも、副作用もなく、元気ハツラツ過ごしている子は沢山いる。

瀉血を待つ間、処置している間、
自分が選んできたこれまでの道を考える。自分の知識のなさは否めないなと後悔している部分も多い。

だからこそ、自分の体験を伝えることで同じ状況の人が、僕と同じ思いや体験をすることがなければと願う。

「人任せ」にしていた自分の身体


性別を変えるということは、無理があること。自然の流れに逆らうことであり、そこにリスクはつきものである。

ただ、そのリスクについてきちんと知っていることが大切。いくら専門のジェンダークリニックに通っていても、「先生」は神様ではない。

僕が現在治療を受けている名古屋大学付属病院の主治医の先生が教えてくれた。

「先生」も神様ではない。自分の健康という大事なことは人任せではいけない。自分の意見、努力も必要だと。

僕は開設されたばかりの大阪医大のジェンダークリニックへ通い、その後の治療も名の知れた病院での「国内治療」にこだわってきたつもりでいた。

でも、病院の名前、先生の肩書に甘えて、自分の健康という1番大事なことを人任せにしていた。

先生といっても、僕の身体の全責任を取ってくれるわけではない。
実際に、その病院でダメなら次。またその次。といった感じで、いくつもの病院を経て・・・僕もここ名大病院にたどり着いた。

今は、ネットなどで情報が溢れている便利な時代だけど、
『自分の健康』という何にも変えられない事が関係してくる性同一性障害の治療というテーマは、決して安易に決断してはいけない。

将来の自分が苦しむことになる。

そして男性ホルモンを投与している僕の血液は、献血もできない。誰の役にも立てずにただ捨てられるだけ。

瀉血をしている間。
血を抜く機械に抜かれていく、誰のためにもならない僕の血液を眺めながら、これまでの道のり、これからの自分の生き方を考えていた。


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