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インドにまた来て良かった。2度目の旅の終わり【インド旅行記14】


こんにちは!yukiです。

今回で、
インド旅行記は終わりです。

極寒のラダックをあと少しと、
総括を書いてみます。

雪のラマユルを抜け出し、
ジープに乗っているところから
始まります。

最終回、
お付き合いいただけると嬉しいです!


インダス川沿いの村


白い雪が積もった山道を、
ジープは慎重に下っていきます。

雪道

雪で道が閉ざされることへの危惧から、
ラマユルの集落を飛び出し、
レーに向かっているのです。

曲がりくねる山道を下りきって、
平らになった土地を少し走ると、
雪は視界から消えていきました

なんだ、雪降ってるの、
さっきのエリアだけじゃん!

フッと後悔がよぎります。

もっと、
居心地の良いラマユルにいても
良かったのではないか…

いまレーに戻っても、
特にやりたいことはないのです。


スマホで地図をチェックし、
あることを思いつきました。

ラマユルを早く出た代わりに、
別の村に泊まっていこう

同乗するフランス人の2人と
ドライバーさんに声をかけます。

「あの、レーに帰らないで、
 アルチ村に行こうと思って。
 村に近いところで
 下ろしてもらってもいいですか?」

かくして、
小さなアルチ村の入り口
降ろしてもらいました。

アルチ村


村の入り口には、
小さな商店が1軒。

店番をしている初老の男性に、

「泊まれるところ知りませんか?」

と聞いてみます。

「民泊できるか聞いてあげるよ。」

男性はそう言って携帯を取り出し、
電話をかけてくれました。

「迎えに来てくれるってさ。
 ここでちょっと待ってな。」

「良かった、
 ありがとうございます!」

アルチ村からの眺め

しばらくして、
スラっと細身のおじちゃんが
歩いてきました。

「泊まりたいのは君か!
 着いておいで。」

家には広々とした庭があり、
おじちゃんと、奥さんと、
4歳くらいの息子さんが暮らしています。

民泊の家の息子さん

1室をお借りし、
一息ついたところで、
奥さんが昼食を作ってくれました。

じゃがいもと玉ねぎの炊き込みご飯

少しスパイスが使われていて、
ターメリックやクミンの
良い香りがします。

圧力鍋で炊飯しているので、
まるで日本のご飯。

美味しい!

やっぱりチベットの食べ物は、
口に合うのです。

アルチ村を歩く


アルチ村は、
インダス川沿いに
作られている集落です。

午後は、ちょっと晴れ間が!

インダス川

石を積み上げた塀によって
村の道が作られており、
まるで迷路のよう。

木がやたら多いので、
暖かい時期は
緑がとても美しいのでしょう。


人影はほとんどなくて
怖くなってくるほどですが、

ときどき出会う人は、
フレンドリーに接してくれます。


アルチ村は、
冬季こそ閑散としていますが、
夏季には多くの観光客が訪れます。

その理由は、
アルチ・ゴンパ(僧院)を見るため。

そこでは、
かなり古いチベット美術

見ることができるのです。

チベット本土では、
中国共産党による文化大革命の際、
多くの寺院が破壊されてしまいました。

一方でインド領域内にあるラダックは、
文革の影響を受けませんでした。

そのため、
古いチベット仏教美術が
守られることとなったのです。

アルチ・ゴンパは撮影禁止のため、
写真は撮ることはできませんでしたが、
一言でいうと“圧倒的”でした。

古びて地味な外見からは想像もつきません。

壁に敷き詰められた仏教画、
曼荼羅まんだら、仏像など、
異次元の世界。

強烈な印象が頭に焼き付いたのでした。



世界のどこでも


家に戻ると、
奥さんが部屋に来て、

「寒いでしょ、
 居間でストーブ付けるから
 来るといいわ。」

と言ってくれます。

PCで日記を書いているあいだ、
息子さんは僕のスマホに夢中。笑

宿の

外が暗くなったころ、
夕飯を作ってくれました。

豆のスープであるダルと、
味付けしてない蒸しパンのようなもの。

蒸しパン

これをダルに付けて食べるのですが、
あまりにも美味しすぎて、止まりません。

「あなた、どんだけ食べるのよ笑
 こんなに食べる人見たことないわ!」

「すいません、
 ほんと美味しすぎて」

少し呆れられながらも、
嬉しそうでした。



夜、居間でくつろいでいると、
なんだか家の入り口が
ざわざわしています。

ガタン、とドアが開いて、
お父さんが村の男性と
肩を組んで帰ってきました。

呂律が回っていません笑
どうやら酔っ払ってる様子。

奥さんは困った顔で居間に布団を敷き、
そこにお父さんを寝かせます。

男性はそれを見届けて帰り、
お父さんはグーグー寝はじめました。

まさかこんな辺境の地で、
よくある光景を見ることになろうとは笑

春の足音


翌朝。

チャパティに、バターと
自家製あんずジャムを塗った朝食をいただき、
お礼を言ってお家を後にします。

アルチ村から山道を通って
近くの村に行ってみようとしたのですが…

山道に入って2kmほどで、
行く手が深い雪に阻まれてしまいました。

「こりゃ遭難したら終わりだな」

と判断し、戻ることにします。

やっぱ夏に来た方がよかったか笑


アルチ村の入り口に戻り、
レーに戻るバスの時刻を聞いたところ、
「明日の朝まで来ないよ」とのこと。

うーっ、不便!

仕方なくハイウェイまで3kmほど歩き、
ヒッチハイクをします。

すぐに若い2人の男性の車が
停まってくれました。

「レーに行きたいんですが…!」

「俺たちもレーに向かうところだよ!
 乗ってきな!」

しかし、
車の調子がすこぶる悪いのです。

カーブの度に叫ぶような音を上げたり、
ハンドルが効かなくなったり。

ジェットコースターより、よっぽどコワイ…

何度か停まって、
タイヤの確認をしています。

しかしついに、普通に走っていても
ギャリギャリと激しい音を出し始め、
走れなくなってしまいました。

「もうすぐレーだから、
 ここからはタクシーで帰ってくれ。
 直すのに時間かかりそうだ、悪いね」

「いえ、乗せてくださって
 ありがとうございました!
 無事に直りますように」

トレッキング用に買っていた
ありったけのお菓子をお礼に渡し、
レーに戻ったのでした。

レー全景

ラダックを離れる前日。

泊まっている宿の庭には、
植物の芽が生えてきていました。

ラダックで初めて見た、春の予感

寒かったけれど、
憧れのラダックを旅できて良かった!

いつか、暖かい季節にまた来たいです。

風に揺れるタルチョー


インド旅の終わり


ラダックを離れてムンバイへ飛びます。
氷点下の辺境から、一気に熱帯の大都会へ。


インドの旅も、
いよいよここで終わります。

ムンバイからイランへ飛ぶのです。



初めてインドに来た10代の頃、

「Hello, my friend!」

と道端で声をかけらるたびに、

「いや、友達じゃないし笑」

と思っていました。

しかし、2度目のインドを旅して、
“friend”という言葉を狭く考えていたな、
と思うようになったのです。

個人的な“friend”だけじゃない。

宗教や文化が違おうとも、
人間にとって大切なものは同じ
です。

さまざまな出会いのなかで、
それをひしひしと感じました。

どこへ行こうと、
人類共通の美徳を見つけられる。

表面上の差異を超えたところで、
地球上の私たちは“friend”なのだと、
そう信じ続けたいです。




夜明け前、
インドを出る飛行機に乗り込み、
白みはじめた空を眺めます。

飛行機が空へ駆け上がったとき、
地平線から朝日が昇るところでした。

まぶしい光に照らされていく、
神々しい大地。

ありがとう、インド。
また会う日まで!


インド旅行記 おしまい




最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

海外旅行記シリーズ、
次はイラン編となります。お楽しみに!

それでは、今日も良い1日を!



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