見出し画像

そうなんだ!筋トレ豆知識 筋肉を成長させる5つの要因

恵比寿の完全個室パーソナルジム【KEYFIT】でトレーナーをしている倉田です。筋肉を大きくする要因についてまとめました。
それぞれの要因にアプローチするトレーニング方法も併記していますので参考にしてもらえれば幸いです。

5つの要因とは、次の通りです。
・メカニカルストレス
・科学的ストレス(代謝環境、酸素環境)
・ホルモン・成長因子
・筋繊維の損傷・再生

これらが複雑に影響しあって筋肉が成長していると考えられており、トレーニングのプログラムはこれを念頭に置いて作られます。

メカニカルストレス

一番重要だと考えられているのがこれです。

力学的なストレスを与える(=高強度のトレーニング)事で筋肉が発達するというもので、感覚的にもイメージしやすいと思います。

ただし、高強度のトレーニングが必要と言っても1回や2回の刺激では筋肉は発達しにくいようです。
「1~3回出来る重さを2~3セット」ですと、扱う重量は重くなりますが、力を発揮する時間は短くなり、筋肉が発揮するエネルギーは小さくなってしまいます。
筋トレは「ボリューム」が大切と言われるのはこの為です。

「ボリューム」とは扱った重量の合計と考えるとわかりやすいです。
例えば、100㎏でベンチプレスが1回出来る人が、80㎏で8回を3セット行うと、1920㎏(80x8x3)の重さを合計で持ち上げた事になります。
一方95㎏で2回を3セット行った場合、570㎏(95x2x3)となり、筋肥大には「ボリューム」が足りない。とされています。
また、力を発揮している時間も「ボリューム」に関係していると言われ、前者のようなセットを組んでも、可動域が小さかったりすると効果は薄いです。

フィットネスクラブでも「8~12回出来る重さに設定し、8~12回を休憩をはさんで2~3セット、スピードはゆっくり目に行いましょう。」と言う指導が一般的だと思いますし、これはメニューを作る時のベーシックな形の一つです。

「ボリューム」を高める一つの方法として、フォースドレップ法があります。
ベンチプレスを80㎏x8回x3セットでメニューを組んだとして、最初の1セット目は8回出来たとして、2セット目、3セット目で回数がどうしても落ちてきます。
そこで、補助者の力を借りてセットを完遂する方法です。
イメージとしては
1セット目 80㎏x8回
2セット目 80㎏x7回+60㎏x1回
3セット目 80㎏x6回+60㎏x2回
このように、後半は20㎏分を補助者が助ける事でボリュームを増やします。

科学的ストレス(代謝環境、酸素環境)

科学的なストレスについては2種類ありますが、メニューの組み立てとしては共通するので、一緒に説明いたします。

まず、代謝環境について、
メカニカルストレスを高めるような高強度のトレーニング(無酸素運動)を行うと、エネルギーを生み出す過程で代謝物質である乳酸が発生します。
乳酸は酸素があればミトコンドリアでエネルギー源として使われますが、血流が制限されていると処理しきれずに筋肉内に留まり、筋肉内の代謝環境が悪化します。
これが筋肥大を促すストレスになります。

次に、酸素環境について、
筋肉が低酸素の状態である事がストレスとなり、筋肥大を引き起こすと言われています。筋肉は遅筋繊維より速筋繊維が太くなりやすいとされており、低酸素状態だと酸素が無くても働きやすい速筋が優先的に使われるからです。

では、どうすれば血流が制限され、低酸素の状態を作り出せるのかと言うと、いわゆる「加圧トレーニング」や「スロトレ」「ノンロック」が該当します。

加圧トレーニングは有名ですが、スロトレとは「ゆっくりと動作を行い、対象の筋肉が常に緊張している状態でトレーニングを行う」方法です。筋肉が緊張していると、その周囲の血管が押しつぶされて血流が阻害されます。
ノンロックはもこれに近い考えで、ロックアウト(ベンチプレスなどで肘が伸び切った状態)すると、鍛えたい筋肉の緊張が失われ、血流が再開してしまうので、「ロックアウトしない」フォームでトレーニングを行う事です。

ホルモン・成長因子

筋肉の成長にはホルモンなどの内分泌も大きく関係していると言われています。
筋トレをすると成長ホルモンが分泌される事から、以前はこれが筋肥大の要因として有力とされていましたが、現在は成長ホルモンの関係を否定する見方が強いです。
ただし、成長ホルモンは「ダイエットホルモン」と言っても良いくらいに脂肪を分解する効果が高いようなので、有益である事に間違いはなさそうです。

では、何の影響が大きいのかと言うと「テストステロン」「IGF-1」の2つが大きく関係していると言われています。
「テストステロン」はいわゆる男性ホルモンで精巣から分泌される物と、筋トレ時に筋肉から分泌される物があるようです。量や筋肉に対する影響では精巣>筋トレと考えられており、男女の筋肉量の差はこれで説明される事が多いです。
「IGF-1」は聞きなれない言葉ですが「インスリン様成長因子」とも言われるホルモンで、筋トレすると筋肉から分泌されます(肝臓からも分泌されています)。このIGF-1は強い筋肥大効果があるようです。

この2つのホルモンを分泌させるには前述の「ボリューム」が高い事が重要との事です。ちなみに成長ホルモンの分泌にも「ボリューム」が高い事が重要です。
また、ホルモンは脂質から生み出されるので筋肉を大きくしたい時は脂質も積極的に摂りましょう。

筋繊維の損傷・再生

筋トレをする時にエキセントリックの刺激を意識して行う事が大切。と言う考え方です。伸張性収縮(ネガティブ)の刺激に筋肉は反応しやすいようです。
しっかりとストレッチを感じながら筋トレをする事で筋肉を意識しやすいというメリットもあります。

バズーカ岡田さんもあの手のこの手で筋肉に強烈なストレッチをかける工夫をされていますよね!

コンセントリックよりもエキセントリックの法が強い力を発揮出来るという筋肉の特性を生かし、フォースドレップより強い負荷をを与える方法があります。「挙げる事は出来ないけど、耐えながら少しづつ下げる事は出来る」重量を使い、挙げる動作は補助者が助け、下げる動作は自力で耐えると言うものです。
筋肉に強烈な負荷をかける事が出来ますが、筋肉の回復に長い時間を要するというデータもあり、使い方には注意が必要です。

まとめ

5つの要因はそれぞれ複雑に影響し合っているので、種目や目的によって何を強調するのかを考えてメニューを組み立てる事が大切です。
また、筋肉は「刺激に慣れると成長しにくくなる。」と言う特性もあるので、時期によって何を強調するのか、アプローチを変えていく事も重要です。

参考文献

こちらの書籍は筋肉の成長メカニズムに関する詳しい解説もありとても、勉強になりました。
この他、実際に石井先生の講義を受けて学んだ内容、NSCAの教本なども参考にしています。


「スキ」をしてもらうとダイエットに役立つちょっとした返信があります!
10種類あるので全部見れたらダイエット成功間違いなし!!?

恵比寿でパーソナルトレーナーをしています。 ダイエットやボディメイクに興味のある方はお声かけ下さい。