レポート:社会的インパクトを企業力に変える実践型研究会「スパイラル」説明会
今回は先日参加した、事業や取り組みがうみだす「社会的インパクト(成果や価値)」を企業力に変えるノウハウを追求する実践型研究会「スパイラル」の説明会で伺った話のレポートです。
そもそも、社会的インパクトとは何か?民間企業の生み出す「社会的価値」をいかに企業力に繋げるか?どのように企業間で探求していく研究会とするか?等について伺う貴重な時間だったため、急遽記録にまとめることにしました。
参加の経緯:1人の人生を超えた長期視点
私自身はこれまで、ある組織、企業に所属する一人ひとりの能力やポテンシャルが活き活きと発揮される仕組み・関係性づくりのためのファシリテーション、支援といった活動に携わってきました。
また、3年前に父の病気をきっかけに地元・三重県伊賀市へと戻り、兼業米農家としての百姓仕事に取り組むこととなり、このことをきっかけに他府県との関係人口づくり、集落の文化・風習の継承、持続可能な集落と自然のあり方などに向き合うこととなりました。
私が継いだ実家は、私の誕生時には曽祖父母、祖父母、両親、私と弟という4世代が生活しており、田んぼに取り組み始めたとき、私は曽祖父の代から私の代に至るまで、この百姓としての営みは継がれてきたのだ、と実感できました。
また、我が家が管理している田んぼのひとつに、地域の神社の前に面した田んぼがあります。
この神社の社叢・鎮守の森を眺めると、この森の樹々は私たちの曽祖父母よりもさらに過去の時代から長い年月の間、この集落の人々の営みを見守ってきたことがありありと思い浮かびます。
そう考えたとき少なくとも私は、いずれ自分が曽祖父母のような世代になった時、ひ孫世代がより楽しく生きていけるような社会であってほしいという願いが出てきました。
このように、ある組織・企業・団体における仕組み・関係性づくりから、より大きな地域、社会に対して継続的かつ集合的な取り組みへと探求を進める中で、『コレクティブ・インパクト』という概念に出会っていたことも、今回の研究会に興味を持ったきっかけです。
現在、三重、大阪、京都の関西を拠点に多拠点生活を行いながら上記の活動に取り組んでいますが、今回の実践型研究会「スパイラル」もまた、10年、20年、50年、100年という1人の人間の人生の時間を超えた長期視点に立った未来への取り組みについて探求していく会になるのではないか?
そのように考え、今回、説明会に参加することにしました。
& PUBLIC(アンドパブリック)
今回の説明会を主催した& PUBLIC(アンドパブリック)は、桑原憂貴さん、長友まさ美さん、こくぼひろしさんらによって立ち上げられた、社会的インパクトを追求する組織に「インパクトマネジメントツール」を提供する会社です。
説明会の冒頭、桑原さんからは& PUBLIC(アンドパブリック)創業に繋がるお話…東日本大震災の発生後、陸前高田で行っていたKUMIKI PROJECTでの活動と、その時の経験から生まれた問いを伺いました。
そこには、社会的によいと思われることを行うことと、経済的な持続可能性という異なる価値基準がバラバラに評価されていること、また、ある価値基準のみが優先される偏りへの葛藤が感じられました。
そういった背景も手伝ってか、& PUBLIC(アンドパブリック)は「インパクトマネジメントツール」としてpurposeboard(パーパスボード)を開発されています。
ある社会的企業、NPOなどの活動が実現しようとしている「社会的価値(長期的な価値)」への道筋をどのように整理するのか?どのように測るのか?を見える化・レポート化し、さまざまな課題解決や実現したいビジョンという「山の登り方」をデータベース化・ネットワーク化するという取り組みです。
探求の案内人と事例紹介
また、今回の研究会には探求の案内人と呼ばれる方々が参加することが紹介されました。
説明会当日は案内人がお二人いらっしゃり、一般社団法人インパクト・マネジメント・ラボ共同代表の土岐三輪さんからそもそも社会的インパクトとは何か?の前提共有と、ライフイズテック株式会社の宮本萌子さんから、企業における実践の事例提供をいただきました。
また、お二人には『お二人の視点から見た、当研究会のユニークさ・独自性はどういったところに感じられますか?』という問いを投げさせていただき、以下のようにもお答えいただきました。
研究会「スパイラル」として大切にしたいこと
また、質疑の時間には補足的に桑原さんからもお話しいただきました。
一言一句そのままとはいきませんが、以下のようなメッセージとして私は受け取っています。
研究会に参加するには?
以上、実践研究会「スパイラル」の説明会についてまとめてきました。
私自身が支援現場で、あるいは地元の農家としても感じてきたこと、大切にしていきたいことが重なる部分も感じられ、また、このようなチャレンジングな取り組みが始まることにワクワクしました。
研究会への参加・応募については、桑原さんが以下のように発信されています。
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