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2023年最後のbuying 7日目②

こんばんは。
火曜日までフライトが変えられず帰れないから、一旦休日を挟みます。ということで昨日土曜日はお休み。
昨日はスイスに行くことになったところから電車に2時間ほど揺られてスイスに到着するまでの話をお伝えしたので、今日はスイスはLocarnoという町の話。

Locarnoというmiddle of nowhere

Locarnoと聞いてピンとくる人はいないと思う。なぜなら本当にどこでもないローカル線の終点だからだ。Milanoから景勝地と有名なComoを抜けてLuganoという町がスイス南端で大きな町で、そこを通り越してさらに30分ほど山間を抜けていって登り切った終点、それがLocarno。Lugano自体も知られていないのにLocarnoも知っている人がいる訳がない、と思っていたら毎年8月には国際的な映画祭が開催されることでも有名らしい。失礼しました。
Comoの過ぎたあたりから日本では見ないような急に競りあがっていく山々に挟まれる様に湖とそれを取り巻く様に町が広がり、その合間合間には昔は川などがあったであろう果てしなくただ平らな土地があり、そこに畑や牧畜などのエリアが広がっている。

Locarnoの街散策

駅を降りると早速寒い。街自体が山から湖まで傾斜しているところに存在しているが標高自体は200m程度と決して高くはない。単純にミラノよりも北に位置していて緯度が高いことの影響のようだ。駅から滑り落ちる様に湖畔に降りていくと、穏やかな湖面の広がりと共に湖の反対側にそびえる山の存在感をより強く感じられる。

少しここでのんびりしてもいいかなと思ったけど、クリスマスマーケットを求めている同僚は早くそれを見つけたくてどんどん先に進んでいく。湖の見える湖畔にはしゃれたカフェやレストランが並んでいるけれど、この寒い中、晴れているとはいえ外の席がほとんど埋まっているのにはびっくり。ヨーロッパ、特に北になればなるほど日中の日が短くなるので皆(眩しがるのに)日向や外での食事やお茶を好む。けれど、ここまで寒いところでやったらいくらあったかいお茶でもすぐに冷めるし料理だって冷えてしまうのに…。それでも本能的に陽射しを求めているんだろう。

クリスマスマーケットエリア

グングン歩いていく同僚は、やはりイタリア圏の街の作りが感覚でわかるのか、町の目抜き通りをすぐに見つけて程なくクリスマスマーケット(的な)エリアを見つける。そこがPiazza Grandeだったと知るのはさっき調べたからだけど、確かに斜面にある町の中で数少ない平らな広場。多くないブースっぽくなっている露店が子供たち用に設置された横幅10mほどのスケートリンクを取り囲むように連なっている。

その横にはこの週末にイベントでもやるのかビニールハウスのような大きなドームが張られていて、その中ではサンタのコスプレしたおじさんたちが酒を美味しそうに飲んでる。広場に面した飲食店も透明のドームのような、陽の光を感じながら温かさも感じられるドームを幾つも設置して客に飲み物を提供している。


一通りお店を見た後にお昼を回って(余計なプレッシャーも感じて)おなかも減ったしでとりあえずランチに。スイスらしいラクレットの屋台があったのでそこで、あったかいチーズのかかったラクレットをいただく。ちょっと焦げたくらいに炙られたチーズのかかったじゃがいもやピクルス(定番なのか保存の知恵なのか)はチーズが濃厚で熱々でかなりおいしい。とはいえ結局僕らも寒空の下露店の間にある立食用テーブルで食べているからチーズがみるみる冷えていく(やっぱりね)。慌てて食べるが、チーズ自体は冷めてもおいしいのはさすが。

丘の上の教会

おなかも満たして落ち着いたところで、本格的に街中を散策する。とりあえずに目抜き通りの終わりまで行ってみて逆の終わりまで行ってみると、その途中にとてもわかりにくいけれどケーブルカーが山頂に伸びているのを見つける。上に教会があるからよりも、上から町と湖と山を見渡すためにそのケーブルカーに乗ってものの5分で山の中腹(370m地点)に到着する。

ここから更にケーブルカーが出ており更に登れるけれど、これ以上寒いのには耐えられないので、Santuario della Madonna del Sasso(マドンナ・デル・サッソ )を覗いてみることに。
15世紀にここで修道僧の前に聖母が現れる奇跡が起こったと伝えられ、その奇跡を記念して小さな教会が建てられ、その後16世紀の終わりに現在の建物が建設されたそうな。人形劇のような部屋がいくつもあるのが、個人的にはあまりに偶像崇拝的な感じもしてしまうが礼拝堂自体は荘厳そのままで礼拝堂の天井は聖書のワンシーンがぞれぞれ切り取って描かれて埋め尽くされている。左半分にはとても大きなパイプオルガンが設置されていてさぞ迫力のある賛美がされているんだろう。


礼拝堂を出て左手にはロカルノの町、そして青く澄んだイタリアとスイスにまたがるマッジョーレ湖が広がっている。冬で空気が澄んでいることと晴れていて優しい陽射しが降り注いでいることで空も湖も深くとても美しい。礼拝堂横の霊廟から見る景色は、その柱から感じられる400年以上の歴史の深みも相まってより一層魅力的なものに見える。歩き疲れたのもあってそこから景色を眺めながらしばし休憩。

その後はジグザグ道がすぐ下に見えたので降りてみると、それが下からのキリストの苦難を経緯を示すプレートを辿りながら教会に臨む、修行も兼ねたような参道になっているものだった。実際に僕らは逆流する形で降りて行ったが数人の熱心なカトリック信者の方々とすれ違った。上るための階段一段一段も石が敷き詰められていて、何百メートルの高さを作る側も歩く側もそれぞれに思いがあんだなと感じられる道だ。


十分に登る価値のある教会で(行きは歩いて帰りは下ってもいいかもしれないけれど)順序はどうであれ歩く価値のある道だった。

思わず突き付けられる厳しい現実

そこからは下りながらこの町の日常生活が垣間見える路地を歩いて目抜き通りまで戻ってくる。

ケーブルカーに乗る前に見つけた美味しそうなチョコレート屋さんでお土産に勇んで入ったら、200gで25CHF(スイスフラン=¥4000弱)というスイスの高物価と最弱円のダブルインパクトで、泣きながらお試し用の100g 10.7CHFのアソートメントセットを許してもらいました。ずっと「なんでスイスフランがCHFやねん」と思っていたけど、スイスの国名をラテン語で表す「Confoederatio Helvetica(コンフェデラチオ・ヘルヴェチカ)」に由来して「F」は「franc」を表すからなんだとか。金より硬いと言われるスイスフランと日本円は、為替面ではなくポジションとして文字通り対局にありそうだ(因みに基本的にCHFは€とほぼ同じ価格)。

イタリアへの帰路

そこから帰りの電車の時間を確認して時間があるので、駅のすぐ近くにあったファンシーなカフェでゆっくりお茶をしてから電車に乗り込む。この時点ではガラガラの電車も下っていき、Luganoで込みだしてComoでは立客も多い状態でMilano Centraleへ。Comoに入った時にイタリアへ戻る(再入国する)形になった訳だけど、ここではPassport Controlはナシ。同僚が「スイスはEUじゃないし元々厳しいからPassport Controlが厳しいけど、イタリアは緩いしスイスから来る人間なら大丈夫だと思ってるからね」という言葉の通りだった。

圧倒的な大きさのCentrale

こうして無事にイタリアへ帰国してから、ミラノでお休みしていたフランス同僚と落ち合って中華料理で晩御飯。
何ともいろんな国々のエッセンスが楽しめる、充実のお休みだった。

こんなことでもなければ絶対に行く機会のなかったLocarnoに行くきっかけをくれて、チケット買ったり僕の代わりにPassportがないことを説明してくれた挙句に怒られてくれた同僚Andrea、ありがとう。
次回はPassportだけは忘れない様にして、雪山のてっぺんを目指してまたスイスを訪れたい。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。

皆様も、良い一日を。

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