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金具供給停止から思うこと【レザークラフト】

おはようございます。
今日は朝から穏やかな空から徐々に明るい晴れになりつつある。

昨日せっかくの3連休だしということで、レザーグッズを何か作りたいと思って、自分のバッグにショルダーストラップを着けられる様にメタルピースを買いに行った時のこと。

いつもたくさん並んでいる金具売り場に行ってみて、まず驚いたのはそのバリエーションがめちゃくちゃ貧弱になっていたこと。そして、僕が普段バッグ作りに使っていたハトメ(ビスみたいな留め具)も全然なくなっていた上に、それ以外のDリングやスクエア金具、ベルトのバックル金具などもごっそり無くなっていて。景気が悪くてレザークラフトの需要が亡くなって売上悪くて取り扱いを辞めてしまったんだと思っていた。
ないものの中からかろうじて、今回探していたストラップの両端につけるフック金具と、自分が今後使いそうなもので安くなっていたものをストックするためにピック。見慣れないフックボタンがあったので使い方の確認のため店員さんにお伺いすると、その会話の中で衝撃の事実を告げられる。ずっと使ってきた金具を作り続けてくれていたセイワさんが倒産したという。このため、在庫は売り切りで、現在は在庫処分のため割引にして販売しているとのこと。それを聞いて使う可能性がある在庫は全て買い取らせていただいた。

セイワ(誠和)

今はすでにホームーページも無くなってしまっているが、誠和さんはレザーの染料がメインで、そちらを使用されていた皆さんも今回のインパクトは大きく痛手を被られているようだ。

破綻理由は『同社はクラフト用の皮革や工芸用各種工具類を手工芸専門店へ卸し、直営の3店舗で直販も行っていた。しかし、中国製など安価な製品の流入に競争激化、また、手工芸を楽しむ世代が高齢化により、市場も小さくなり、同社は売上不振に赤字が続き、債務超過に陥っていた。現状、事業回復の見込みも小さく、同社は事業継続を断念して今回の事態に至った。』とのこと。
こうして、2023年10月26日に破産申立を裁判所に受理され会社は破産、翌27日社員の皆さんは即刻解雇となったという。

コロナによる影響もあったとする記事も見られるので、複合的な要因での倒産となってしまったようだ。
自分のバッグにはセイワさんの光沢のあるゴールドがとても良い雰囲気をレザーと共に醸し出してくれていたのでとても残念。しかも、今後変わりが見つからなければ金具を使わないデザインに変更をしなければならなくもなってくる。自分の中で新たなバリエーションを考えていたところではあったけれど、それでも今のデザインが作れなくなってしまうのは悔しい。

全く次元が違うけれども、材料が枯渇して伝統工芸が廃れていってしまう流れを身をもって実感して本当に悔しいし、喫緊の課題として強く認識させられた。

物を作ることは、フリーではない。

もの作りの根幹には、常に技術だけでなく常に(原)材料があってこそ。
その両方がカバーされるためには、購入という社会から選ばれる使用者たちの応援が必要不可欠なのだ。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。

皆様も、良い休日を。

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