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『光る君へ』第7話を観て・・・ ※ネタバレあり

みなさん、こんばんは。
第6話でライバル才女/紫式部と清少納言が出会い、物語は大きく動き出そうとしておりました。
道長(柄本さん)がまひろ(吉永さん)に対する愛を漢詩や歌で仄めかした前回はまさにラブストーリー感全開でしたね。
その背景はこちらの解説バージョンでどうぞ❗

 


 第6話からの流れと回答

現在、第7話を観る前にこの部分を書いております。。。
ネタバレ恐縮ですが、いかに惹かれ合っている道長とまひろでも、紫式部は父の友人で遠い親戚の親子ほども年の離れた宣孝(佐々木蔵之介さん)を夫にして子まで成すというのが史実であり、道長は左大臣家の姫・倫子を娶り、政治の中枢に食い込んでゆくので、いくら盛り上がっていても結ばれるはずのない二人なのです。
それともドラマですから、まひろが実は道長の子を身籠り、父・為時の任地に赴くのか?
と、想像のツバサは広がるわけです。。。
NHK大河ドラマ『光る君へ』はあくまでも娯楽性重視。
その観点ならば何でもアリで、信じてしまう視聴者があっても自己責任ということになりましょう。
 さてさて、第7話・・・ 視聴後
うまい具合にロマンスフラグ回避ということになりました。
打毬の試合に招かれた後、まひろは雷に驚いた倫子の飼い猫・こまろを追いかけて打毬に参加した若君たちの控えの舎で、彼等の会話を盗み聞いてしまいます。
藤原公任(町田さん)、藤原斉信(金田さん)と道長の三貴族プラス散楽の直秀(毎熊さん)ですね。行成は腹痛で欠席でした。
直秀は終始寡黙でしたので会話には参加しておりませんが、公任と斉信がかなり女性のことでぶっちゃけておりました。
ここはある意味「雨夜の品定め」のオマージュでしょうか。
私の書いた令和源氏物語にも第二帖帚木にてその場面を描いております。

貴族の若君は身分の高い北の方を持ち、好きな女は側室として通えばいい。
そして正妻との間に娘をもうけて後の帝に入内させて家を繁栄させるのが務めである、ということでした。
貴族の婿入りは愛や恋は重要ではないということですね。
公任はズバリ、サラリと言ってのけ、斉信は清少納言を遊ぶのにちょうどいい、などと女子が聞いたらドン引きするような男同士の話をまひろは聞いてしまったのです。
第7話冒頭に道長からの恋文に距離を置かねば、と心にブレーキをかけるまひろでしたが、市井にて助けられるとやはり道長を慕う心を抑えられないという乙女心も、この盗み聞きでミジンコにされてしまったわけです。
来週はどうやら打毬の試合での道長の雄姿に倫子(黒木さん)は熱をあげるようで、本来あるべき貴族らしい婿取りが行われるモヨウ。
倫子の恋が実る形での結婚であれば、少しは救いがあるように思われます。

 をかしきことこそ

第7話のタイトル「おかしきことこそ」は6話で散楽の直秀がまひろに言った言葉ですね。
「をかしきことこそめでたけれ」
(「おかしき」はやはり「をかしき」と表記すべきだと思いましたが、仕方がありません)
第6話でまひろが即席で散楽のネタを披露したところ、ちょっと引かれたネタでした。それは五節舞の際に舞姫たちを殿方が吟味するものの、実際に舞姫は見ている殿方すべてと契りを交わす妄想をしているのだ、という内容でしたね。とてもうら若い乙女が、しかも貴族の姫が言う事とは思えませんでしたが・・・。
またまたドン引きです。
そこで直秀はまひろに「をかしきことこそめでたけれ」と言いました。
下々の者は日々生きることに必死で、散楽はそんな彼らにおかしく笑うことで楽しむこと、生きる活力を与えるのだということを。
道長と距離を置こうと考えたまひろはこの流れで面白い散楽ネタを作ろうと決意しました(どうしてそうなる?おそるべし紫式部ブレイン。。。)
右大臣家を皮肉った散楽は人気となり、右大臣家の上つ方々は下人をやって散楽の一味を打ち懲らしめようと暴挙に出ます。
道長はそれを止めに行ったところでまひろが危ない目に遭っているところを救いますが、まひろが道長一族をディスるネタを作ったというのに、
「俺も観たかった」
という道長のセリフはよかったですね。
直秀にお前の一族は最悪だといわれても、同意する道長。
子供の頃から市井に馴染んでいたので、柄本道長なかなかの好感度でした。

 失意の花山天皇

寵愛の深かった女御が亡くなられ、帝は塞ぎこんでしまわれます。
幼いころから奇行と女好きが仇を成し、側近といえば叔父の義懐(高橋さん)と乳兄弟の惟成、そしてまひろの父の為時ということになります。
まひろの父は学者肌で政治家ではありません。
野心のある者がもしもこの地位にあるならば、政事にも参加しようとするでしょう。しかし堅物で生真面目な為時は融通が利きません。
しかも同じく側近の義懐を心よく思っていないのが帝にバレバレです。
政治を変えようとしていた花山天皇も女御が身罷ったことで心弱くなっております。
そして右大臣を重用するようにと進言した為時に、女御を呪詛したのは右大臣ではないのか?とかなり穿った発言をされておりました。
右大臣兼家の心裡を看破して、己の身も危ういと感じておられます。
実際に謀られて退位させられてしまうので、その読みは正確ですね。

 右大臣の惧れ

第7話で次の回の伏線と思われたのが、右大臣・兼家の悪夢ですね。
やはり呪詛によって帝の子を、ひいては女御を弑するとは、もはや人の道から外れております。
その呵責が悪夢をみさせたのでしょうか。
安倍晴明(ユースケさん)はその力を存分に示し、さらに右大臣家をどうともできるというような脅しをかけてくるもので、まさに心中穏やかではないでしょう。険悪な雰囲気になりかけたところで道長が帰宅し、事なきを得ますが、気になったのは晴明が道長の顔をまじまじと見ていたところ。。。
先々権勢を欲しいままにする望月が見えたのかもしれません。
来週の予告では兼家は病床にあるようでした。
もしも亡くなるにしても、これまでの悪行に苛まれて穏やかなものとは思われません。
いや、むしろ、晴明の呪詛???
来週が気になります。
さて、第6話で特に印象的だったのは、長男の道隆と次男の道兼のツーショット。兄は弟を労わり、すでに家長としての風格を備えているように思われました。
やはり北風と太陽では、太陽のほうがオープンマインドできるのでしょうか。
兼家を泥を被る役にさせた強権的な父親・兼家とは真逆の穏やかな道隆、道兼のすさんだ心は癒されるのでしょうか。
しかしあの長男、裏の顔があるような気もします(勘ですが)。
ともあれ何がしかの心境の変化があり、来週は道兼とまひろが再会するような気配がありますね。
道長は自分が矢を射った盗賊が直秀と知ってしまいましたし、義賊であると知れば道長の接し方も変わるでしょうか?
柄本道長はとてもフラットなタイプなので、友情が芽生えるかもしれません。
話は変わりますが、今週はまひろの弟の真宙君が出てきませんでした。
残念!
それでは、また来週☆

『令和源氏物語 宇治の恋華』第九十話 明日掲載させていただきます。


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