福岡テンジン大学×西福岡中学校1年生総合「職業ナビゲータープロジェクト①」×キャリア教育|出前授業
1.公立中学校、アウトプットにこだわったキャリア教育への挑戦!
さて、今回の授業ですが、なんと!スポットティーチャー初となる中学校での授業です🙌
依頼があったのは夏休み🌻
福岡市立西福岡中学校の1年生担任、工藤先生からのお願いでした。この学習はキャリア教育の一環としての授業だそうで、さらにくわしくお話を伺ったところ、2学期から3学期にかけて行う一大総合学習プロジェクトということでした。
SPOT TEACHERとしても中学校での授業は初めての試みでしたが、担当の先生方の「子どもたちのために、最後のアウトプットまでこだわったキャリア教育にしたい!」という強い想いに感銘を受け、共に伴走させていただくことを決めました✨
夏休み中に何度も打ち合わせを行い、学校にも訪問しました。そして、今回は第1時間目という大切な日!!
「福岡を、世界でいちばん魅力的なまちにする」という理念のもと、“まち”全体をキャンパスとしてさまざまな学びの場を提供されているテンジン大学の学長、岩永真一さんにお越しいただき、大事な導入の特別授業を行っていただきました。
どのような授業になったのか、これから紹介しますので、ぜひ最後までお読みくださいね😊
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2. 世の中に仕事っていくつあるんだろう?
講堂に集められた中学生たち。小学生に比べると体も大きく、人数も多いため、いつもとは全然違う印象を受けました。
しかもこの日は9月中旬にもかかわらず、気温は35℃超え!
暑さで子どもたちの集中力が大丈夫かと心配している中、授業が始まりました。
まずは岩永さんの簡単な紹介の後、唐突にこんな質問が投げかけられました。
『世の中には いくつ職業があるでしょうか?』
「班ごとの対抗戦だよ!たくさん書いてね!制限時間は4分です!」
子どもたちは紙にたくさん思いつく職業を書き出していきます。
なんと近くでは「先生たちグループも書くからね!」と先生グループもあることが判明!
子どもたちも「えっ!先生たちもするの!!」「大人の方が人数多くないか!!ずるいぞー!!」「先生たちどれくらい書いてるの???」
と盛り上がりながら、どんどん職業を書いていきます。
岩永さんから事前に「今日の話はリラックスして聞いてね。姿勢は崩してもいいし、寝転んだっていいんだよ。」と言われていたので、子どもたちは思い思いの姿勢でリラックスしながら考えを書いていきます。
グループによっては職種のくくりごとに考えたり、考える人・書く人で役割分担をしたり、周りをキョロキョロしてヒントを探したりと、それぞれが工夫しながら職業を書き出すあっという間の4分間でした。
さて、それではどのグループがたくさん書けたのか、答え合わせをしていきます!グループ内で代表の子が1人立つよう指示がありました。
「じゃあ、今から数を言っていくから、それよりも少なかったら座ってください。」「40!」「50!」「60!」「65!」「67!」「70!」…。
その後も数がカウントされ、立っている代表の子がどんどん減っていきます。
立っている代表の子が少なくなるほどに、会場の盛り上がりは増します。
最終的に1番多く職業を書いたチームは、なんと110!
たった4分間で、しかも断トツで多くの職業を書き出していたのですごい!と周りの子どもたちもその成果に拍手喝采が響きました。(※ちなみに先生チームも奮闘されていましたが、110には及ばず…!)
その後岩永さんから「ちなみに世の中にお仕事って何個あると思う?厚生労働省の発表では1万8000職業があるって言われているよ。」
岩永さんは続けます。「世の中にこれだけの仕事があると考えたらすごいよね。例えば、今はみんな『中学生』という職業に就いているとしたら、将来は今この会場にいるみんなが誰一人かぶらない仕事に就くこともできるってことだよね。」
子どもたちは想像を超えるあまりの数の多さに驚きを隠せないようでした。
準備運動としてのワークが終ったところで、ようやく岩永さんの自己紹介が始まります。たくさん職業があると知ったばかりの子どもたちにとっては、職業に注目が集まります。
さて、岩永さんの職業とは一体なんなのでしょう…?!
3. 「ぼくは現在10個の仕事をしています」
そこからは岩永さんの経歴が映し出されます。
「ぼくは生粋の福岡生まれで、大学を卒業後もいろんな仕事に就きました。そして今までに20の職業を経験してきました。」
「いま、職業って何?と聞かれたら、正直むずかしいです。いろんな仕事を同時にやっているからです。数えてみたら、実際には10こくらいありました。」
「現在、ぼくは『複業』という働き方をしています。」
そう言うと、スクリーンには岩永さんがどのように仕事の幅を広げ、現在のような働き方になったのかが映し出されます。子どもたちはなかなか聞けない話に釘付けになっています。
「この複数の仕事内容が当てはまる 職業がわからないので、自分の職業を『関係デザイナー』と名付けました。」
次に画面に映し出された文字には、以下のように示されます。
1.職業は、いくつも経験できる
2.職業は、同時並行でできる
3.職業は、自分でつくれる
現在の世の中では、少しずつ『複業』という言葉が浸透してきましたが、これまでは岩永さんのような働き方をする人は非常に珍しかったことでしょう。学校現場では、そのような働き方をしている方の話を聞く機会は少なく、会場にいる子どもたちだけでなく、先生方も熱心に聞き入っている様子が伺えました。
その後、岩永さんからは「そもそも人はいつから、どんな 【働く・仕事・労働】 をしていたのか?」ということで、歴史的なキャリアについてわかりやすく面白く教えてくださいました。
続いて、“そもそも職業ってどうやって選べばいいの?”という問いに対して子どもたちに1つの質問が投げかけられます。
「実は、仕事で最も幸せな働き方は、①好きなこと、②得意なこと、③大事にしていることが重なっている人だと言われています。では、このなかでどれに集中すべきだと思いますか?」
子どもたちに挙手でアンケートを取ると、①好きなことや②得意なことが多く挙がりました。しかし、研究によると、②得意なことに集中する方が良いとされているそうです。その訳としてこう解説されました。
「得意なことはあまり変わらないし、むしろ得意を生かしていくことでできること(得意なこと)がさらに増えていくんだよね。じゃあ、どうして好きなことじゃないのか?好きなことは環境によって変わる可能性があるから、得意を増やして得意に集中する方が良いとされているんだよね。」
中学生の子どもたちが本当に真剣に集中して話に聞き入っている様子が伺えます。『進路』という言葉を考えるようになった子どもたちにとって、この話は非常に深く心に刺さったようです。
その後、岩永さんよりメッセージが送られました。
最後の時間は質疑応答です。
「苦手なことから逃げたくなることはありますか?」
「夢をあきらめたことはありますか?」
「学校の授業って意味がありますか?」
「やってきた職業で魅力的だったことは何ですか?」
いろいろな質問が飛び交いましたが、どの質問にも岩永さんらしい視点でしっかりと答えてくださいました。
たくさんの職業を経験された岩永さんだからこそできる、大変興味深いあっというまの90分でした!ありがとうございました😊
今回の授業を受けた子どもたちや先生方の感想も紹介させていただきたいと思います。
大切な導入となる貴重な授業をありがとうございました!岩永さんはこれからもタイミングが合えば授業をしてくださるということです✨
授業を希望される方は下記ホームページまでお問い合わせください。
※岩永さんへの直接の連絡はご遠慮ください。
本当にありがとうございました~🐱
5. 最後に
冒頭でも紹介しましたが、今回のこのキャリア教育は3学期まで続く一大プロジェクトです。
総合学習と言えば、調べ学習をしてレポートを作成したり、スライドやポスターにまとめて発表したりすることが多いですが、小学校でこれらのアウトプット方法を学んできた子どもたちにとって、中学校では少し違ったアプローチで取り組みたいと思っていたそうです。
そこで、スポットティーチャーの存在を知った工藤先生から力を貸してほしいと相談が入りました。夏休み中に何度も先生方の意向を確認しつつ、私なりの提案も行い、今後の大切な導入につながる授業はテンジン大学の岩永さんにお願いしました。
子どもたちからの感想を見た結果、以下の2点が大きな成果として挙げられました。
①職業がたくさんあることを知り、職業を多く知っておくことの重要性を理解したこと
②「複業」という言葉を知り、「得意を生かすこと」という新たな視点を加えられたこと
今後はこの授業をスタート地点として、子どもたちが最終的に『CM作り』に挑戦します!!
さらに、福岡市で公立小学校初となるクラウドファンディングに挑戦した小笹小学校と同様に、西福岡中学校の“職業ナビゲータープロジェクト”に、SPOT TEACHERが協力&応援隊として伴走することも決定しました!!
なので、この総合学習はシリーズものとなります✨
現在もプロジェクトは進行中ですので、できるだけ時系列に沿って投稿していきたいと思います。この中学校の新しい総合学習の授業提案が、少しでも参考になるといいです!
それでは、まずは第1弾!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
第2回目の投稿も楽しみにしていてくださいね~😊
☟小笹小学校の大きな挑戦もまだ続いています!!☟