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よしなしごとたち

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日々感じたことを好きなようにずるずると綴っています。
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2020年5月の記事一覧

コロナ禍の決意

コロナ禍の決意

コロナ禍において、もっとも納得がいかないこと。
それは「恋人に会えないストレスで食べすぎて太る」という構図である。

だって、だってですよ、「恋人に会えるからストレスフリー、食べすぎることもなく体型キープ!」って、いったいぜんたいなんやねん?
ちょっと、いいとこどりすぎやしませんか。
ずるい。せめて後半だけでも交換してくれないと絶対つじつまが合わない。わたしもそっち側がよかった。圧倒的ずるい。

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いっしょにおいしくなりたいの

いっしょにおいしくなりたいの

南極に駐在する8人の男たちの日々を描いた映画「南極料理人」を観た。
近頃、涙腺がすっかりばかになり参っているのだけれど、ついにむさくるしいおじさんたちの食事シーンでぼろぼろ泣くまでに至ってしまい、さすがに我ながらぎょっとしている。

彼らは決して、心を尽くした賛辞を口にするわけでも、にこやかに笑顔を交わしあうわけでもない。
基本的に、食事中は終始無言。時には、堺雅人演じる料理人の作るごはんに対して

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映画のなかの音

映画のなかの音

映画のなかの音というのは、なんだか特別な響きを持って耳に届く。

特に際立つのは、“生っぽい”、すなわちフィクションみの少ない映画のなかにある、なんてことのない生活音だと思う。
ほとばしるシャワーの水音、かすかな衣擦れ、ポーチのファスナーを閉める音、ひかえめな鳥のさえずり、コンビニの安っぽい来店音、店員のけだるそうな挨拶の声、ビニール袋を開くかしゃ、という音。

画面にうつる彼ら彼女らの為す所作は

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普門館との邂逅

普門館との邂逅

日中の長時間を外で過ごした日の夜は、身体にこもった熱がいつまでも抜けなくてだるい。
外出を控えるようになって約2か月、すっかり体力が落ちてしまったなと思う。近所の公園をぐるっとひと回りする散歩ルートにも飽きて、近頃は新規開拓にいそしむようになった。

家を出て北東方面(たぶん。わたしには方角というものがよくわからない)へ少し進むと、環七通りに突きあたる。
そこをずーっと南下(たぶん)するのは、今日

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